認知症の暴言・暴力で家族が限界を感じたときの対応と相談先「昨日まで穏やかだった父が、急に怒鳴り散らすようになった」「介護しようとすると手を払いのけられ、叩かれることもある」。認知症の親や配偶者から暴言や暴力を向けられると、家族は深く傷つき、自分の関わり方が悪いのかと自分を責めてしまいがちです。けれど、認知症にともなう暴言・暴力は本人の性格が変わったわけでも、家族への悪意があるわけでもありません。脳の病気が引き起こす症状の一つであり、原因を理解して関わり方や環境を整えれば、和らげられる可能性が十分にあります。この記事では、東京都町田市・相模原市で在宅ケアを担う訪問看護師の視点から、暴言・暴力がなぜ起きるのか、限界を迎える前にできる対処法、医療・介護との連携、地域で使える相談先までを解説します。一人で抱え込まないための地図として役立ててください。この記事でわかること認知症の暴言・暴力(BPSD)が起きる脳と環境の仕組み家族が「もう限界」と感じる前に気づきたい危険なサイン暴言・暴力が起きたその場で家族ができる具体的な対応薬に頼りすぎない非薬物療法と医療・介護連携の進め方訪問看護による在宅支援と家族のレスパイト(休息)の活用法町田市・相模原市で使える相談窓口と支援サービス認知症の暴言・暴力への家族の対応は、本人を変えようとするより、引き金となる環境や関わり方を調整することが基本です。認知症の行動・心理症状(BPSD:認知症にともなう行動面・心理面の症状)には、暴言・暴力のほかにも不安、興奮、徘徊、妄想などが含まれます。これらは「困った行動」と呼ばれがちですが、本人にとっては理由のある反応なのです。認知症の暴言・暴力(BPSD)はなぜ起きるのか認知症の暴言・暴力は、脳の障害による認知機能の低下に、不安・痛み・環境ストレスといった引き金が重なって生じるBPSDの一つです。本人の意地悪や人格の崩壊ではなく、うまく表現できない不快感や恐怖が攻撃的な形で外に出たものと理解することが、対応の出発点になります。国立長寿医療研究センターは、BPSDへの対応として「非薬物的介入を最優先する」方針を示しており、症状の背景にある身体的・心理的・環境的な要因をまず探ることを重視しています(出典:国立長寿医療研究センター「認知症の精神行動症状の薬物治療に関する基本的な対応」)。暴言・暴力という「結果」だけを抑え込むのではなく、「なぜそうなったのか」という原因に目を向けることが、医療・介護の標準的な考え方です。脳の障害が引き起こす中核症状とBPSDの違い認知症の症状は、脳の障害から直接生じる「中核症状」と、そこに環境や心理が加わって現れる「BPSD」の二層構造でとらえると整理しやすくなるでしょう。暴言・暴力はこのBPSDに含まれる症状です。区分内容暴言・暴力との関係中核症状記憶障害・見当識障害・判断力低下など脳の障害が直接の原因誤解や混乱の土台になるBPSD(行動症状)暴言・暴力・徘徊・拒絶・興奮など中核症状+ストレスで誘発されるBPSD(心理症状)不安・抑うつ・妄想・幻覚・睡眠障害妄想が暴言・暴力の引き金になる誘発要因痛み・便秘・脱水・不眠・環境変化取り除けば症状が和らぐ中核症状そのものを薬で消すことは難しいものの、BPSDは誘発要因を取り除くことで軽くできる余地があります。たとえば、入浴を強く拒んで暴れる背景に「裸になることへの羞恥」や「お湯が熱すぎる不快感」が隠れていることは珍しくありません。記憶障害のために「なぜ服を脱がされるのか」が分からず、突然触れられる恐怖から手が出てしまうのです。暴言・暴力を「症状」と捉え直すこと。それだけで、家族の心の負担も軽くなります。暴言・暴力の引き金になりやすい4つの要因暴言・暴力の引き金は、身体・心理・環境・関わり方の4領域に大きく分けられ、どこに原因があるかを切り分けることが対応の近道です。引き金の領域具体例家族が確認すること身体的要因痛み・便秘・脱水・空腹・不眠・薬の影響排便・水分・睡眠の状況心理的要因不安・孤独・自尊心の傷つき・妄想直前に否定・叱責がなかったか環境的要因騒音・まぶしさ・人の多さ・場所の変化部屋の明るさ・音・人の出入り関わり方の要因急かす・後ろから触れる・複数人で囲む声かけの距離感訪問看護の現場では、急に暴言が増えた利用者さんの原因をたどると、便秘や尿路感染症など身体の不調だったというケースが少なくありません。本人は「お腹が苦しい」と言葉にできず、その不快感が苛立ちとなって周囲に向かうのです。引き金を4領域で点検すると、叱るのではなく原因を取り除く対応に切り替えられます。点検のコツは、暴言が出た直前の30分をさかのぼって振り返ることです。トイレに行きたかったのではないか、テレビの音が大きすぎなかったか、急かす声かけをしなかったかと、時間をさかのぼって一つずつ確かめると、見えにくかった引き金が浮かび上がってきます。認知症のタイプによって症状の出方が違う暴言・暴力の現れ方は認知症のタイプによって傾向が異なり、タイプを知ることで予測と対応がしやすくなります。認知症のタイプ暴言・暴力に関わる特徴注意点アルツハイマー型物盗られ妄想から家族を責める、入浴・着替えの拒否否定せず話を合わせる対応が有効レビー小体型幻視・妄想が鮮明、調子の波が大きい幻視を頭ごなしに否定しない血管性感情のコントロールが効きにくく急に怒る刺激を減らし落ち着く時間を待つ前頭側頭型抑制が外れ衝動的な言動が出やすい環境調整と専門医の関与が重要タイプによって関わり方の力点が変わるため、まずは主治医や認知症疾患医療センターで診断を確認しておくと、家族の対応が的を射たものになります。レビー小体型では幻視を「そんなものはいない」と否定すると本人の恐怖が増し、かえって興奮を招きます。認知症の種類ごとの特徴は認知症の種類と特徴を徹底解説した記事でも整理しています。家族が「もう限界」と感じる前に知っておきたいサイン家族の介護負担が限界に近づくと、本人の症状以前に介護者自身の心身に危険なサインが現れます。このサインに早く気づき、誰かに助けを求めることが、共倒れを防ぐ最大の予防策です。介護者が倒れれば在宅生活そのものが続かなくなるため、介護疲れの兆候を早めに察知することが欠かせません。介護負担を軽くする方法は介護疲れを防ぐ実践ガイドでも解説しています。介護者に現れる心身の危険サイン介護者の限界は、睡眠・感情・体調・対人関係の変化として現れ、複数が重なったら専門家に相談する目安です。領域危険サインの例放置した場合のリスク睡眠寝つけない・夜中に何度も目が覚める慢性疲労・判断力低下感情涙が止まらない・本人に強い怒りを感じる介護うつ・虐待のリスク体調食欲不振・頭痛・血圧上昇介護者自身の疾患悪化対人友人・家族と疎遠になり孤立する相談先を失い問題が深刻化これらのサインは一つだけなら見過ごされがちですが、複数が同時に現れているときは、すでに限界が近い状態です。訪問看護でご家族と接していると、「自分は大丈夫」と言いながら手が震えている方に出会います。本人のケアと同じくらい、介護者自身の心と体のサインに目を向けてください。介護うつの兆候は介護ノイローゼの原因と対処法をまとめた記事も参考になります。「もう限界」と感じたときに絶対に避けたい対応限界状態で取りがちな対応の中には、暴言・暴力をかえって悪化させ、介護者も追い詰めるものがあるため、避けるべき行動を知っておくことが大切です。避けたい対応なぜ逆効果か代わりにできること大声で言い返す・叱る本人の恐怖と興奮を増幅させるいったん距離を取り深呼吸する力で押さえつける転倒・骨折・けがにつながる危険物を片づけ安全を確保する一人で抱え込む介護うつ・孤立を招く早めに相談窓口や訪問看護に連絡本人を強く否定する自尊心を傷つけ反発を強める話を合わせて感情を受け止める限界状態では冷静な判断が難しくなり、つい大声を出したり力でなんとかしようとしたりしがちです。しかし、こうした対応は短期的に効いたように見えても、本人の恐怖記憶として残り、次の暴力を誘発します。手が出そうになったら、まず自分がその場を離れて気持ちを落ち着けてください。それは逃げではなく安全を守る対応です。暴言・暴力が起きたときの具体的な対処法暴言・暴力が起きたときは、本人を変えようとせず「安全確保」「刺激を減らす」「感情を受け止める」の順で動くことが基本です。その場で勝てる議論はなく、興奮を鎮めて時間を味方につける対応が結果的に早く収まります。落ち着いている平時に読み込んで、いざというときに体が動くようにしておくと安心です。その場で興奮を鎮める初期対応暴言・暴力が起きた瞬間は、距離・声・表情の3つを調整して本人の興奮レベルを下げることが最優先です。対応具体的な動き理由距離を取る1〜2歩下がり正面を避けて斜めに立つ圧迫感を減らし反射的な攻撃を避ける声を落とす低めの声でゆっくり短く話す早口・高い声は興奮を増幅させる表情をゆるめる怖い顔をせず穏やかな表情を保つ本人は表情から相手の感情を読む否定しない「そうだったんですね」と一度受け止める反論は対立をエスカレートさせる興奮している本人に正論で説得しようとすると、火に油を注ぐ結果になります。記憶障害があるため、論理的な説明は残らず「責められた」という感情だけが残るからです。まずは安全な距離を確保し、声のトーンを落として「何か嫌なことがあったんですね」と感情に寄り添う一言をかけてみてください。本人は分かってもらえたと感じると、少しずつ落ち着きを取り戻します。引き金を取り除く環境調整の工夫暴言・暴力を予防するには、本人がストレスを感じやすい環境要因をあらかじめ調整しておくことが効果的です。調整ポイント具体例期待できる効果光夕方以降は照明を明るく保つ影や暗がりへの不安・幻視を減らす音テレビ・ラジオを消し静かにする情報過多による混乱を防ぐ人一度に大勢で囲まず一対一にする緊張・圧迫感を和らげる時間急がせず本人のペースに合わせる急かしによる苛立ちを防ぐ認知症の方は、夕方から夜にかけて落ち着かなくなる日没症候群(夕方以降に症状が悪化する状態。いわゆる夕暮れ症候群)が起きやすく、暗くなる時間帯に暴言・暴力が増えることがあります。日が傾く前に部屋の照明をつけ、影をつくらないようにするだけで不安が和らぐ場合もあるでしょう。相模原市で在宅介護のご家庭を訪問する際、夕方は特に「部屋を明るくしましょう」とお伝えすることが多く、それだけで落ち着く方もいます。あわせて、夕食の支度で家族が台所に立つ慌ただしい時間帯は本人を一人にしがちなので、なじみの音楽を流したり、洗濯物たたみのような簡単な役割を頼んだりして、手持ちぶさたの不安を減らす工夫も効果的です。環境調整は薬を使わず今日から始められる第一歩です。けがの危険があるときの安全確保と受診の目安身体的な危険があるときは、家族のけがを防ぐことを最優先にし、無理に対応せず医療・救急につなぐ判断が必要です。状況家族の対応受診・連絡の目安物を投げる・暴れる危険物を片づけ別室へ避難する落ち着かなければ主治医に連絡家族に殴りかかる力で制止せず距離を取る繰り返す場合は早急に医療相談急に人が変わったよう身体の不調・感染症を疑う発熱・脱水があれば速やかに受診自分や他人を傷つける危険安全を確保し110番・119番も検討命に関わる場合は迷わず通報「急に人が変わったように暴れ出した」という場合、せん妄(身体の不調や薬の影響で起こる一時的な意識の混乱)が背景にあることがあります。せん妄は感染症・脱水・発熱などがきっかけで起こり、認知症とは別の医療的対応が必要です。普段と明らかに様子が違うときは、感染症・脱水・薬の副作用をまず疑い、当日中に主治医や訪問看護に連絡してください。家族が殴られそうな場面では、組み合って制止せず、まず距離を取ることが鉄則です。命に関わる危険があれば、ためらわず119番・110番を使ってかまいません。非薬物療法と医療・介護連携でBPSDを和らげる方法BPSDの改善は、非薬物療法を土台に置き、必要に応じて医療・介護の専門職が連携して支える形が標準です。薬は最後の選択肢であり、まず関わり方と環境を整えることが、本人にも家族にも負担の少ない方法です。国立長寿医療研究センターの病院レター(2024年)でも、BPSDへの対応は非薬物的介入を最優先し、薬物療法は慎重に行うべきものとされています(出典:国立長寿医療研究センター「認知症の精神行動症状の薬物治療に関する基本的な対応」)。日本神経学会の認知症診療ガイドラインも同じく非薬物療法を土台に置く方針です(出典:日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017」)。薬には過鎮静や転倒のリスクもともなうため、専門職を交えて判断しましょう。家庭で実践できる非薬物療法非薬物療法は、本人の安心感を高め残された力を引き出す関わりが中心で、家庭でも取り入れられるものが多くあります。方法内容家庭での取り入れ方回想法昔の写真や思い出を語り合うアルバムを一緒に見る時間をつくる音楽・活動好きな音楽・手作業で気分を整えるなじみの曲を流す、簡単な家事を頼むバリデーション本人の感情・世界を否定せず受け止める「そう感じるんですね」と共感する役割づくり簡単な役割で自尊心を保つ洗濯物たたみなど任せられる作業を非薬物療法というと専門的に聞こえますが、本質は「本人が安心して過ごせる時間を増やすこと」です。物盗られ妄想で家族を責める方も、一緒に昔話をして笑い合う時間があると攻撃的な言動が減ることがあります。落ち着きのなさへの対応は認知症による落ち着きのなさと対応方法を解説した記事でも紹介しています。薬物療法を検討するタイミングと注意点薬物療法は、非薬物療法で改善せず本人や家族のQOL(生活の質)が著しく低下している場合に、専門医の判断で慎重に始めるものです。項目内容家族が知っておくこと開始の目安非薬物療法で改善せず生活に支障薬は「最後の手段」と位置づける処方の原則少量から開始し慎重に増減する自己判断で量を変えない主な副作用過鎮静・ふらつき・転倒・嚥下低下様子の変化を記録し主治医へ報告中止の検討症状が落ち着けば減薬を相談漫然と長期に続けない国立長寿医療研究センターは、薬物療法を行う場合も少量から開始し、症状が落ち着けば減量・中止を検討するという慎重な姿勢を示しています(出典:国立長寿医療研究センター「認知症の精神行動症状の薬物治療に関する基本的な対応」)。抗精神病薬などは興奮を抑える一方で、ふらつきや転倒、飲み込みの低下といった副作用を招くことがあります。薬を始めた後は、本人の歩き方や食事の様子を観察し、気になる変化があれば主治医に伝えましょう。多職種連携でチームとして支える認知症の暴言・暴力は一人の力では抱えきれないため、主治医・ケアマネジャー・訪問看護・地域包括支援センターがチームで支える体制づくりが重要です。職種・窓口役割家族にとっての利点主治医・認知症専門医診断・薬の調整・身体管理症状変化への医学的対応ケアマネジャーケアプラン作成・サービス調整必要なサービスへの橋渡し訪問看護師健康管理・服薬支援・家族相談在宅での継続的な観察と助言地域包括支援センター総合相談・制度案内どこに相談すべきか分かる「誰に相談すればいいか分からない」という声をよく聞きますが、まずは担当のケアマネジャーか地域包括支援センターに連絡すれば、必要な職種につないでもらえます。チームができると、家族は「自分だけで暴言・暴力を抱えている」状態から抜け出せるでしょう。訪問看護師が定期的に入れば、体調の変化やせん妄の前兆を早めにキャッチできます。連携で大切なのは、暴言・暴力が「いつ・どんな場面で・どのくらいの頻度で起きるか」を家族とチームが共有することです。記録が残っていると、医師は薬の要否を判断しやすく、ケアマネジャーはサービスの量を調整しやすくなります。手帳やスマートフォンのメモに短く書きとめるだけでも、チーム全体の対応の精度が上がります。書き方は完璧でなくてかまいません。「夕方6時・入浴を勧めたら手を払われた」のように、時刻ときっかけ、そのときの様子を一行で残すだけで十分です。町田市で訪問するご家庭でも、こうした短い記録をもとに訪問日に一緒に振り返ると、入浴のタイミングをずらすといった具体的な対策につながった例があります。訪問看護が在宅で担える役割と家族へのレスパイト支援訪問看護は、認知症の暴言・暴力に対して「本人の医療的観察」と「家族の精神的支え」の両面から在宅生活を支えます。定期的に専門職が入ることで症状の悪化を防ぎ、家族が休息できる時間を生み出せます。医療者がいない時間帯の不安を一人で抱えなくてよい状態をつくる存在です。訪問看護師が在宅でできること訪問看護師は、健康観察・服薬管理・BPSDの原因探索・家族への助言を通じて、暴言・暴力の予防と早期対応を担います。支援内容具体的な関わり暴言・暴力への効果健康観察発熱・便秘・脱水・痛みの確認身体的な引き金を早期に発見服薬管理飲み忘れ・副作用の確認と調整提案過鎮静や薬の影響を防ぐ原因探索暴言が起きた状況を一緒に振り返る引き金を特定し再発を減らす家族相談関わり方の助言・気持ちの傾聴介護者の孤立と疲弊を防ぐ訪問看護師は、本人の身体の変化を医療的に観察できるため、暴言・暴力の背景にある体調不良を見逃しません。便秘や脱水、痛みといった「言葉にできない不快感」を早めに見つけ、医師につなぐことで、症状が悪化する前に対応できます。町田市内で認知症の方を訪問する際は、ご家族から「どう声をかければいいか分からない」という相談を受けることが多く、実際の場面を振り返りながら関わり方を考えます。家族の休息を支えるレスパイトケアレスパイトケアは、介護者が一時的に介護から離れて休息するための仕組みで、共倒れを防ぐために欠かせない支援です。サービス内容活用できる場面訪問看護・訪問介護自宅に専門職が来てケアを担う数時間だけでも介護から離れたいときデイサービス日中施設で過ごし入浴・活動を行う日中の見守り負担を減らしたいときショートステイ短期間施設に宿泊する家族の通院・休養・冠婚葬祭のとき認知症カフェ本人・家族が集い交流・相談する同じ立場の人と話して孤立を防ぐ「自分が休むなんて」と罪悪感を抱く家族は少なくありませんが、休息は介護を長く続けるための投資です。介護者が疲れ果てれば、結果的に本人のケアも立ち行かなくなります。デイサービスの効果と活用法は認知症の進行を防ぐデイサービスの記事で解説しています。休むことに後ろめたさを感じず、使える仕組みを積極的に取り入れてください。訪問看護に相談するときの内容と進め方訪問看護には、関わり方・体調変化・介護負担・医療連携のどれを切り口にしても相談でき、状況に合わせた支援につなげられます。相談できること内容関わり方の悩み暴言・暴力への声かけや対応方法本人の体調変化急な変化・せん妄の見分け方介護負担の軽減レスパイトやサービスの組み合わせ医療との連携主治医・専門医への橋渡しピース訪問看護ステーションは、町田市・相模原市を中心に在宅での認知症ケアを支えています。早い段階で相談いただくほうが、打てる手の選択肢が多く残っています。気になることがあれば、まずはお問い合わせからご連絡ください。町田市・相模原市で使える相談先と支援サービス一覧認知症の暴言・暴力で困ったとき、町田市・相模原市にはいずれも公的な相談窓口と支援サービスが整っており、まず地域包括支援センターに連絡することが入口になります。一人で抱え込まず、地域の資源につながることが解決への近道です。認知症の相談は無料で受けられ、「どこに連絡すればいいか分からない」段階でも、状況に応じて適切な窓口や専門職につないでもらえます。地域での家族支援については町田市で認知症の家族を支える方法を解説した記事もあわせて参考にしてください。町田市の相談窓口と支援サービス町田市では、高齢者支援センターを中心に、電話相談・専門医相談・認知症初期集中支援チームなど、家族が使える窓口が整備されています。窓口・サービス内容利用の目安高齢者支援センター介護・福祉・認知症の総合相談(市内12か所)まず最初に相談する窓口認知症電話相談電話で気軽に相談できる受診をためらう段階でも利用可認知症初期集中支援チーム多職種チームが家庭訪問し支援受診や支援につながっていないとき臨床心理士等による介護者等相談家族の心のケア・接し方の相談介護ストレスを抱えているとき町田市内には高齢者支援センター(地域包括支援センター)が12か所設置されており、介護保険の相談に加え、認知症の全般的な相談や専門医療機関の情報提供を行っています(出典:町田市「高齢者支援センター」)。担当の窓口は住んでいる地区ごとに分かれているため、自宅を担当するセンターの連絡先は町田市高齢者支援課地域支援事業推進担当(電話042-785-5199)で確認できます。また、認知症電話相談や認知症初期集中支援チームなど、受診や支援にまだつながっていない家族向けの窓口も用意されています(出典:町田市「認知症相談窓口」)。鶴川サナトリウム病院も認知症疾患医療センターとして行動・心理症状への対応や専門医療相談に応じています。まずは地区を担当する高齢者支援センターへの電話から始めてみましょう。相模原市の相談窓口と支援サービス相模原市では、地域包括支援センターと地域包括ケア推進課を中心に、認知症初期集中支援事業や認知症カフェなどの支援が整っています。窓口・サービス内容利用の目安地域包括支援センター高齢者の健康・福祉・介護の相談支援まず最初に相談する窓口認知症初期集中支援事業多職種チームが早期に家庭を支援受診や支援につながっていないとき認知症カフェ本人・家族が集い交流・相談する同じ立場の人とつながりたいとき見守り検索サービス行方不明時に早期発見を支援徘徊の心配があるとき相模原市では、認知症が疑われる人やそのご家族に対して、多職種チームが早期に支援を行う認知症初期集中支援事業を実施しています(出典:相模原市「認知症についての取り組み」)。身近な相談窓口としては各区の高齢・障害者相談課や地域包括支援センターがあり、認知症カフェや見守り検索サービスなど家族を支える仕組みも整っています。地域包括ケア推進課(電話042-769-9222)でも相談を受け付けています。相談前のひと工夫として、暴言・暴力が「いつ・どんなときに起きるか」や本人の診断名・服薬をメモしておきましょう。情報がそろっていると、専門職が引き金を見つけやすくなります。よくある質問(FAQ)認知症の暴言・暴力に関して、家族からよく寄せられる質問にお答えします。Q1. 認知症の暴言・暴力は、本人の性格が悪くなったのでしょうか性格が悪くなったわけではありません。暴言・暴力は脳の病気にともなうBPSDという症状で、不安や痛み、環境ストレスが引き金になっています。うまく表現できない不快感が攻撃的な形で出ているだけで、引き金を取り除く対応に切り替えると和らぐことがあります。Q2. 暴力をふるわれてけがをしそうなとき、どう対応すればいいですかまず自分の安全を最優先にしてください。力で制止せず、1〜2歩下がって距離を取り、別室に避難しましょう。危険な物は片づけておきます。繰り返す場合は主治医や訪問看護に相談し、命に関わる危険があれば119番・110番を使って構いません。Q3. 暴言・暴力には薬を使ったほうが早く治まりますか薬は最後の手段と考えてください。医療の標準的な考え方では、まず関わり方や環境を整える非薬物療法を優先します。薬には過鎮静や転倒といった副作用があるためです。非薬物療法で改善せず生活に支障が出る場合に、専門医の判断で少量から始めるのが原則になります。Q4. 介護している自分のほうが先に倒れそうです。どうすればいいですかそれは限界が近いサインです。睡眠不足、涙が止まらない、本人に強い怒りを感じるといった状態が重なったら、すぐに地域包括支援センターや訪問看護に相談してください。デイサービスやショートステイで休息を取ることも、介護を続けるために必要な選択でしょう。Q5. どこに相談すればいいか分かりません。最初の窓口はどこですかまずは地域包括支援センター(町田市では高齢者支援センター)に電話してください。介護や認知症の総合相談窓口で、状況に応じて適切な専門職や医療機関につないでくれます。相談は無料で、診断前の段階でも利用できます。Q6. 急に人が変わったように暴れ出したのですが、認知症の進行でしょうか急激な変化のときは、まずせん妄(身体の不調や薬の影響で起こる一時的な意識の混乱)を疑ってください。せん妄は感染症や脱水、発熱などがきっかけで起こり、認知症の進行とは別の対応が必要です。当日中に主治医や訪問看護に連絡し、発熱・脱水がないかを確認してもらいましょう。まとめ認知症の暴言・暴力は、本人の性格や悪意ではなく、脳の病気にともなうBPSDという症状です。背景には痛みや不安、環境ストレスといった引き金があり、それを探して取り除くことが対応の基本になります。暴言・暴力が起きたときは、本人を変えようとせず、安全を確保し、刺激を減らし、感情を受け止める順で動きましょう。そして何より、介護する家族自身が限界を迎える前に、地域包括支援センターや訪問看護といった相談先につながることが、共倒れを防ぐ最大の予防策です。一人で抱え込まないでください。ピース訪問看護ステーションにご相談ください認知症の暴言・暴力は、ご家族だけで抱え込むほど出口が見えなくなりがちです。限界を感じる前に専門職に相談すると、打てる手が見えてきます。こんな方はぜひご相談ください:認知症の家族からの暴言・暴力にどう対応すればよいか分からない方介護に限界を感じ、自分自身が倒れそうだと感じている方本人の急な変化が病気の悪化か体調不良か見分けられず不安な方ピース訪問看護ステーションができること:定期訪問による健康観察で、暴言・暴力の引き金となる体調変化を早期に発見関わり方の助言とご家族の気持ちの傾聴で、介護の孤立と疲弊を防ぐ主治医・ケアマネジャー・地域包括支援センターと連携した支援調整町田市・相模原市・多摩市など東京都南部を中心に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。関連記事認知症による落ち着きのなさとその対応方法について徹底解説認知症の進行を防ぐには?デイサービスの効果と活用ポイントを解説介護疲れを防ぐ!訪問看護で変わる家族の介護負担、疲弊しないための実践ガイド町田市で認知症の家族を支えるには?訪問看護と見守り支援を徹底ガイド介護者の心を守るために:介護ノイローゼの原因・対処法・相談窓口まとめ認知症の種類と特徴を徹底解説!違いがわかる一覧表&訪問看護の活用方法参考文献一覧出典:国立長寿医療研究センター「認知症の精神行動症状の薬物治療に関する基本的な対応」(病院レター第111号・2024年)https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/letter/111.html出典:日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017」https://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo_2017.html出典:町田市「認知症相談窓口」https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/old/shiminnokatae/ninchishojoho/ninchishomadoguchi/index.html出典:町田市「高齢者支援センター(地域包括支援センター)」https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/old/shiminnokatae/mijikanasodan/koureisha_shien_center.html出典:相模原市「認知症についての取り組み」https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/1026646/kaigo/1007008/index.html【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理、地域医療連携、在宅看取り支援に積極的に取り組んでいる。island-piece.jp 株式会社isLand|訪問看護・居宅介護支援・訪問介護|町田市