夏の訪問看護では、脱水症や熱中症の兆候をいち早く察知する観察力が求められます。とくに高齢者や持病のある方は、のどの渇きを感じにくく、異変に気づきにくいため、看護師が現場での観察を通して変化を捉えることが重要です。この記事では、訪問看護で確認したい脱水・熱中症の兆候、観察ポイント、家族への声かけまでをまとめました。1. 脱水・熱中症を疑うべき利用者の特徴とその理由以下のような背景がある方は、熱中症のリスクが高まります:糖尿病がある方 →高血糖状態では尿の量が増えやすく、脱水を引き起こす可能性があります。また神経障害により発汗やのどの渇きの感覚が鈍くなることがあります。腎不全・心不全の既往がある方 →体内の水分・電解質バランスが崩れやすく、水分調整が難しい場合があります。利尿剤・降圧剤・抗コリン薬などを服用している方 →利尿剤:尿の排出を促すため、体内の水分が失われやすい →降圧剤:脱水状態になると血圧が過度に下がるリスクあり →抗コリン薬:発汗を抑える作用があり、体温調節がしづらくなる認知症のある方や自発的な水分摂取が難しい方 →のどの渇きを認識できなかったり、飲水行動を自ら起こすことが困難なケースがあります。住環境に問題がある方(エアコンがない/使っていない等) →特に都市部の高齢者世帯では「もったいないから」と冷房を避ける傾向があり、室温が高くなりやすい2. 訪問時に確認すべき熱中症・脱水の所見主観的な訴え「なんとなく調子が悪い」「食欲がない」「吐き気がする」「だるい」「頭がボーッとする」「立ちくらみがある」客観的なサイン所見観察方法注意点皮膚の乾燥手の甲の皮膚をつまんで戻りを見る戻りが遅いと脱水の可能性口腔内の乾燥舌や頬の粘膜を確認乾いていれば要注意尿量・色本人・家族へ聞き取り色が濃く、回数が少なければリスクあり体温訪問時に測定37.5℃以上なら軽度熱中症の可能性も脈拍・血圧やや速い脈や血圧の低下も兆候呼吸多呼吸や息苦しさ重症化の可能性あり3. ご家族への声かけ例「今日のお水やお茶、どれくらい飲めていますか?」「最近、トイレの回数や尿の色に変化はありませんか?」「冷房や扇風機は使用されていますか?」「首元やおでこなど、冷やすグッズはありますか?」→ 観察と同時に、ご家族の気づきを促す声かけも重要です。4. 熱中症の予防に有効な対策飲み物だけでなく、味噌汁や果物、ゼリーなどからの水分摂取エアコンや扇風機を我慢せず使用すること外出は控え、涼しい時間帯に行動する調子が悪いときは、看護師へすぐに連絡を5. 夏場の訪問看護では、わずかな変化の観察が重要高齢者は、熱中症や脱水症状を訴えることが少なく、症状が進んでから受診となるケースが多くあります。「なんとなく元気がない」サインに早く気づくためには、訪問看護の存在が欠かせません。訪問看護や介護サービスについてもっと知りたい方へそのほか、こちらのコラムもどうぞご覧ください!👉【夏の注意】訪問看護の現場で気をつけたい熱中症リスクと対処法 👉 訪問看護とは?できること・できないことをわかりやすく解説👉【町田市の訪問看護を検討中の方へ】よくある質問と答え集町田市で訪問看護や介護サービスについて知りたい方は、ピース訪問看護ステーションの公式サイトもあわせてご覧ください。▶ https://island-piece.jp/service/houmonkango