1. 肝臓の働きと「沈黙の臓器」と呼ばれる理由肝臓がしている主な仕事(代謝・解毒・栄養の貯蔵)肝臓の主な働き内容の説明代謝食べ物の栄養をエネルギーや体の材料に変える解毒アルコールや薬、老廃物を無害化して体外へ排出胆汁生成脂肪の消化を助ける胆汁をつくる貯蔵糖・ビタミン・鉄分などを蓄えて必要時に供給肝臓は「体の化学工場」と呼ばれ、栄養代謝・解毒・胆汁生成・貯蔵と多岐にわたる役割を担います。食べた栄養をエネルギーや体の材料に変えるだけでなく、有害物質を処理して排出し、脂肪の消化に必要な胆汁を作り出します。また、ブドウ糖や鉄、ビタミンAなどを蓄えて必要に応じて放出することで、全身のエネルギーを調整する重要な臓器です。出典:厚生労働省「肝臓の基礎知識」なぜ肝臓の不調は気づきにくいのか理由解説痛みを感じにくい肝臓には痛覚神経がほとんどない代償機能が強い一部が悪くなっても他が補う自覚症状が曖昧倦怠感など他の病気と似た症状が多い肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれるのは、神経が乏しく痛みを感じにくいためです。さらに、損傷した部分を残りの部分が補う代償機能が高く、初期ではほとんど症状が出ません。だるさや食欲不振、肌のかゆみなどの軽い症状に気づかず、病気が進行してから判明するケースが多いのです。定期検査で早期発見を心がけましょう。出典:日本肝臓学会「肝臓病 Q&A」体のだるさや肌トラブルと肝臓の関係症状関連する原因倦怠感・疲れ老廃物(アンモニアなど)が処理できない皮膚のかゆみ胆汁成分が血液中に増加肌のくすみ血流悪化・代謝低下による肝臓の不調は、全身の倦怠感や肌トラブルとして現れます。老廃物がうまく処理できずに血液中に残ることで、疲れや眠気が続きます。胆汁酸が血液中に増えると皮膚のかゆみが出やすくなり、血流が悪くなると顔色がくすむこともあります。美容トラブルの裏に肝臓の不調が隠れている場合もあります。出典:国立国際医療研究センター「肝臓疾患に伴う症状」2. 肝臓の調子が悪いときに出るサイン目や肌の変化(黄疸・かゆみ・顔色のくすみ)見た目の変化原因白目や皮膚が黄色いビリルビンの増加(黄疸)皮膚のかゆみ胆汁酸が皮膚に沈着顔色が悪い・くすみ代謝低下・血流障害肝臓が悪くなると、皮膚や白目が黄色くなる黄疸(おうだん)が現れることがあります。これはビリルビンという色素が血液中に増えるためです。また、胆汁の流れが悪くなると皮膚のかゆみや乾燥が出やすくなります。こうした目や肌の変化は、肝臓のSOSサインであることが多く、早期受診が大切です。出典:厚生労働省「肝臓病の症状」体の不調(倦怠感・むくみ・微熱・吐き気)症状メカニズム倦怠感・疲れ解毒機能の低下・代謝不良むくみアルブミン減少による水分バランス異常微熱・吐き気肝炎や炎症反応による肝臓が弱ると、まず現れるのはなんとなくの不調です。体が重い、疲れが取れない、食欲がわかないといったサインは、解毒機能の低下によるものです。血液中のアルブミンが減ると水分のバランスが崩れ、手足や顔がむくみやすくなります。慢性的な微熱や吐き気も特徴的で、風邪と誤解しやすいため注意が必要です。出典:日本消化器病学会「肝疾患における症状」お腹の違和感(右脇腹の痛み・お腹の張り・尿や便の色)症状関係する異常右上腹部の痛み肝臓の腫れや炎症お腹の張り腹水・肝腫大尿が濃い・便が白っぽい胆汁の流れが悪い肝臓が腫れて大きくなると、右上腹部に鈍い痛みや圧迫感が出ます。これは肝臓を包む膜が伸びて刺激を受けるためです。また、腹水がたまるとお腹の張りや息苦しさを感じることもあります。尿が濃い茶色に変わったり、便が白っぽくなる場合は胆汁の排出異常が考えられます。これらは進行のサインです。出典:国立がん研究センター「肝臓がんの症状」3. 放っておくと起こる重い症状お腹に水がたまる(腹水)・体がむくむ症状原因腹水肝硬変で血流が悪化し、腹腔内に水がたまるむくみ血中アルブミン低下による肝硬変が進むと、体内の水分バランスが崩れて腹水(ふくすい)がたまります。これは肝臓での血流障害により静脈圧が上がるためです。アルブミンが減ると血液が水分を保持できず、手足や顔がむくみます。腹水は病状進行のサインであり、塩分制限や利尿薬、在宅での管理が必要になる場合もあります。出典:厚生労働省「肝硬変の症状と治療」4. 検査でわかる「肝臓の数値」の見方AST・ALT・γ-GTPなどの基準値と意味項目主な意味共用基準範囲(例)AST(GOT)肝細胞の壊れ具合を示す13〜30 U/LALT(GPT)肝臓の炎症や障害を示す男10〜42/女7〜23 U/Lγ-GTPアルコールや胆道障害の影響を反映男13〜64/女9〜32 U/LALP胆汁の流れや胆管の異常を示す(IFCC法)38〜113/(JSCC法)106〜322 U/L肝臓の検査ではAST・ALT・γ-GTPなどの数値が重要な指標となります。ALTは主に肝臓そのものの炎症を反映し、ASTは筋肉や心臓にも関係します。γ-GTPはアルコールや胆道障害の影響を受けやすく、生活習慣を反映する数値です。測定法や施設によって基準値が異なるため、変化の推移をみることが大切です。出典:厚生労働省「肝機能検査の基準と意義」血液検査・エコー・CTなどの検査方法検査方法目的・特徴血液検査肝機能・炎症・ウイルス感染の有無を調べる腹部超音波(エコー)肝臓の形・脂肪沈着・腫瘍の有無を確認CT・MRI詳細な画像で腫瘍や線維化を評価FibroScan肝臓の硬さ(線維化の程度)を測定肝臓の状態を知るには、血液検査だけでは不十分です。画像検査を併用することでより正確な診断が可能になります。特にFibroScan®(フィブロスキャン)は針を刺さずに肝臓の硬さを調べられる非侵襲的な方法で、慢性肝炎や肝硬変の評価に有効です。異常を早期に発見するためには、これらの検査を定期的に受けることが重要です。出典:日本肝臓学会「肝臓病の検査について」健診で「肝臓の数値が高い」と言われたらどうする?状況対応の目安一時的な上昇食生活・睡眠不足・薬の影響を見直す持続的な上昇内科・消化器内科を受診し精密検査急激な上昇急性肝炎や薬剤性障害の可能性あり要注意健診で肝機能異常を指摘されたら、まず一過性か持続的かを確認します。数値が基準の2〜3倍以上で持続する場合や、急激に上昇している場合は、早めに消化器内科を受診しましょう。脂肪肝・薬剤性障害・飲酒などの影響が重なっていることもあるため、生活習慣の記録と再検査が早期発見につながります。出典:東京都福祉保健局「肝機能検査と再検査のすすめ」5. 肝臓の病気を引き起こす原因生活習慣(お酒・肥満・食生活・運動不足)要因肝臓への影響飲酒アルコール性肝障害・肝硬変の原因肥満・高血糖脂肪肝・NASHを引き起こす高脂肪食中性脂肪蓄積・炎症を促進運動不足脂肪燃焼が減り肝臓への負担増加肝臓に最も負担をかけるのは、日常生活の積み重ねです。飲酒、過食、糖質の摂りすぎ、運動不足などが重なると、脂肪肝や肝炎のリスクが増加します。特に肥満やメタボリック症候群を背景にしたNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)は日本でも増加傾向にあります。日々の食事と運動が、肝臓を守る最大の予防策です。出典:厚生労働省「生活習慣病と肝疾患」ウイルス性肝炎(B型・C型など)種類主な感染経路特徴B型肝炎血液・体液感染(母子感染、性行為など)若年感染で慢性化しやすいC型肝炎血液感染(輸血・注射器の使い回しなど)自覚症状が少なく進行性A型・E型肝炎食品や水を介して感染一過性で回復することが多いウイルス性肝炎は日本で約200万人が感染しているといわれ、慢性肝疾患の主要な原因のひとつです。B型・C型肝炎は慢性化しやすく、放置すると肝硬変や肝がんへ進行します。現在は抗ウイルス薬による治療が進歩し、C型肝炎ではほぼ完治が可能になっています。定期検査とワクチン接種で予防を徹底しましょう。出典:国立感染症研究所「ウイルス性肝炎とは」薬や自己免疫による肝障害種類原因備考薬剤性肝障害薬やサプリメントの影響市販薬・漢方でも起こる場合あり自己免疫性肝炎自分の免疫が肝細胞を攻撃女性に多い原発性胆汁性胆管炎(PBC)胆汁の流れが悪化かゆみ・倦怠感が特徴薬やサプリメントの成分が肝臓に負担をかけることがあります。特に解熱鎮痛薬や一部のサプリは薬剤性肝障害を起こすことがあり注意が必要です。さらに、体の免疫が誤って肝臓を攻撃する自己免疫性肝炎やPBCも女性に多く見られます。服薬歴やサプリ使用を医師に伝え、早めの対応を心がけましょう。出典:日本肝臓学会「自己免疫性肝疾患」6. よくある肝臓の病気と特徴脂肪肝・NASH(生活習慣病との関係)病名特徴脂肪肝肝細胞の5%以上に脂肪が蓄積した状態NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)脂肪肝が炎症・線維化を起こす進行型NAFLD脂肪肝全般を指す総称脂肪肝は、過食や運動不足、糖質の摂りすぎによって肝細胞に脂肪が5%以上たまる状態です。炎症が加わるとNASHに進行し、やがて肝硬変や肝がんの原因になります。糖尿病や肥満と深く関連する生活習慣病であり、早期の体重管理と食事改善が予防の基本です。出典:厚生労働省「非アルコール性脂肪性肝疾患」アルコール性肝障害の症状と進行ステージ病態脂肪肝飲酒により肝臓に脂肪がたまるアルコール性肝炎炎症と壊死を伴う中等度の障害肝硬変長年の飲酒で肝臓が線維化し機能低下お酒を飲み続けると、まず脂肪肝が起こり、炎症を伴うアルコール性肝炎を経て肝硬変へ進みます。女性は男性よりアルコール代謝能力が低く、少量でも障害が起こりやすいことが知られています。禁酒・節酒が最も効果的な治療で、2〜6週間の禁酒で数値が改善することもあります。出典:日本アルコール関連問題学会「アルコール性肝障害」慢性肝炎・肝硬変・肝がんのサイン病名特徴慢性肝炎長期間炎症が続き線維化が進行肝硬変肝臓が固くなり機能が低下肝がん肝硬変から発生することが多い肝炎ウイルスや脂肪肝による炎症が長引くと、肝臓が線維化して硬くなります。これが肝硬変で、腹水・黄疸・出血傾向などが現れます。進行すると肝がんを発症することも多いため、定期的な血液検査と腹部エコーで経過を見守ることが重要です。出典:国立がん研究センター「肝がんの進行と症状」7. 「この症状が出たら」病院に行くタイミング早めに受診したほうがいい症状症状考えられる病気白目や皮膚の黄ばみ肝炎・胆道障害強い倦怠感肝機能低下・肝炎お腹の張り・むくみ肝硬変・腹水意識のぼんやり肝性脳症の可能性肝臓の病気は進行してから気づくことが多いため、早めの受診が重要です。特に黄疸、強いだるさ、腹部膨満、むくみなどが出た場合は肝臓の機能が低下している可能性があります。意識がもうろうとするなどの症状は重症化のサインであり、すぐに医療機関へ相談が必要です。出典:厚生労働省「肝臓の病気を疑う症状」どんな診療科を受ければいい?(肝臓内科・消化器内科)状況推奨診療科数値異常・軽度の不調消化器内科慢性肝炎・肝硬変肝臓内科・専門外来薬剤性障害・再検査一般内科または専門医肝臓の異常を相談する場合は、消化器内科または肝臓内科が適しています。慢性肝炎や肝硬変が疑われる場合は、日本肝臓学会認定専門医の受診が望ましいです。自治体や保健所でも肝炎ウイルス検査や相談窓口を設けているので、早期に利用することが早期発見・治療につながります。出典:日本肝臓学会「専門医・専門施設検索」8. 在宅でのサポートと訪問サービス訪問看護でできる肝臓疾患のケアサービス内容詳細体調管理バイタル測定・症状観察・服薬管理栄養・生活支援食事や水分摂取のサポート医師との連携在宅医療や通院治療の橋渡し訪問看護では、看護師がご自宅を訪問し、体調や症状の観察、服薬管理、生活支援を行います。肝臓疾患を持つ方の場合、食事・水分バランス・むくみ・倦怠感の確認が特に重要です。訪問看護師が定期的に状態をチェックし、変化があれば主治医に報告することで、病状悪化を早期に防ぐことができます。自宅でも安心して療養できる支援体制です。出典:厚生労働省「訪問看護の利用対象とサービス内容」訪問リハビリで体力・生活機能を守る方法支援内容効果・目的筋力・バランス訓練倦怠感や筋力低下を予防呼吸リハビリ腹水や体力低下による息切れを軽減日常動作訓練立ち上がり・歩行・食事動作の安定化肝臓病を持つ方は、慢性的な疲労感や筋肉量の低下(サルコペニア)を伴いやすく、訪問リハビリによる支援が効果的です。理学療法士や作業療法士が体調に合わせた運動やストレッチを行い、筋力維持と生活機能を支えます。呼吸訓練や日常動作の練習も行い、在宅生活の自立性を高めることができます。出典:日本肝臓学会「慢性肝疾患とサルコペニア対策」町田市在住の方へ:ピース訪問看護ステーションのご案内スタッフ体制職種人数主な対応内容医療スタッフ看護師9名医療的ケア・症状観察・夜間対応も可能リハビリスタッフ理学療法士・作業療法士・言語聴覚士14名ご利用者の体調に合わせた在宅支援ケアマネジャー介護支援専門員7名医療と介護をつなぐ総合支援特徴詳細夜間対応24時間の緊急対応で急な体調変化にも迅速対応リハビリ職の充実体調や肝臓疾患にも配慮した個別支援が可能ケアマネ連携医療・介護・リハビリを包括的にサポート継続的な健康管理肝機能・体重・むくみを継続的に観察地域連携町田市内クリニックと密に連携し継続ケアを実施ピース訪問看護ステーションは、町田市および近隣地域にお住まいの方を対象に、肝臓疾患を含む在宅療養支援を行うチームです。看護師が定期的に血圧・脈拍・体重・肝機能変化をチェックし、必要時には主治医と連携します。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が倦怠感や息切れに対する個別リハビリを実施。24時間対応と地域医療連携により、安心して自宅で療養を続けられる環境を提供しています。👉 ぜひ町田市およびその近隣にお住まいの方は、ピース訪問看護ステーションにご相談ください。9. 肝臓をいたわる食事と生活習慣食事のコツ(バランス・塩分・油・糖分のとり方)食事ポイント内容バランス主食・主菜・副菜をそろえるたんぱく質肉・魚・卵・豆製品を適量に塩分・脂質控えめを意識し、味付けは薄めに糖質甘い飲み物やお菓子を控える肝臓を守るには、たんぱく質とビタミンをバランス良く摂ることが大切です。過剰な脂質・糖質は脂肪肝を招くため、控えめにしましょう。アルコールを控えるだけでなく、清涼飲料やスイーツの糖分も見直すことが効果的です。野菜中心の和食スタイルが肝臓にやさしく、1日3食のリズムを整えることも代謝を助けます。出典:厚生労働省「肝疾患と栄養管理」お酒との付き合い方・禁酒のポイント状況対応の目安肝機能が高い医師の指示に従い節酒・禁酒肝障害がある完全禁酒が必要禁酒支援医療機関・相談窓口を活用肝臓病の最大の敵は飲みすぎです。アルコールの分解で生じるアセトアルデヒドが肝細胞を傷つけます。1か月の禁酒で数値が改善する例もあり、早期の取り組みが大切です。禁酒が難しい場合は、医療機関や相談窓口を活用しましょう。週2日は休肝日を設けることが理想です。出典:日本アルコール関連問題学会「アルコールと肝臓」睡眠・運動・ストレスケアで肝臓を守る生活習慣肝臓への効果睡眠ホルモンバランスを整え代謝を安定化適度な運動脂肪燃焼・血流改善ストレス対策自律神経の安定・肝血流の維持肝臓の健康は生活リズムの安定と密接に関係します。睡眠不足やストレスは代謝の乱れを招き、肝臓への負担を増やします。軽い運動(ウォーキングやストレッチ)を日常に取り入れることで、血流が改善し脂肪燃焼も促進します。リラックス時間を意識的に取り、心と体を整えることが肝臓ケアの第一歩です。出典:国立健康・栄養研究所「生活習慣と肝臓機能」10. 肝臓病を防ぐための予防と早期発見健康診断・肝炎ウイルス検査の受け方検査の種類内容・目的一般健診AST・ALT・γ-GTPなど肝機能の基本確認肝炎ウイルス検査B型・C型肝炎ウイルスの感染確認超音波検査肝臓の脂肪沈着や腫瘍をチェック肝臓の異常は無症状で進行するため、年1回の健診と肝炎ウイルス検査が欠かせません。自治体では40歳以上を対象に無料検査を実施していることもあります。早期に感染や異常を見つけ、治療や生活改善を始めることで、重症化を防げます。出典:厚生労働省「肝炎ウイルス検査の受け方」ワクチン接種と再感染を防ぐ方法ワクチンの種類対象効果B型肝炎ワクチン新生児・医療従事者・希望者感染予防効果95%以上A型肝炎ワクチン旅行者・高リスク者一過性感染の予防肝炎ウイルスのうちB型とA型はワクチンで予防可能です。特にB型肝炎は母子感染や医療従事者の感染リスクがあるため、予防接種が推奨されています。感染していない場合でも抗体の有無を確認し、必要に応じて接種を検討しましょう。出典:国立感染症研究所「B型肝炎・A型肝炎ワクチン」定期検査で重症化を防ぐポイントチェック項目頻度の目安目的血液検査3〜6か月に1回数値変化の早期把握画像検査一般健診では年1回/高リスク者は6か月ごと腫瘍・脂肪沈着の確認医師による問診定期的生活・服薬の見直し定期的な検査は重症化を防ぐ最良の手段です。一般健診では年1回が目安ですが、慢性肝炎や肝硬変などの高リスク群では6か月ごとの検査が推奨されます。血液検査・エコー・腫瘍マーカーを組み合わせ、変化を早期に把握しましょう。出典:日本肝臓学会「肝細胞がん診療ガイドライン」11. 年代・性別による肝臓トラブルの違い男性に多い肝臓のトラブルと注意点主な特徴背景飲酒量が多いアルコール性肝障害のリスク脂肪肝の進行メタボリック症候群と関連仕事・ストレス生活リズムの乱れが肝機能に影響男性は飲酒量や食生活の乱れにより、脂肪肝・肝硬変・肝がんのリスクが高くなります。厚生労働省の基準では、純アルコール40〜44g/日(日本酒2合相当)以上の飲酒を続けると健康被害のリスクが急増するとされています。仕事のストレスや夜更かしも肝臓に負担をかけるため、週2日の休肝日とバランスの良い食生活を意識することが重要です。出典:厚生労働省「健康日本21(飲酒と健康)」女性が気をつけたい肝臓のサイン症状背景倦怠感・肌荒れホルモン変動と肝機能低下の関係薬の影響男性より代謝能力が低い傾向自己免疫性肝炎女性に多く発症する疾患女性はホルモンバランスや薬の代謝の違いから、肝臓への影響が出やすいといわれています。特に自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎(PBC)は女性に多く見られる疾患です。疲れや肌荒れ、かゆみなどのサインが続く場合は、早めに血液検査で肝機能を確認しましょう。薬やサプリの自己判断使用にも注意が必要です。出典:日本肝臓学会「女性と肝臓病」高齢者や若い世代で増えている肝臓の病気世代傾向高齢者多剤服用・栄養不良・筋力低下による肝負担若年層脂肪肝・NASHの増加(食生活の乱れ)高齢者では多剤併用による薬剤性肝障害が増えています。食事量の減少や筋力低下も肝機能を弱める原因です。一方、若い世代ではエナジードリンクやファストフードの多用による非アルコール性脂肪肝(NAFLD)が急増中です。どの年代でも定期検査と栄養バランスの見直しが欠かせません。出典:厚生労働省「世代別の肝疾患リスク」12. 肝臓に関するよくある質問(Q&A)「疲れやすい=肝臓が悪い」って本当?疲れやすさは肝臓の不調のサインである場合があります。肝臓が疲弊するとエネルギー代謝が落ち、老廃物が溜まりやすくなります。ただし睡眠不足やストレス、貧血などでも同様の症状は出るため、血液検査で肝機能を確認することが大切です。脂肪肝はダイエットで治るの?多くの脂肪肝は生活習慣の改善で回復可能です。体重を5〜10%減らすことで肝臓の脂肪が減り、数値が改善することが分かっています。無理なダイエットは逆効果のため、食事バランスと運動習慣の両立が基本です。肝臓の数値はどれくらいで危険?ASTやALTが上限の2〜3倍を超える状態が続く場合は注意が必要です。急性肝炎などでは500U/Lを超えることもあり、専門医の受診が推奨されます。1回の数値だけで判断せず、経過と他の項目(γ-GTP、ALP)も合わせて確認しましょう。お酒を飲まなくても肝臓が悪くなるの?はい。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は飲酒をしない人にも起こります。糖質の摂りすぎや運動不足、肥満が主な原因で、放置するとNASH(炎症性脂肪肝)へ進行することがあります。生活習慣の見直しが最大の予防策です。肝臓病になったらどんな生活を心がければいい?禁酒・栄養バランス・十分な睡眠が基本です。医師の指導のもとで薬を適切に管理し、定期的な検査を継続しましょう。軽い運動を取り入れ、体調や体重の変化を記録しておくことで、再発防止や早期対応にもつながります。出典:日本肝臓学会「肝臓病Q&A」まとめ肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、症状が現れにくい臓器です。日常の倦怠感や肌のくすみ、食欲不振といった小さなサインを見逃さず、定期検査と生活習慣の改善を心がけましょう。また、在宅療養が必要な場合は、訪問看護や訪問リハビリによる支援で安心して生活を続けられます。ぜひ町田市およびその近隣にお住まいの方は、ピース訪問看護ステーションにご相談ください。関連記事心臓ペースメーカーの生活と注意点、訪問看護とリハビリが支える在宅医療も紹介心臓が痛い?放置は危険!胸の痛みの原因・症状別チェックと受診の目安『心臓に水が溜まる』は何のサイン?心不全・胸水・心嚢水の違いと受診目安心臓がバクバクする原因と対処法、動悸・不整脈・ストレス・訪問看護まで徹底解説咳をすると肺や胸が痛い?考えられる病気と受診の目安・対処法参考文献一覧出典:厚生労働省「肝臓の基礎知識」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000181122.html出典:日本肝臓学会「肝臓病Q&A」https://www.jsh.or.jp/medical/liver/faq出典:国立国際医療研究センター「肝臓疾患に伴う症状」https://www.ncgm.go.jp/hospital/department/hepatology/出典:厚生労働省「肝臓病の症状」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000181122.html出典:日本消化器病学会「肝疾患における症状」https://www.jsge.or.jp/出典:国立がん研究センター「肝臓がんの症状」https://ganjoho.jp/public/cancer/liver/about.html出典:厚生労働省「肝硬変の症状と治療」https://www.mhlw.go.jp/content/000661085.pdf出典:厚生労働省「肝機能検査の基準と意義」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23695.html出典:日本肝臓学会「肝臓病の検査について」https://www.jsh.or.jp/medical/liver/test出典:東京都福祉保健局「肝機能検査と再検査のすすめ」https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/出典:厚生労働省「生活習慣病と肝疾患」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000181122.html出典:国立感染症研究所「ウイルス性肝炎とは」https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/出典:日本肝臓学会「自己免疫性肝疾患」https://www.jsh.or.jp/medical/disease/autoimmune出典:厚生労働省「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000181122.html出典:日本アルコール関連問題学会「アルコール性肝障害」https://www.j-arukanren.jp/出典:国立がん研究センター「肝がんの進行と症状」https://ganjoho.jp/public/cancer/liver/about.html出典:厚生労働省「肝臓の病気を疑う症状」https://www.mhlw.go.jp/content/000661085.pdf出典:日本肝臓学会「専門医・専門施設検索」https://www.jsh.or.jp/medical/institution出典:厚生労働省「訪問看護の利用対象とサービス内容」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000181122.html出典:日本肝臓学会「慢性肝疾患とサルコペニア対策」https://www.jsh.or.jp/medical/disease/sarcopenia出典:厚生労働省「肝疾患と栄養管理」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000181122.html出典:日本アルコール関連問題学会「アルコールと肝臓」https://www.j-arukanren.jp/出典:国立健康・栄養研究所「生活習慣と肝臓機能」https://www.nibiohn.go.jp/出典:厚生労働省「肝炎ウイルス検査の受け方」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000181122.html出典:国立感染症研究所「B型肝炎・A型肝炎ワクチン」https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/出典:日本肝臓学会「肝細胞がん診療ガイドライン」https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/liver_cancer出典:厚生労働省「健康日本21(飲酒と健康)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html出典:日本肝臓学会「女性と肝臓病」https://www.jsh.or.jp/medical/disease/women出典:厚生労働省「世代別の肝疾患リスク」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000181122.html本記事の執筆者・監修者プロフィール【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修者】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理に長け、地域医療連携や在宅看取り支援にも積極的に取り組んでいる。