「来週あたり退院できそうです」。病室でそう言われた瞬間、ほっとするのと同時に頭が真っ白になるご家族を、在宅の現場で何度も見てきました。家に帰れるのはうれしい。けれど、寝室はあのままでいいのか、玄関の段差はどうするのか、誰に何を頼めばいいのか。考えることが一度に押し寄せてきます。退院準備で困るのは、やることの多さより、それぞれに締切があることです。介護ベッドは搬入日を押さえなければ入りません。工事を伴う手すりは、着工前に市区町村へ申請しないと介護保険の対象になりません。順番を知らずに動くと、何も整っていない部屋へ帰ることになります。先に結論を書きます。介護ベッドと据置型の手すりは退院の7日から10日前、工事を伴う住宅改修は3週間から4週間前が動き出しの目安です。退院が決まってから自宅に戻るまでの段取りを、町田市・相模原市で退院直後の方に伺う中でご家族にお伝えしている順番に沿って整理します。この記事でわかること退院準備でやること5つと、それぞれを誰が担当するのかの全体像介護ベッド・手すりを退院に間に合わせるために逆算する日数要介護認定が退院に間に合わないときに使う暫定ケアプランの考え方退院前カンファレンスで家族が必ず聞いておきたい4つのこと住宅改修が退院日に間に合わない場合の、現実的な代わりの手退院準備は自宅に戻るまでに何をすればいいか|まず全体像をつかむ退院準備でやることは、病院の相談窓口への連絡、要介護認定の申請、ケアマネジャーの決定、退院前カンファレンス、自宅の福祉用具と住環境の手配の5つに整理できます。退院準備でやること5つと、誰が動くかの早見表やること中心になって動く人家族がすること動き出す目安退院後の生活方針を決める病棟看護師・医師・退院支援担当自宅の状況を伝える退院の話が出たらすぐ要介護認定の申請家族・地域包括支援センター等申請書の提出(代行も可)退院の話が出たらすぐケアマネジャーを決める家族・病院の相談窓口面談して契約する認定申請と並行退院前カンファレンス病院・ケアマネ・在宅の事業者出席して質問する退院1〜2週間前福祉用具・住宅改修の手配ケアマネ・福祉用具専門相談員置き場所を決める福祉用具は7〜10日前/住宅改修は3〜4週間前家族がすべてを背負う必要はありません。要介護認定の申請は地域包括支援センターやケアマネジャー、介護保険施設が代行できると自治体が明記しています(出典:相模原市「介護保険のサービスを利用するには(要介護認定の申請)」)。福祉用具の選定は専門相談員が担います。家族にしかできない仕事は多くありません。自宅の写真を撮ること、寝室をどこにするか決めること、退院後の不安を言葉にすること。この3つが専門職の段取りの材料になります。逆に、ケアマネジャーとの契約や福祉用具の置き場所の決定は、家族が動かないと止まります。介護ベッドと手すりが「準備の山場」になる理由品目介護保険での扱い手配にかかる時間退院に間に合わせやすさ介護ベッド(特殊寝台)福祉用具貸与契約から搬入まで数日〜1週間早めに動けば間に合う据置型・突っ張り型の手すり福祉用具貸与数日で設置可能間に合わせやすい工事で取り付ける手すり住宅改修事前申請と審査で2〜4週間退院後にずれ込みやすい段差解消(スロープ)貸与または住宅改修貸与なら数日、工事なら数週間選び方次第同じ手すりでも、壁に固定する工事なら住宅改修、床に置くタイプなら福祉用具貸与です。住宅改修の対象工事には手すりの取付けや段差の解消が挙げられ、福祉用具貸与の品目にも手すりやスロープが並びます(出典:厚生労働省「福祉用具・住宅改修」)。この違いを知らずに工事の話で進めると、申請と審査で退院に間に合いません。入院中の家族が最初にかける1本の電話いまの状況最初の連絡先伝えること介護保険の認定がない病院の相談窓口、市区町村の窓口退院予定と自宅の状況要支援・要介護の認定がある担当のケアマネジャー入院していたこと、退院予定日認定はあるがケアマネがいない地域包括支援センター要介護度と退院予定日65歳未満で介護保険の対象外病院の相談窓口病名と障害福祉サービスの相談希望最初の1本は、たいてい病院の相談窓口で足ります。多くの病院には地域連携室があり、医療ソーシャルワーカーや退院支援看護師がいます。病棟の看護師に「退院後のことを相談したい」と伝えればつながります。認定がまだの方は、市区町村の介護保険窓口か地域包括支援センターへ。町田市はこれを高齢者支援センターと呼びます(出典:町田市「高齢者支援センター(地域包括支援センター)」)。相模原市でも同センターが高齢者の相談窓口です(出典:相模原市「地域包括支援センター」)。退院が決まったらすぐ確認すること|退院前カンファレンスと病院の相談窓口退院が決まったら、病院の相談窓口で退院支援の担当者を確認し、退院前カンファレンスの日程と参加者を早めに決めます。病院の相談窓口(地域連携室・医療ソーシャルワーカー)の使い方相談したいこと担当する職種相談の切り出し方退院後にどんなサービスが使えるか医療ソーシャルワーカー自宅に帰ってからの生活が不安だと伝える医療処置が自宅で続けられるか退院支援看護師・病棟看護師家族がどこまでできるかを正直に話す介護保険の申請手続き医療ソーシャルワーカー認定を受けていないことを伝える自宅に帰れるか迷っている医師・医療ソーシャルワーカー迷っていること自体を伝える医療ソーシャルワーカーは、医療と生活の間をつなぐ専門職です。家族の事情を聞き、現実的な落としどころを一緒に探します。相談は無料の病院がほとんど。困っていることをそのまま話してください。「日中は誰もいません」「二階に寝室があります」「腰を痛めていて支えられません」。整理された質問より、こうした事実がケアプランの中身を変えます。介護を担えないという話ほど言いにくいものですが、早く伝えるほど選択肢は増えます。退院前カンファレンスは何をする場か参加が望ましい人持ち込む情報家族が確認したいこと病棟の医師・看護師病状、退院時処方、注意する症状悪化のサインと受診の目安ケアマネジャー自宅の状況、ケアプラン案サービスの開始日訪問看護師自宅で続ける医療処置の体制初回訪問の日と緊急時の連絡先福祉用具専門相談員ベッド・手すりの選定と搬入日搬入日と置き場所理学療法士・作業療法士いまできる動作とできない動作自宅で介助が要る場面退院前カンファレンスは、病院側と在宅側が同じ情報を共有する会議です。おおむね30分から1時間、病院の会議室で開かれます。本人と家族も参加者であり、傍聴者ではありません。家族が必ず聞いておきたいのは4つ。いまできる動作とできない動作、退院時の薬と次の受診日、どうなったら連絡するかの目安、夜間や休日の連絡先。ここを聞き逃すと自宅で毎日迷います。医療と介護の関係者が地域で連携する仕組みも整っており(出典:厚生労働省「地域包括ケアシステム」)、カンファレンスはその入口です。ケアマネジャーの探し方(退院前に決める)探し方向いている状況進め方病院の相談窓口に紹介してもらう認定がなく、退院まで日がない相談窓口へ希望を伝える地域包括支援センターに相談するどこに頼めばよいか分からない自宅の地区を担当する窓口へ連絡市区町村の事業所一覧から選ぶ自分で比べて決めたい一覧を取り寄せ、数か所に連絡ケアマネジャー(介護支援専門員)は、ケアプランを作り、サービス事業者との調整を担う人です。退院後の生活の相談相手なので、退院前に決めます。選ぶときに見たいのは、資格や経験年数より連絡の取りやすさです。折り返しの電話が早い人、予定を柔軟に組める人。医療的な処置が続く方は、訪問看護と連携した経験も聞いてください。仕組みは町田市で居宅介護支援を利用するには?ケアマネの役割とサービス選びのポイントで整理しています。要支援1・2のケアプランは地域包括支援センターが原則の窓口です。ただし2024年度の制度改正で、市区町村の指定を受けた居宅介護支援事業所も介護予防支援を直接担えるようになりました。退院前に決めたケアマネジャーへそのまま頼めるかは、地域包括支援センターに聞いてください。退院準備はいつから始める?自宅に戻るまでの段取りとスケジュール退院準備は、退院日が正式に決まる前、主治医から「そろそろ退院を考えましょう」と言われた時点で始めると間に合います。退院までの標準スケジュール(4週間前から当日まで)時期やること主に動く人退院の話が出たとき相談窓口へ連絡、要介護認定の申請家族・医療ソーシャルワーカー退院3週間前ケアマネジャーと契約、自宅の確認、住宅改修の見積もりと事前申請家族・ケアマネ・施工業者退院2週間前福祉用具の選定と機種決定ケアマネ・福祉用具専門相談員退院1週間前退院前カンファレンス、サービスの日程確定全員退院2〜3日前介護ベッド・手すりの搬入と設置福祉用具事業者退院当日帰宅、必要に応じて訪問看護の初回訪問家族・訪問看護師必要な余裕は、福祉用具だけなら7日から10日、住宅改修まで含めるなら3週間から4週間。実際は認定の結果待ちや審査で前後します。遅れても生活が成り立つ順番で手配してください。優先順位は、寝る場所、トイレまでの動線、入浴の順。ベッドがなければ夜が越せず、トイレに行けなければ介助が要ります。入浴は数日待てます。後回しでよいのは、玄関のスロープや浴室の大がかりな改修。退院直後は外出が少なく、入浴も清拭や訪問入浴で代えられます。用具の全体像は介護保険で利用できる福祉用具とは?レンタル・購入のしくみと選び方を解説【2025年最新版】にまとめています。要介護認定は退院までに間に合うか段階内容家族がすること申請市区町村の窓口へ申請書を提出本人以外でも代行できる認定調査調査員が心身の状態を確認入院中は病室で受けられる主治医意見書市区町村が主治医から取り寄せる主治医が誰かを伝える審査判定介護認定審査会で要介護度を判定待つ結果通知認定結果が本人へ届く届いたらケアマネへ連絡要介護認定は、認定調査と主治医意見書をもとに介護認定審査会が判定し、結果が通知される流れです(出典:町田市「要介護・要支援認定申請から介護サービス利用までの流れ」)。結果までに一定の期間がかかるため、退院日によっては間に合いません。覚えておいてほしいのは、入院中でも申請できることです。認定調査は病室で受けられます。退院後に申請すると、そこから調査と審査が始まり、サービス開始がさらに遅れます。申請窓口は自治体で名称が違います。町田市は介護保険課や高齢者支援センター、相模原市は高齢・障害者相談課のほか郵送と電子申請でも受け付けます。40歳から64歳でも特定疾病が原因なら対象です。認定結果を待たずに始める「暫定ケアプラン」使う場面仕組み注意する点認定申請中に退院日が来る見込みの要介護度でプランを組む結果が見込みより軽いと自己負担が増える退院直後だけ手厚く使いたい必要なサービスを先に開始ケアマネと上限を必ず確認介護保険は申請日にさかのぼって使えるため、結果が出る前でもサービスを開始できます。これが暫定ケアプランです。退院日が認定結果より先に来るときは、この方法で福祉用具や訪問サービスを間に合わせます。ただし、見込んだ要介護度より低い結果が出ると、上限額を超えた分は全額自己負担です。介護ベッドのように原則要介護2以上が対象の品目は、要介護1と判定されると、例外の要件に当てはまらない限り貸与を続けられません。暫定で始めるときは、ケアマネジャーに「もし要介護1だったらどうなりますか」と聞いてください。利用者負担は所得に応じて1割から3割で、負担割合証で確認します(出典:町田市「費用負担割合について(介護保険負担割合証)」、相模原市「よくある質問『介護保険 負担割合証』について知りたい」)。介護ベッド・手すりなど福祉用具は何をいつ手配するか福祉用具は、退院日の7日から10日前までにケアマネジャーへ依頼すれば、介護ベッドも手すりも間に合う場合がほとんどです。介護ベッド(特殊寝台)は何日前に頼むか工程かかる日数の目安つまずきやすい点ケアマネへ依頼、機種の相談1〜2日要介護度によって対象外のことがある福祉用具専門相談員が訪問して採寸2〜3日家族の在宅日を合わせる必要がある機種決定と契約1日付属品の選択を忘れやすい搬入と組み立て半日搬入経路が狭いと入らない介護ベッドは福祉用具貸与の対象で、月額のレンタル料に1割から3割の自己負担がかかります。借りる形なので、体の状態が変わればサイズや機能を変えられ、不要になれば返却できます。注意したいのは対象範囲です。特殊寝台は要支援1から要介護1の方には原則として貸与できず、必要な状態にあると医師の医学的な所見で判断された場合に例外的に認められます(出典:町田市「軽度者に対する福祉用具貸与について(介護保険)」)。該当するかはケアマネジャーと市区町村の判断なので、早めに確認してください。選ぶときは、背上げと高さ調節の2モーターか、脚上げも加わる3モーターかが分かれ目。介助量が多い方は、高さを変えられるほうが腰を守れます。詳しくは高齢者向けベッドを介護保険でレンタルする方法とそのメリットをご覧ください。手すりは「工事する手すり」と「工事しない手すり」で段取りが違う種類制度上の扱い事前申請設置までの日数向いている場所壁に固定する手すり住宅改修必要2〜4週間廊下、階段、浴室据置型の手すり福祉用具貸与不要数日ベッド脇、玄関突っ張り型の手すり福祉用具貸与不要数日立ち座りの場所便座まわりに置く手すり福祉用具貸与不要数日トイレ浴槽用手すり(入浴補助用具)特定福祉用具販売(買い取り)不要数日浴室退院に間に合わせたいなら、まず工事をしない手すりから考えます。据置型や突っ張り型、トイレに置くタイプは福祉用具貸与で借りられ、事前申請が不要なので契約から数日で設置できます。床に置くだけなので賃貸住宅でも使えます。買い取りになるのは、浴槽の縁に取り付ける浴槽用手すりなど入浴補助用具に含まれるものです(出典:厚生労働省「福祉用具・住宅改修」)。住宅改修が退院日に間に合わないときの代わりの手は、3つに絞れます。廊下や階段の手すりは突っ張り型でしのぐ。玄関やベッド脇は据置型を置く。段差は工事ではなく貸与のスロープで越える。いずれも事前申請が要らず、数日で入ります。この順で立ち上げておけば、暮らしてみて「ここに欲しい」と分かった場所へ、あとから工事の手すりを入れられます。入院中に想像で決めるより確実です。条件は介護保険で手すりを設置するには?条件・費用・申請手続きのすべてを参考にしてください。退院までに見ておく搬入経路と置き場所確認する場所見るポイントよくある落とし穴玄関から寝室までの経路幅、曲がり角、段差曲がり角でベッドの板が回らない寝室の広さ周囲に介助スペースがあるか片側が壁でおむつ交換ができない家具の配置ベッドを置くと開かない扉や引き出しタンスの前がふさがるトイレまでの動線夜間に歩く距離と足元の明るさ廊下が暗く、敷物でつまずく搬入経路は、退院準備で最も見落とされます。介護ベッドは分解して運びますが、長い板を通すため曲がり角の内側が狭いと入りません。集合住宅ではエレベーターの奥行きも効きます。町田市内のマンションに伺ったとき、寝室までの廊下が直角に2回曲がる構造で、当日に搬入を断念した例がありました。急きょリビングの一角へ置き直し、家族が寝る場所を移して対応しています。事前に相談員が採寸に入れば分かることです。戸建てで気をつけたいのは寝室が2階にある場合。階段が回らずベッドを上げられない家もあります。相模原市に伺っているご家庭では、1階の和室にベッドを入れて生活の中心を下におろす形をよく取ります。搬入経路は写真を撮って相談員に見せるのが早道。訪問看護・訪問介護・住宅改修など在宅サービスの手配の流れ在宅サービスは、ケアマネジャーがケアプランを作り、そこに位置づけられた事業者と個別に契約する流れで始まります。訪問看護を退院日から入れるための手順手順誰が動くか退院までの目安訪問看護が必要か検討する主治医・病棟看護師・ケアマネ2週間前訪問看護ステーションを選ぶケアマネ・家族2週間前訪問看護指示書を主治医が発行主治医1週間前契約と初回訪問日の調整訪問看護ステーション・家族1週間前初回訪問訪問看護師退院当日〜数日以内退院日から使うには、カンファレンスの段階で開始日を決めておく必要があります。訪問看護は主治医が発行する訪問看護指示書にもとづいて行い、要介護認定を受けている方は介護保険の給付が優先されます。末期の悪性腫瘍や難病、急性増悪などの場合は医療保険の訪問看護になります(出典:厚生労働省「訪問看護」(社会保障審議会介護給付費分科会 資料))。どちらの保険になるかは疾患や状態で変わるため、主治医とケアマネジャーに確認してください。急な悪化のときに一時的に出る指示書が特別訪問看護指示書で、この期間は訪問回数を増やせます。退院直後は、医療処置の手技が家族に定着しておらず、体調も揺れやすい時期。点滴やカテーテル、在宅酸素、褥瘡の処置が続く方は、当日か翌日に初回訪問を入れます。ステーションは、24時間の連絡体制、緊急時の訪問、リハビリ職の有無で選びます。脳梗塞など再発予防が要る方は【家族向け】脳梗塞 退院後の自宅生活で押さえる注意点|再発予防・後遺症ケア完全ガイドもあわせて読むと観察の視点がはっきりします。訪問介護・通所・ショートステイの組み立てサービス主に担う役割退院直後の使い方訪問介護(ホームヘルプ)入浴・排泄・食事の介助、生活援助朝夕の身の回りを支える通所介護(デイサービス)入浴、機能訓練、日中の居場所体力が戻ってから週1回で開始短期入所(ショートステイ)数日間の宿泊で介護を代わる家族の休息と急用に備える退院直後は、サービスを詰め込みすぎないほうがうまくいきます。慣れない環境に人の出入りが増えると本人が疲れるからです。まずは最小限から始め、1〜2週間して様子が見えてから見直します。優先したいのは、家族が不在になる時間帯と、介助の負担が重い場面。日中に誰もいない家庭なら昼の訪問介護、入浴がつらいなら通所介護か訪問入浴。ショートステイは空きが出にくいので、退院時に候補を聞いて登録だけ済ませます。住宅改修は着工前の申請が必須手順内容注意点ケアマネに相談必要性の確認、理由書の作成理由書がないと申請できない施工業者の見積もり工事内容と金額を確定複数社で比べてよい事前申請市区町村へ書類を提出着工前に出す審査と着工許可市区町村が内容を審査ここで日数がかかる工事、支給申請工事後に領収書等を提出写真の撮り忘れに注意いちばん事故が多いのが、申請より先に工事を始めてしまうことです。町田市は「事前に町田市への申請が必要です。事前審査を行い、着工許可後の工事に対して住宅改修費として給付いたします」と明記しています(出典:町田市「住宅改修支給申請について(介護保険)」)。良かれと思って先に済ませると給付を受けられません。住宅改修費には支給限度基準額(保険が使える上限額)が定められ、その範囲で費用の一部が保険給付になります。支払い方は、いったん全額を払って後から給付分が戻る償還払いと、はじめから自己負担分だけを払う受領委任払いの2通り。金額や手続きは自治体ごとの運用があるため、窓口かケアマネジャーに確認してください(出典:厚生労働省「介護・高齢者福祉」)。対象工事や書類の具体は介護保険でできる住宅改修とは?対象工事や申請の流れ、注意点を徹底解説で整理しています。段取りに迷ったら、訪問看護の立場からも一緒に考えられます。お問い合わせからどうぞ。町田・相模原の訪問看護からみた退院準備でつまずきやすいポイント退院準備でつまずくのは知識が足りないからではなく、退院日が動くことと、自宅の暮らしが病院と違うことを織り込んでいないからです。退院日は動くという前提で組むよくある変更起きる影響先に打てる手退院が数日早まる福祉用具の搬入が間に合わない搬入日を退院予定日の2日前に設定退院が延びる手配したサービスの開始日がずれる連絡窓口をケアマネに一本化する金曜や連休前の退院週末に事業者が動けない初回訪問を退院当日に入れる当日に体調が変わる帰宅後すぐ受診が必要になる受診先と連絡先を紙で渡しておく退院日は病状と病床の都合で前後します。予定どおり進む前提で組むと、どこかで必ず破綻します。とくに金曜の退院は要注意。土日は福祉用具の事業者も動きにくく、何かが足りないまま2日間を過ごします。町田市内で金曜に退院された方のお宅では、ポータブルトイレが月曜搬入になり、週末だけ家族が抱えて介助した例がありました。段取りが崩れたのは家族の落ち度ではありません。連絡窓口をケアマネジャーに一本化しておけば、退院日が変わったときも各事業者へ伝わります。自宅で最初につまずくのは夜間とトイレ困りごと背景対応の例夜にトイレへ行けない病院よりトイレが遠く、床が滑るポータブルトイレ、足元灯ベッドから起き上がれない病院のベッドと高さが違う高さ調節、ベッド柵の見直し段差でつまずく敷居、敷物の縁、玄関の上がり框段差解消、敷物を外す誰に電話するか分からない連絡先が口頭のみ連絡先を紙に書いて貼る病院ではトイレがベッドから数メートルにあり、床は平らで、ナースコールを押せば人が来ます。自宅はそのどれもが違う。夜間のトイレで転倒が起きやすいのは、この差です。在宅で見ていると、退院からの2週間が最も揺れます。動作が病院より不安定になり、食事量も落ちやすい時期。ここに訪問看護や訪問介護を厚めに入れ、落ち着いてから減らすほうが安全です。夜間の備えで現実的なのは、ポータブルトイレの一時利用、廊下の足元灯、敷物を外すことの3つ。どれも数日で用意できます。夜が不安なまま退院日を迎えそうなときは、その不安を抱えたままにしないでください。退院前でもご相談いただけます(お問い合わせ)。訪問看護が退院準備でできること場面訪問看護がすること家族が楽になる点退院前カンファレンス在宅で続けられる処置かを確認家に帰ってからの不安が減る自宅環境の確認動線とベッド位置を一緒に見る置き場所の判断がつく退院当日・翌日の訪問体調確認、処置、薬の整理最初の一日を一人で抱えない医療処置の手技指導家族のやり方を見て調整病院での指導が身につく訪問看護は退院後に始まるサービスに見えますが、実際は退院前から関われます。カンファレンスに同席し、病棟の看護師から処置を直接引き継ぐと、自宅での手順がそろいます。自宅環境の確認も、看護師とリハビリ職の目が入ると変わります。相談員が寸法を見るのに対し、こちらは本人の動きから見ます。どちら側から起き上がるか、どの手で支えるか、どこで息が上がるか。ベッドの向きひとつで介助のしやすさが違います。退院当日の訪問では、「聞きたいことが山ほどあったのに、病院では思い出せなかった」とよく言われます。よくある質問|退院準備で家族が迷いやすいことQ1. 退院準備は何日前から始めればいいですか。主治医から退院の話が出た時点で始めてください。福祉用具の手配だけなら7日から10日、工事を伴う住宅改修まで含めるなら3週間から4週間が目安です。退院日が決まってから動くと間に合いません。Q2. 退院前カンファレンスでは何をするのですか。病院の医師・看護師、ケアマネジャー、訪問看護師、福祉用具専門相談員などが集まり、病状と自宅での生活方針を共有します。家族は、できる動作とできない動作、退院時の処方と次の受診日、悪化時の連絡の目安、夜間や休日の連絡先の4点を確認してください。Q3. 介護ベッドのレンタルはいつ頼めば退院に間に合いますか。ケアマネジャーへ退院の7日から10日前までに依頼すれば、多くの場合は間に合います。福祉用具専門相談員が自宅を採寸してから搬入日を決めるため、家族の在宅日を早めに伝えてください。Q4. 手すりの設置は介護保険で退院までに間に合いますか。床に置く据置型や突っ張り型、トイレに置くタイプの手すりなら、福祉用具貸与で数日あれば設置できます。壁に固定する手すりは住宅改修の扱いで、着工前の申請と審査に2週間から4週間。まず貸与で生活を立ち上げ、必要な場所が見えてから工事を検討してください。Q5. 要介護認定は退院までに間に合いますか。入院中に申請できますか。入院中でも申請でき、認定調査は病室で受けられます。結果までに一定の期間がかかるため、退院日によっては間に合いません。その場合は申請日にさかのぼって使える暫定ケアプランで開始します。申請は地域包括支援センターやケアマネジャーが代行できます。Q6. 福祉用具はいつ手配するのがよいですか。誰に頼むのですか。退院の7日から10日前までにケアマネジャーへ依頼してください。ケアマネジャーが貸与事業者へつなぎ、専門相談員が自宅を訪問して機種と設置場所を決めます。ケアマネジャーが未定なら、病院の相談窓口へ。Q7. ケアマネジャーは退院前にどうやって探せばいいですか。病院の相談窓口に紹介してもらう方法がいちばん早く、次が地域包括支援センターへの相談です。市区町村が配る居宅介護支援事業所の一覧から自分で選ぶこともできます。連絡の取りやすさと、医療との連携経験を確認してください。Q8. 住宅改修はどのタイミングで進めればいいですか。着工前に市区町村へ申請し、審査と着工許可を受けてから工事に入ります。先に工事を済ませると給付を受けられません。退院に間に合わないときは急がず、福祉用具貸与で生活を成り立たせてから、必要と分かった場所に工事を入れてください。まとめ退院準備の段取りは、病院の相談窓口への連絡、要介護認定の申請、ケアマネジャーの決定、退院前カンファレンス、福祉用具と住環境の手配の5つで進みます。自宅の介護ベッドや据置型の手すりは、退院の7日から10日前までにケアマネジャーへ依頼すれば間に合います。一方、工事を伴う手すりや段差解消は着工前の申請と審査が要り、退院後にずれ込むのが普通です。間に合わないものは福祉用具貸与で代替し、寝る場所、トイレまでの動線、入浴の順に整えれば、全部そろわなくても自宅に帰れます。退院日は動くものという前提で、搬入や初回訪問を少し前倒しに置いてください。ピース訪問看護ステーションにご相談くださいこんな方はぜひご相談ください:退院の話が出たものの、自宅で何から準備すればよいか分からない方介護ベッドや手すりを退院に間に合わせたいが、手配の順番が分からない方医療処置が続くまま自宅に戻ることになり、夜間が不安な方ピース訪問看護ステーションができること:退院前カンファレンスへの参加と、自宅環境・動線の確認退院当日・翌日からの訪問による体調確認、医療処置、手技のお伝えケアマネジャー・主治医と連携した、退院直後のサービス量の調整東京都町田市・多摩市、神奈川県相模原市・大和市・川崎市麻生区を中心に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。関連記事介護保険でできる住宅改修とは?対象工事や申請の流れ、注意点を徹底解説高齢者向けベッドを介護保険でレンタルする方法とそのメリット介護保険で手すりを設置するには?条件・費用・申請手続きのすべて介護保険で利用できる福祉用具とは?レンタル・購入のしくみと選び方を解説【2025年最新版】町田市で居宅介護支援を利用するには?ケアマネの役割とサービス選びのポイント【家族向け】脳梗塞 退院後の自宅生活で押さえる注意点|再発予防・後遺症ケア完全ガイド参考文献一覧出典:厚生労働省「福祉用具・住宅改修」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000212398.html出典:厚生労働省「介護・高齢者福祉」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html出典:厚生労働省「地域包括ケアシステム」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/出典:厚生労働省「訪問看護」(社会保障審議会介護給付費分科会 第182回 資料3)https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000661085.pdf出典:町田市「要介護・要支援認定申請から介護サービス利用までの流れ」https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/kaigo/nagare/the-step-of-service.html出典:町田市「住宅改修支給申請について(介護保険)」https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/kaigo/business/jutakukaisyu/jyukai_sikyu.html出典:町田市「軽度者に対する福祉用具貸与について(介護保険)」https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/kaigo/business/fukushiyogu/yogu_taiyo.html出典:町田市「高齢者支援センター(地域包括支援センター)」https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/old/shiminnokatae/mijikanasodan/koureisha_shien_center.html出典:町田市「費用負担割合について(介護保険負担割合証)」https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/kaigo/hutan/hutanwariaisyo.html出典:相模原市「介護保険のサービスを利用するには(要介護認定の申請)」https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/1026646/kaigo/1006979/1006981.html出典:相模原市「地域包括支援センター(高齢者の健康、福祉、介護の相談・支援)」https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/fukushi/1026635/korei_shien/1006373.html出典:相模原市「よくある質問『介護保険 負担割合証』について知りたい」https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026875/faq/fukushi/1000982.html【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理、地域医療連携、在宅看取り支援に積極的に取り組んでいる。island-piece.jp 株式会社isLand|訪問看護・居宅介護支援・訪問介護|町田市