導入:ストーマ(人工肛門)の在宅管理、家族が抱える不安とはストーマの在宅管理は、装具交換・皮膚の観察・便もれへの対応という3つの基本を家族が押さえ、困ったときに訪問看護へ相談できる体制をつくれば、多くの場合はご自宅で安定して続けられます。大腸がんや炎症性腸疾患などの手術でストーマ(人工肛門・人工膀胱)を造設し、退院してご自宅に戻ると、病棟の看護師がそばにいた入院中とは景色が一変します。「装具がうまく貼れずに便がもれてしまった」「ストーマの周りの皮膚が赤くただれてきた」「本人が高齢で自分ではケアできず、家族の私が全部やらなければならない」。こうした不安を、退院直後のご家族から本当によく聞きます。ストーマそのものは病気ではなく、排泄の出口を変えただけの状態です。それでも、お腹に排泄口があるという初めての体験に、本人もご家族が戸惑うのは当然でしょう。特にご家族は、医療の専門教育を受けないまま毎日のケアの担い手になります。ここでつまずくと、皮膚トラブルの悪化や本人の外出意欲の低下、家族の介護疲れを招きかねません。逆に、最初の1〜2か月で正しい手技と相談先を身につけられれば、その後の在宅生活はぐっと安定します。大腸がんは高齢の方に多いことから、ストーマも年齢を重ねてから造設するケースが少なくありません。加齢で手先の動きや視力が衰えると、それまで自分でできていたケアが難しくなり、家族の出番が増えていきます。退院直後で何から手をつければいいか分からないときは、まず次の3つを確認してください。ひとつ目は、本人のストーマが便用か尿用か、一時的か永久か。ふたつ目は、装具の種類と交換のタイミング。みっつ目は、困ったときの連絡先(主治医・訪問看護・ストーマ外来)です。この3点さえ押さえれば、あとは一つずつ慣れていけば大丈夫です。このコラムでは、町田市・相模原市で在宅ケアを支える訪問看護師の視点から、基礎知識・トラブル対処・高齢者への配慮・訪問看護や費用助成の使い方まで順にお伝えします。この記事でわかることストーマ(人工肛門)の基礎知識と、在宅生活で家族が担う日常ケアの全体像装具交換の頻度・手順と、便もれ・皮膚トラブル・出血が起きたときの対処法高齢者や認知症のある方のストーマ管理で家族が気をつけたいポイント訪問看護でできる支援内容と、医療保険・介護保険・装具費用助成の使い方ストーマ(人工肛門)とは?在宅生活で知っておきたい基礎知識ストーマとは、手術によってお腹の表面に新しく造られた便または尿の排泄口のことで、便意や尿意を自分で我慢する仕組みがないため、専用の装具(パウチ)で排泄物を受け止めながら在宅で管理していきます。ストーマを保有する方はオストメイトと呼ばれ、国内には多くの方が在宅で生活しています。まずは「どんな種類があるのか」「なぜ装具が必要なのか」「利用できる社会保障は何か」という3点を押さえると、在宅管理の全体像がつかめます。ストーマの種類と特徴ストーマは大きく消化管ストーマ(人工肛門)と尿路ストーマ(人工膀胱)に分かれ、造られる部位によって便や尿の性状が変わります。種類造設部位排泄物の性状在宅ケアの特徴結腸ストーマ(コロストミー)大腸(結腸)有形〜軟らかい便便が比較的まとまり皮膚トラブルは起きにくい回腸ストーマ(イレオストミー)小腸(回腸)水様〜泥状の便排泄量が多く皮膚が荒れやすい・脱水に注意尿路ストーマ(ウロストミー)尿管・回腸導管尿(持続的に流出)常に尿が出るため夜間の蓄尿袋接続が必要同じ「人工肛門」でも、大腸に造る結腸ストーマと小腸に造る回腸ストーマでは、在宅ケアの難しさがまったく異なります。回腸ストーマは消化液を含む水様便が多量に出るため、皮膚が荒れやすく、こまめな装具の見直しが欠かせません。尿路ストーマは尿が絶え間なく流れ続けるので、日中は採尿袋、就寝中は容量の大きい蓄尿袋につなぐといった工夫が必要です。また、大腸がんの手術では、一時的にストーマを造り数か月後に閉鎖して元の排便に戻す「一時的ストーマ」と、造設したまま使い続ける「永久ストーマ」があります。一時的か永久かによって、装具を買いそろえる量や制度申請の進め方も変わります。本人のストーマがどの種類で一時的なのか永久なのかを、主治医や退院時の看護師に確認しておくと、その後のケアの見通しが立てやすくなります(参考:公益社団法人 日本オストミー協会)。なぜ装具(パウチ)が必要なのかストーマには便意や尿意をコントロールする括約筋がないため、排泄は本人の意思とは無関係に起こり、面板と採便袋からなる装具で受け止める必要があります。装具の部品役割交換・扱いの目安面板(皮膚保護剤)ストーマ周囲の皮膚に密着し排泄物から皮膚を守る数日ごとに交換(次章で詳述)採便袋・採尿袋排泄物をためる袋便は1/3〜1/2たまったら排出、袋は交換式や使い捨てアクセサリー類粉状皮膚保護剤・練状保護剤・ベルトなど皮膚の凹凸やもれ対策に応じて追加装具には、面板と袋が一体になった単品系(ワンピース)と、面板と袋を別々に貼り替えられる二品系(ツーピース)があります。手先の器用さや皮膚の状態によって合う装具は変わり、退院時に病院で選んだものが在宅では合わないこともあります。「最近もれが増えた」「皮膚が痛い」というときは、装具の種類そのものを見直すサインです。装具選びは自己判断が難しい領域なので、ストーマ外来や訪問看護師と一緒に検討すると失敗が減ります。同じメーカーでもサンプルを取り寄せて試せることが多いので、「今の装具が合っていないかも」と感じたら、我慢せず相談してみてください。オストメイトが使える社会保障の入口ストーマを造設すると、多くの場合身体障害者手帳(膀胱・直腸機能障害)の交付対象となり、日常生活用具給付制度によって装具費用の助成を受けられます。制度内容相談窓口身体障害者手帳膀胱・直腸機能障害として等級認定市区町村の障害福祉課日常生活用具給付ストーマ装具の購入費を助成市区町村の障害福祉課訪問看護在宅でのストーマケア・皮膚管理ケアマネジャー・主治医・訪問看護ステーション装具は継続的に購入する消耗品で費用が家計に響くため、日常生活用具給付が役立ちます。身体障害者手帳を取得したうえで市区町村に申請すると、月ごとの基準額の範囲内で装具代の多くが公費でまかなわれ、自己負担が大きく軽くなります。基準額は自治体ごとに設定されており、蓄便袋と蓄尿袋で金額が分かれているのが一般的です(参考:厚生労働省「障害者福祉」)。手続きは診断書の取得から給付券の受け取りまで数週間かかることがあるため、退院前後の早い段階で窓口に相談しておくと安心です。ストーマの在宅管理で家族が担う日常ケア|装具交換・皮膚トラブル対応ストーマの在宅管理で家族が日常的に担うのは、定期的な装具交換・毎日のストーマと皮膚の観察・食事と排便リズムの調整という3つで、この基本を続けることが皮膚トラブルの予防につながります。「在宅管理」と聞くと専門的な処置を想像しがちですが、実際にご家族が行うのは決められた作業の繰り返しです。手順を一度体で覚えてしまえば、毎回悩まずに進められます。装具交換の頻度と手順装具の面板は、皮膚保護剤が排泄物でふやける前に交換するのが原則で、交換頻度は種類や皮膚の状態にもよりますが、おおむね数日から1週間に1回が目安です。手順内容ポイント1. はがす面板を皮膚を押さえながらゆっくりはがす一気にはがすと皮膚を傷める2. 洗うストーマ周囲をぬるま湯と石けんでやさしく洗うこすらず泡で包むように3. 観察するストーマの色・皮膚の状態を確認赤み・ただれ・出血をチェック4. 貼る面板の穴をストーマに合わせて貼るしわを作らず密着させる交換のタイミングは、面板の皮膚保護剤が溶けて白くふやけてきた範囲を見て判断します。ふやけがストーマのきわから広がってきたら交換の合図です。面板の穴(ストーマを通す穴)は、ストーマより1〜2mm大きくカットするのが基本で、大きすぎると排泄物が皮膚に触れて荒れ、小さすぎるとストーマを圧迫します。交換は排泄物が出にくい食前や起床直後が向いています。回腸ストーマの方は便が出やすいため、面板・袋・はさみ・ぬるま湯・ティッシュ・ごみ袋を一つのかごにまとめておくと、毎回探さず手早く貼れます。この一連の流れは、退院前に病棟で家族が実際に練習しておいてください。町田市で退院直後の方を訪問すると、「病院では見ているだけだったので、家で初めて自分の手でやると緊張した」という声を本当によく聞きます。だからこそ最初の数回を看護師と一緒に行い、体で覚えることが近道になります。毎日のストーマと便の観察ポイント装具交換のときだけでなく、毎日ストーマの色と便の性状を観察することが、異常の早期発見と在宅管理の安定に直結します。観察項目正常な状態注意が必要な変化ストーマの色赤〜ピンクで潤いがあるどす黒い・白っぽい・紫色ストーマの大きさ手術後は徐々に落ち着く急に飛び出す・へこむ便の性状本人のふだんの状態急な水様便・血便・出ない周囲の皮膚ふだん通りの肌色赤み・ただれ・水ぶくれストーマは粘膜なので、健康なときは口の中のように赤くつやがあります。色がどす黒く変わったり冷たく感じたりする場合は血流障害の可能性があり、早めの受診が必要です。便がまったく出ずにお腹が張って嘔吐する場合は、腸閉塞のサインかもしれません。こうした変化は、毎日同じタイミングで見ていないと気づきにくいものです。ご家族には「装具を替えるときのついで観察」ではなく、決まった時間に短時間でも確認する習慣をつけてください。スマートフォンで皮膚やストーマの写真を撮っておくと、看護師や医師に相談するときに変化が正確に伝わります。入浴・食事・排便リズムの整え方ストーマがあっても入浴も食事も基本的に自由で、生活リズムを整えることが便の状態を安定させ、在宅管理を楽にします。生活場面ストーマがある場合の工夫入浴装具をつけたままでも外しても入浴可能・公衆浴場は装具装着で食事基本は制限なし・においやガスが気になる食品は量を調整水分特に回腸ストーマは脱水予防にこまめな水分補給排便リズム食事時間を一定にして便の出るタイミングを整える「もうお風呂に入れないのでは」と心配される方が多いのですが、ストーマがあっても入浴はできます。自宅では装具を外して入っても、短時間なら大量に便が出ることはあまりありません。食事も、退院後しばらくは消化のよいものから始めますが、基本的に制限はありません。ごぼうやきのこなど繊維の多い食品、炭酸やビールなどガスの出やすい食品は、量を調整すると便の詰まりやにおいの悩みが減ります。旅行や外出も、予備の装具を持てば十分に楽しめます。生活を狭めすぎないことが、本人の意欲を保つうえで大切です。町田で訪問看護に相談したい方は、まずお問い合わせからご連絡ください。装具選びや退院後の不安について、初回訪問前でもご案内できます。ストーマ在宅ケアで起こりやすいトラブルと対処法|便もれ・出血・かぶれストーマの在宅ケアで最も多いトラブルは便もれ・皮膚のかぶれ・出血の3つで、それぞれ原因と対処の型を知っておけば、家族でも落ち着いて初期対応ができます。在宅では医療者がその場にいないぶん、「これは様子を見てよいのか、すぐ相談すべきか」の見極めが家族の大きな負担になります。よくあるトラブルを、対処法と受診の目安に分けて整理します。便もれ(漏れ)が起きたときの対処便もれの多くは面板と皮膚のすき間から排泄物が入り込むことが原因で、貼り方の見直しと皮膚保護剤の活用で予防できます。もれの原因具体例対処法皮膚の凹凸しわ・くぼみにすき間ができる練状・粉状の皮膚保護剤で埋める面板の穴のずれ穴が大きすぎる・小さすぎるストーマに合わせて穴を再調整交換時期の遅れ面板がふやけてはがれる交換頻度を早める体型・体位の変化座ると腹部にしわが寄る座位でカットサイズを合わせる便もれが続くと皮膚トラブルの引き金になり、悪循環に陥ります。まず確認したいのは、面板が皮膚のしわやくぼみにフィットしているかです。おへそのくぼみや手術跡の凹凸はすき間ができやすいため、練状の皮膚保護剤で埋めてから貼ると改善します。夜間だけもれる場合は、就寝時の体位でお腹にしわが寄っていないかを確認します。それでも繰り返すもれは、装具そのものが体型に合っていない可能性が高く、訪問看護師やストーマ外来での装具変更が近道です。体重の増減や手術後の腹部の変化で、それまで合っていた装具が急に合わなくなることもあります。自己流で何枚もテープを重ね貼りすると、かえって皮膚を傷め、はがすときの痛みも強くなるので避けてください。一度のもれで落ち込む必要はありません。「なぜもれたのか」を一つずつ確かめていけば、合う方法は必ず見つかります。皮膚トラブル(かぶれ・びらん)の対処法ストーマ周囲の皮膚トラブルは排泄物の付着が主な原因で、まず「皮膚に便が触れない状態」を取り戻すことが基本の対処法です。皮膚トラブル主な原因家庭での対処かぶれ・発赤排泄物の付着・もれもれを止め粉状保護剤で保護びらん(ただれ)皮膚の湿潤・こすれ洗浄後しっかり乾かして貼る面板かぶれ皮膚保護剤が合わない装具の種類変更を相談毛のうの炎症ムダ毛処理のかみそり負けハサミで短くカットする皮膚が赤くなったりただれたりする最大の原因は、便や尿が皮膚に触れ続けることです。つまり皮膚トラブルの多くは、便もれ対策とセットで考える必要があります。ただれた皮膚に面板を貼るときは、粉状の皮膚保護剤をふりかけて余分な粉を払い、その上から貼ると密着がよくなります。洗浄後は皮膚を軽く押さえて水分をしっかり取ってから貼りましょう。市販の軟膏を塗ると面板がつかなくなることがあるため、自己判断での薬の使用は避けてください。かゆみを我慢して掻いてしまうと傷が広がるため、かゆみが続くときも早めに相談を。皮膚トラブルは皮膚・排泄ケアの専門看護師が得意とする領域なので、赤みが小さいうちに相談するほうが早く治り、本人の痛みも少なくて済みます。既に胃ろうなど他の在宅医療的ケアを併用している方は、胃ろうの在宅管理で家族が知っておくべきこともあわせて参考にしてください。出血・ストーマの変化と緊急受診の目安ストーマからのわずかな出血は珍しくありませんが、色の変化・止まらない出血・便が出ない状態は緊急受診の目安として覚えておく必要があります。症状家庭での対応受診の目安ストーマ表面の少量出血ガーゼで軽く押さえる数分で止まれば経過観察止まらない出血押さえながら連絡すぐ主治医・訪問看護へストーマが黒ずむ触れて冷感を確認早急に受診(血流障害の疑い)便が出ずお腹が張る・嘔吐飲食を控えるすぐ受診(腸閉塞の疑い)ストーマの粘膜は毛細血管が豊富なので、装具交換のときに少しこすれてにじむ程度の出血は心配いりません。ガーゼで軽く押さえて数分で止まれば問題ないことがほとんどです。一方で、押さえても止まらない出血、ストーマ自体がどす黒く変色して冷たい、便がまったく出ずに腹部が張って吐くといった場合は、緊急受診の目安にあたります。特に腸閉塞や血流障害は時間との勝負になるため、迷ったら夜間でも主治医や訪問看護ステーションに連絡してください。退院時に「どうなったら誰に連絡するか」を紙に書いて冷蔵庫に貼っておくことも、現場ではすすめています。高齢者・認知症のある方のストーマ管理で気をつけたいこと(訪問看護の視点)高齢者や認知症のある方のストーマ管理では、本人が装具を触ってしまう・手指の力が落ちて自分で交換できないといった課題が加わるため、家族の見守りと訪問看護の併用が現実的な支えになります。年齢を重ねてからストーマを造設する方や、もともと認知症のある方の在宅ケアでは、標準的な手順どおりに進まない場面が増えます。在宅の現場で実際に多い困りごとと工夫を紹介します。認知症のある方が装具を触ってしまう場合認知症のある方がストーマや装具に違和感を覚えて触ったり外したりするのは自然な反応で、責めずに環境を整える対応が基本です。困りごと背景家族・看護師の工夫装具をはがしてしまう違和感・かゆみ腹帯やつなぎ服でそっと保護便を素手で触る便意の混乱交換時間を決め見守りを強める装具を隠す・捨てる不安・混乱頭ごなしに叱らず安心を優先夜間に外す睡眠中の無意識な動作就寝前に装着状態を確認認知症のある方が自己抜去(自分で装具を外す)するのは、痛みやかゆみ、あるいは「お腹に何かついている」という不安の表れであることが多いです。無理にやめさせようとすると、かえって混乱が強まります。腹帯や前開きしにくい衣類でそっと覆う、かゆみの原因になっている皮膚トラブルを先に治す、といった環境調整が効果的です。便を触ってしまう場合は、便がたまりにくい時間帯に交換を済ませ、その前後の見守りを手厚くします。ご家族だけで24時間見守るのは限界があるため、訪問看護が入る日を「交換日」に合わせて負担を分散する方法もよく使います。相模原市でも、認知症のある方の装具管理をご家族一人で抱えて疲弊されていたケースで、週数回の訪問と見守りの分担を組み直しただけで、家庭の緊張が和らいだ例があります。高齢者の手指機能・視力低下への工夫高齢のオストメイトが自分でケアを続けるには、手指の力や視力の低下に合わせて手順と道具を簡単にする工夫が有効です。低下しやすい機能ケアへの影響工夫手指の細かい動き面板のカットが難しい穴があらかじめ開いた既成孔タイプを使う握力袋の排出口の開閉が困難開閉が簡単な装具に変更視力ストーマの位置が見えにくい鏡を使う・明るい場所で行う立位保持洗浄・交換で疲れる座って鏡の前で行う高齢の方が「自分のことは自分でしたい」と希望されるのは、とても大切な思いです。その意欲を支えるために、道具の側を本人に合わせて簡単にします。面板を毎回ハサミで切るのが難しい方には、あらかじめ穴が開いた既成孔タイプが向いています。排出口の開閉が力任せになる方には、片手で操作しやすい装具に変えるだけで自立度が上がることもあります。視力が落ちている方は、洗面所の鏡と明るい照明を整えるだけでやりやすくなります。座って作業できるよう洗面台の前にいすを置くだけでも、立ちっぱなしの疲れが減ります。こうした細かな調整は、専門知識を持つ看護師が実際の動作を見ながら提案するのが得意な領域です。「できないから全部代わりにやる」のではなく、「ここだけ手伝えば自分でできる」という線引きを一緒に探すこと。それが、本人の尊厳を守りながら在宅生活を続けるうえで欠かせないと感じています。訪問看護がストーマの在宅管理でできること|町田・相模原での支援と費用の目安訪問看護はストーマの装具交換・皮膚トラブルの管理・家族への手技指導・ストーマ外来との橋渡しまでを担い、町田・相模原でも医療保険または介護保険を使って利用できます。「家族だけで抱えるのは不安だけれど、毎回外来に通うのも大変」という方にとって、自宅に看護師が来てくれる訪問看護は現実的な選択肢です。退院直後の不安定な時期に頼れる相手が近くにいるだけでも、家庭の安心感は大きく変わります。訪問看護が行うストーマケア支援訪問看護は、装具交換の実施や指導だけでなく、皮膚トラブルの評価や生活全体の相談まで、在宅のストーマ管理を幅広く支えます。支援内容具体例装具交換・手技指導交換の実施と家族が自立できるよう指導皮膚・ストーマの評価皮膚トラブルの早期発見と装具の見直し装具・制度の相談合う装具選び・日常生活用具給付の案内全身状態の観察脱水・栄養・排便コントロールの確認家族の精神的支援介護の悩み・不安の傾聴訪問看護のストーマケアで大切にしているのは、看護師が全部やることではなく、ご家族と本人が自信を持ってケアを続けられるよう伴走することです。町田市・相模原市で退院直後の方を訪問する際は、最初の数回は一緒に装具交換を行って手技を確認し、慣れてきたら見守りに切り替えていきます。私たち訪問看護師も、一日に複数のご家庭を回るなかで、装具交換に時間のかかる方の訪問をどの時間帯に組むかを工夫しながら支えています。ストーマのケアは、身体的な手間だけでなく「うまくできているか自信がない」「本人が落ち込んでいる姿を見るのがつらい」といった心の負担も大きいものです。看護師が定期的に入って「これで大丈夫ですよ」と確認するだけでも、ご家族の安心感はまるで違ってきます。介護疲れが心配な方は、介護疲れ対策のすべてもあわせてご覧ください。入浴の不安には訪問看護における入浴介助の支援につなぐこともできます。がんの療養が進む段階でもストーマ管理は続くため、病状の変化に備えたい方は末期がんが急に悪化する理由と対応策も参考になります。医療保険・介護保険の使い分けと費用の目安訪問看護でのストーマケアは、年齢や要介護認定の有無によって医療保険または介護保険のどちらかで利用し、自己負担は原則1〜3割です。区分主な対象自己負担の目安医療保険40歳未満・要介護認定のない方など年齢に応じ1〜3割介護保険要支援・要介護認定を受けた65歳以上など原則1割(所得により2〜3割)装具費用全オストメイト日常生活用具給付で助成訪問看護の費用は、医療保険と介護保険のどちらを使うかで自己負担額や利用回数の考え方が変わります。ここで注意したいのは、上の表はあくまで大まかな目安だという点です。40〜64歳の方でも医療保険で訪問看護を受ける場合がありますし、要介護認定を受けている高齢の方でも、厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)に該当する場合は介護保険ではなく医療保険が優先されます。どちらを使うかはケアマネジャーや主治医、訪問看護ステーションが状況を見て判断するので、家族が自分で決める必要はありません。装具そのものの費用は前述の日常生活用具給付でまかなえるため、訪問看護の費用と装具の費用は別々の仕組みだと理解しておくとよいでしょう。保険の使い分けについては訪問看護は医療保険?介護保険?迷ったときの使い分けガイドで詳しく解説しています。ストーマ外来との連携と町田・相模原での体制在宅のストーマ管理は、病院のストーマ外来と地域の訪問看護が役割を分担して連携することで、より安定して続けられます。連携先役割訪問看護との関係ストーマ外来装具の専門的選定・難しい皮膚トラブル対応定期受診で専門評価皮膚・排泄ケア認定看護師高度なストーマ・皮膚ケア外来や病院で相談訪問看護日常のケア・観察・家族支援変化を外来へ橋渡しケアマネジャーサービス全体の調整訪問回数の調整ストーマ外来には、皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCナースとも呼ばれます)という専門の看護師がいる病院が多く、装具選びや難しい皮膚トラブルの相談ができます。ただし外来は数週間から数か月に一度のため、その間の日々の変化を捉えるのが訪問看護の役割です。町田市・相模原市で在宅ストーマの方を支える際も、訪問看護が皮膚の写真や便の状態を記録し、ストーマ外来の受診につなぐ流れをつくっています。やや前の調査になりますが、日本オストミー協会が2010年にまとめた報告書でも、在宅ケアの担い手として訪問看護への期待が示されています(参考:公益社団法人 日本オストミー協会「訪問看護ステーションにおけるストーマケアに関する調査報告書」2010年)。専門的なケア基準は一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会が整理しています。ご家族が一人で抱え込まず、外来と在宅の両輪で支える体制づくりを、まずはお問い合わせからご相談ください。よくある質問(FAQ)Q. ストーマ装具の交換頻度はどのくらいですか。A. 面板は皮膚保護剤が排泄物でふやける前に交換するのが原則で、種類や皮膚の状態によりますが、おおむね数日から1週間に1回が目安です。回腸ストーマなど便が多い方は短くなる傾向があります。Q. ストーマがあっても入浴や旅行はできますか。A. できます。自宅では装具を外しても短時間の入浴で大量に便が出ることは多くありません。旅行や外出も予備の装具を持てば問題なく、生活を過度に制限する必要はありません。Q. 装具のにおいやガスが気になります。対策はありますか。A. 装具は密閉性が高く、正しく貼れていれば装着中のにおいはほとんど気になりません。袋には脱臭フィルターが付いたタイプもあります。いも類や炭酸などガスの出やすい食品の量を調整すると和らぎます。においが急に強くなったときは、もれや面板の浮きが起きているサインなので装具を見直してください。Q. 訪問看護でのストーマケアは医療保険と介護保険のどちらが使えますか。A. 年齢や要介護認定の有無で決まり、要介護認定のある高齢の方は原則介護保険、それ以外は医療保険が使われることが多いです。ただし別表7の疾病等に該当する場合は医療保険が優先されます。どちらを使うかはケアマネジャーや主治医が判断します。Q. 高齢者や認知症のある家族のストーマ管理で気をつけることは何ですか。A. 認知症のある方が装具を触るのは不安や違和感の表れなので、叱らず腹帯などで保護し、かゆみの原因を先に治すことが大切です。手指の力が落ちた方には既成孔タイプや開閉しやすい装具が向いています。Q. ストーマ外来と訪問看護はどのように連携するのですか。A. ストーマ外来は装具の専門的選定や難しい皮膚トラブルを担い、訪問看護は日々のケアと観察を担います。訪問看護が皮膚や便の状態を記録し、必要なときに外来受診へ橋渡しする流れが一般的です。Q. ストーマのある家族の精神的な負担はどう軽減すればよいですか。A. すべてを家族だけで抱えないことが基本です。装具交換が重い日に訪問看護を組む、悩みを看護師に話す、同じ立場のオストメイトの会に参加するなど、支えの手を増やすことで負担は大きく軽くなります。まとめストーマの在宅管理は、装具交換・皮膚の観察・便もれへの対応という基本を身につけ、困ったときに専門職へ相談できる体制があれば、多くの場合ご自宅で安定して続けられます。皮膚トラブルの多くは便もれ対策とセットで防げますし、緊急受診の目安を知っておけば、いざというときも落ち着いて動けるでしょう。高齢者や認知症のある方では、道具や環境を本人に合わせて簡単にする工夫が助けになります。装具費用は日常生活用具給付で助成され、在宅ケアは訪問看護で支えられます。何より、家族だけで抱え込まないことが在宅生活を長く続ける鍵です。ピース訪問看護ステーションにご相談くださいストーマの在宅管理は、正しい手順と相談先さえあれば決して特別に難しいものではありません。それでも退院直後は、装具の貼り方一つでも不安になるものです。ピース訪問看護ステーションは、ご家族と本人に寄り添い、在宅でのストーマケアを一緒に組み立てていきます。こんな方はぜひご相談ください:退院後の装具交換や皮膚トラブルへの対応に自信が持てない方高齢・認知症のあるご家族のストーマ管理を一人で担っている方装具費用の助成制度や、医療保険・介護保険の使い方が分からない方ピース訪問看護ステーションができること:装具交換の実施と、ご家族が自立できるまでの手技指導皮膚トラブルの早期発見・装具の見直しと、ストーマ外来への橋渡し介護負担や不安の傾聴と、訪問回数を含めたケア全体の調整町田市・相模原市・多摩市など東京都南部を中心に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。関連記事胃ろうの在宅管理で家族が知っておくべきこと|日常の注意点とトラブル対処法訪問看護は医療保険?介護保険?迷ったときの使い分けガイド介護疲れ対策のすべて、セルフチェック・制度活用・訪問看護でできること訪問看護における入浴介助とは?安心・快適なケアの現場を解説末期がんが急に悪化する理由と対応策、在宅でできる支援とは参考文献一覧出典:公益社団法人 日本オストミー協会https://joa-net.org/出典:公益社団法人 日本オストミー協会「訪問看護ステーションにおけるストーマケアに関する調査報告書」(2010年)https://joa-net.org/wp-content/themes/joa-net/assets/img/report2/pdf/stoma_care_2011.pdf出典:一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会https://www.jwocm.org/出典:厚生労働省「障害者福祉」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/index.html【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理、地域医療連携、在宅看取り支援に積極的に取り組んでいる。island-piece.jp 株式会社isLand|訪問看護・居宅介護支援・訪問介護|町田市