【訪問看護の初回加算とは?】訪問看護を新たに開始する際に算定できる「初回加算」。制度理解が不十分なまま運用してしまうと、算定漏れや誤算定につながるおそれがあります。本記事では、2025年度の制度改定に対応した形で、初回加算(Ⅰ・Ⅱ)の要件、対象者、点数、併用制限までわかりやすく解説します。初回加算とは?制度の概要と目的初回加算とは、訪問看護サービス開始時の最初の訪問に対して認められる加算です。厚生労働省による報酬制度に基づき、次のように2種類に分かれています。区分条件点数(単位)初回加算(Ⅰ)退院当日・退所当日に訪問350単位/月(1回限り)初回加算(Ⅱ)暦月単位で過去2か月訪問歴がない300単位/月(1回限り)この加算は、訪問看護計画書の新規作成と医師の指示に基づく訪問に対して評価されます。算定要件の詳細と注意点【算定のために必要な5条件】以下の5つすべてを満たす必要があります:暦月単位で過去2か月間、訪問看護を受けていない新規の訪問看護計画書を作成している医師の指示書に基づく訪問である初回訪問の記録が正確に残されている同月内に併用禁止加算(例:特別管理加算、退院時共同指導加算)との重複算定がない【併用禁止加算一覧表】加算項目同月併用の可否特別管理加算×(不可)退院時共同指導加算×(不可)在宅移行支援加算×(不可)これらの制限に注意しないと、監査や指導の対象になりかねません。対象となる利用者と具体例【該当する主なケース】病院退院当日に訪問看護を実施(→加算Ⅰ)介護認定を受けて初めての訪問(→加算Ⅱ)医療保険から介護保険へ移行し、2か月以上訪問が空いた場合(→加算Ⅱ)【具体例】例1:退院当日に訪問した場合→ 初回加算(Ⅰ)350単位を算定例2:2か月以上訪問歴がなく新たに訪問再開→ 初回加算(Ⅱ)300単位を算定初回加算の流れを図解で理解利用者の状態や訪問履歴、計画書の有無を確認し、以下のようなフローで判断します:【初回加算算定フロー】最後の訪問日を確認訪問看護計画書の新規作成有無を確認医師指示の有無を確認他加算との併用確認該当すれば加算(ⅠorⅡ)を算定よくある誤解・注意点【医療→介護への移行時の落とし穴】医療保険から介護保険へ移行した際、過去の訪問歴があると初回加算の対象外となります。これは暦月単位でのカウントが基準のためです。【計画書作成が遅れた場合】初回加算は訪問看護計画書の作成とセットです。初回訪問の記録があっても、計画書が後日提出となると算定できません。記録・算定ミスを防ぐポイント【チェックリスト導入のススメ】チェック項目実施日担当者名最終訪問日確認計画書新規作成医師の指示確認初回訪問記録他加算との併用確認こうしたチェックリストを運用することで、現場の負担を減らしながら算定精度を高められます。Q&A:現場でよくある疑問Q1:要支援の利用者でも初回加算は可能?→ はい。介護保険下で要支援認定者も、要件を満たせば加算算定が可能です。Q2:再開時にも初回加算できる?→ 暦月で2か月間訪問がなければ、再度**初回加算(Ⅱ)**の算定が可能です。Q3:退院時加算と同時に算定できる?→ 同月内では併用不可です。どちらか一方のみを選択します。まとめ:初回加算の算定で押さえるべきポイント加算対象は退院直後の訪問や2か月以上未訪問の再開時計画書の事前作成と医師指示が前提条件同月内の加算併用はNG項目があるため注意算定前に訪問履歴と訪問看護計画書の有無を確認関連記事訪問看護における退院時共同指導加算とは?算定要件や注意点を解説 訪問看護における特別管理加算とは?要件・対象者・注意点まで徹底解説【訪問看護】別表7・8に該当するとどう変わる?保険・回数・処置のポイント総まとめ町田市で訪問看護や介護サービスについて知りたい方は、ピース訪問看護ステーションの公式サイトもあわせてご覧ください。▶ https://island-piece.jp/service/houmonkango