1. 訪問看護は“夏の重労働”|なぜこんなに暑いのか?在宅での看護・リハビリは、病院と違って空調の効いた環境ではありません。利用者宅によっては以下のような状況が見られます。エアコンを使っていない(節電・音が嫌など)訪問中は窓を開けることが多い(感染対策、換気)処置や介助中に PPE を着用し続ける団地やエレベーターのない住宅での階段移動つまり、看護師・療法士自身が熱中症になるリスクを常に抱えているのが夏の訪問現場です。2. 夏場の服装と持ち物の工夫<おすすめの服装>アイテムポイント速乾インナー(スポーツ用)肌に張りつかず快適。汗冷えも防止半袖スクラブ or ポロシャツ通気性と動きやすさを両立UVカットのアームカバー日焼け防止・冷感素材なら涼しさアップ通気性のある靴蒸れにくく、軽い靴が◎※業務用ユニフォームの規定がある場合は、色味や形状に注意しましょう。3. 熱中症対策:こまめな水分補給と塩分補給をセットで500mlのスポーツドリンクを常時持参汗をかいた後は経口補水液や塩飴もおすすめ利用者宅に入る前、出たあとに「ひと口飲む」習慣を自転車・バイク移動の方は首元の日焼け・脱水に注意「喉が渇いてから」では遅いため、時間を決めて飲むルールも効果的です。4. 訪問スケジュールにも“ゆとり”を夏場は想定以上に移動や処置が重労働になります。事務所側のスケジューリングも重要です。午前中に高負荷の処置・リハビリを集中炎天下の時間帯(12〜15時)の訪問は移動に注意水分補給やクールダウンの時間をスケジュールに組み込む必要に応じて訪問時間の微調整も柔軟に対応利用者の命を守るためにも、スタッフの体調管理は最優先事項です。5. こんなときは無理しない、体調の変化に早めに対応を訪問看護師・リハ職は「責任感が強く我慢しがち」な傾向がありますが、次のような症状が出たらすぐに管理者や事務所へ連絡を。めまい、立ちくらみ、頭痛吐き気、全身のだるさ異常な発汗や、逆に汗が出ない手足のしびれや感覚の違和感軽症の段階での対応が、重症化を防ぎます。6. ご家族・利用者にも一言アドバイスを看護職からの声がけは、利用者にとって強い影響を持ちます。「水分とれてますか?」「お部屋の温度見直してみましょうか?」「今日暑いですね、すこし涼みましょう」「今日は汗をかいたので、血圧が下がるかもしれませんね」“自分の健康管理”と同じくらい、“相手への気づかい”にもつながるのが、夏の訪問ケアです。7. ピース訪問看護の暑さ対策筆者が所属するピース訪問看護ステーションでは、スタッフが安心して夏を乗り切れるよう、以下の対策を行っています。スポーツドリンクや塩タブレットを支給水分補給タイミングの周知夏季の訪問スケジュール調整の推奨熱中症対策用の備品配備(冷感グッズなど)安全・安心のケアのためには、スタッフの体調管理も職場全体で支えることが欠かせません。8. まとめ夏の訪問看護では、看護師自身がまず健康でいることが、質の高いサービスの提供につながります。熱中症対策は、個人の工夫だけでなく、チームや事業所の取り組みとして全体で行うことが重要です。無理なく、そして安心して働ける環境を整えることで、利用者にもスタッフにも優しいケアが実現します。そのほか、訪問看護や町田市の福祉などに関するコラムはこちらもどうぞ!👉【要注意】屋外歩行訓練はできる?訪問看護・リハビリで実施するための条件と注意点👉「OTらしさ」を最大限に活かせる働き方とは?訪問看護の現場で広がる可能性 👉【熱中症対策】町田市の高齢者を守る訪問看護の最前線町田市で訪問看護や介護サービスについて知りたい方は、ピース訪問看護ステーションの公式サイトもあわせてご覧ください。▶ https://island-piece.jp/service/houmonkango