自立支援医療制度の申請方法と精神科通院費の負担を軽くする方法精神科に通うご家族を支えるなかで、「毎月の医療費の負担が続くと、家計が持つだろうか」と不安を感じたことはないでしょうか。うつ病・統合失調症・双極性障害・パニック障害などは、症状が落ち着いてからも再発予防のために通院と服薬を長く続けることが治療の前提になります。3割負担のままでは月数千円〜1万円以上が継続的にかかり、ご本人が「お金がかかるから受診をやめたい」と言い出すことも珍しくありません。そこで活用したいのが自立支援医療(精神通院医療)です。これは障害者総合支援法に基づく公費負担医療制度で、通院医療費の自己負担が原則3割から1割に軽減され、さらに世帯の所得に応じてひと月の自己負担上限額が設定される仕組みです(出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)の概要」https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html )。この記事では、家族・介護者の方が「この制度を使えるのか」「どこに何を持っていけばいいのか」を自分ごととして判断できるよう、申請窓口・必要書類・所得区分・重度かつ継続の取り扱い・東京都町田市/相模原市/多摩市での具体的な手続きの流れまで、公式情報をもとに整理しました。ピース訪問看護ステーションが普段、町田市・相模原市・多摩市の利用者さんを支援するなかでよく相談される疑問にも答えていきます。H2-1. 自立支援医療(精神通院医療)の基本を3分で理解する「自立支援医療」と一括りに言われますが、実際には精神通院医療・更生医療・育成医療の3種類に分かれており、精神科のご家族が関係するのは精神通院医療です。まずは制度の輪郭を押さえましょう。H3-1-1. 制度の目的と法的な位置づけ自立支援医療は、障害者総合支援法第58条に規定される公費負担医療制度です。精神通院医療は、精神疾患(てんかんを含む)のために通院による精神医療を継続的に要する状態にある方の、通院医療費の自己負担を軽減することを目的としています(出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)の概要」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html )。制度名対象主な根拠精神通院医療精神疾患で通院治療を続ける方障害者総合支援法更生医療18歳以上の身体障害者障害者総合支援法育成医療18歳未満で身体に障害がある児童障害者総合支援法高額療養費すべての公的医療保険加入者健康保険法等精神障害者保健福祉手帳精神疾患で長期生活制限がある方精神保健福祉法この表のとおり、精神通院医療は障害者手帳とは別制度です。手帳を持っていなくても、主治医が「通院を継続する必要がある」と判断すれば申請できます。家族の方からは「手帳を取らないと使えないのでは」と聞かれることが多いのですが、手帳取得は条件ではありません。一方で、両方を同時に申請することは可能で、診断書を1枚にまとめられる自治体もあるため、主治医に相談すると手間が減ります。H3-1-2. 何が安くなるのか — 対象になる医療対象になるのは精神疾患の治療を目的とした通院医療です。具体的には、診察料・処方薬・精神科デイケア・精神科訪問看護などが含まれます。逆に、入院医療・精神疾患と関係ない病気の医療・市販薬は対象になりません。対象になるもの対象にならないもの精神科外来の診察・検査入院費用精神疾患の治療薬(処方薬)風邪・歯科など他科の通院精神科デイケア・ナイトケア市販薬精神科訪問看護(指定機関)美容目的・予防接種など公認心理師等によるカウンセリング(医師の指示下)健康診断・人間ドック特に見落とされやすいのが精神科訪問看護が対象になる点です。指定自立支援医療機関として登録された訪問看護ステーションを利用すれば、訪問看護の自己負担も1割に軽減されます。ピース訪問看護ステーションでも、ご本人・ご家族から自立支援医療の受給者証を提示いただければ、訪問看護料金の自己負担を軽くできるケースが多くあります。主治医とステーション双方に「自立支援を使いたい」と早めに伝えるのがコツです。H3-1-3. 対象となる精神疾患と病状の範囲対象は精神保健福祉法第5条に規定される精神疾患全般で、ICD-10のF00〜F99およびG40(てんかん)が含まれます(出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/dl/03.pdf )。ICD-10 区分主な疾患例F0認知症、高次脳機能障害F1アルコール依存症、薬物依存症F2統合失調症、妄想性障害F3うつ病、双極性障害F4パニック障害、社交不安症、PTSD、適応障害F5摂食障害、睡眠障害F7・F8・F9知的障害、自閉スペクトラム症、ADHDG40てんかん「軽快しているけど予防のために通院している」という方も対象になります。厚生労働省の通知では、症状がほぼ消失していても、軽快状態を維持し再発を予防するためになお通院治療を続ける必要がある場合は対象となると明記されています。家族の方からは「もう落ち着いているのに使えるのか」と聞かれますが、再発予防の通院も堂々と申請してよいのが原則です。H2-2. 自己負担はどう変わる?所得区分と上限月額の実際家計に直結する一番の関心事が毎月いくら払うのかです。ここを正確に押さえないと、申請後に「思っていたより安くならなかった」と感じてしまうので、丁寧に確認します。H3-2-1. 所得区分は「医療保険上の世帯」で決まる自立支援医療の所得区分は、住民票の世帯ではなく同じ医療保険に加入している人をひとつの「世帯」として判定します(出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/dl/03.pdf )。これは家族にとってとても重要なポイントです。ケース「世帯」の範囲国保加入の家族と同居同じ国保世帯の全員親が会社員(健保)で本人が扶養本人+親(被保険者)本人が会社員で配偶者を扶養本人+配偶者本人が一人暮らしで国保本人のみ同居でも別々の健保別世帯として扱うたとえばご本人を親の健康保険の扶養から外して国保に切り替えると、親の所得は世帯所得に算入されなくなり、上限額が下がる可能性があります。家計全体での損得(健康保険料・税金の扶養控除・自立支援上限)を計算する必要はありますが、「家族に経済的に頼りたくない」という当事者の意向がある場合の選択肢として知っておくと役立ちます。判断に迷うときは、市区町村の障害福祉課または社会保険労務士に相談するのが安全です。H3-2-2. 自己負担上限月額表(最新の区分)具体的な上限月額は、世帯の所得(市町村民税所得割)と「重度かつ継続」該当の有無で決まります。令和9年(2027年)3月31日までの経過措置として、市町村民税所得割23万5千円以上の世帯でも重度かつ継続に該当すれば対象になることが、東京都および厚生労働省の資料で確認できます(出典:東京都福祉局「自立支援医療(精神通院医療)について」 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shougai/nichijo/tsuuin/seishintsuuin )。区分所得の目安上限月額(重度かつ継続)上限月額(重度かつ継続に該当しない)生活保護生活保護世帯0円0円低所得1市町村民税非課税かつ本人収入80.9万円以下2,500円2,500円低所得2市町村民税非課税かつ本人収入80.9万円超5,000円5,000円中間所得1市町村民税所得割3万3千円未満5,000円医療保険の高額療養費の上限まで(公費負担なし)中間所得2市町村民税所得割3万3千円以上23万5千円未満10,000円医療保険の高額療養費の上限まで(公費負担なし)一定所得以上市町村民税所得割23万5千円以上20,000円(経過措置)公費負担の対象外注目してほしいのは、中間所得層(共働きで子育てをしている世帯などが多く該当します)で重度かつ継続に該当するかどうかで毎月の負担に1万円前後の差が出る点です。月1万円の差は年間12万円。診断書1通の手間で年12万円が動くと考えると、「重度かつ継続に該当するかどうか」を主治医に必ず確認しておきたいところです。H3-2-3. 「重度かつ継続」とは — 該当するかの見極め方「重度かつ継続」は、高額な治療を継続的に必要とする方を救うための区分です。精神通院医療では以下のいずれかに該当すれば対象になります(出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)の概要」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html )。該当パターン内容① 疾患による該当統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害(依存症等)② 医師の判断による該当3年以上精神医療を経験している医師が、計画的かつ集中的な精神医療が必要と判断③ 高額療養費の多数回該当直近12か月で高額療養費の支給を3回以上受けているうつ病で長く通院しているお父さん、統合失調症で訪問看護を受けているお兄さん、てんかんでデイケアに通う娘さん──これらは①の典型例で、重度かつ継続に該当する可能性が高いケースです。一方、適応障害や軽症の不安症など①に名前がない疾患でも、②のルートで医師の意見書を添えれば該当扱いになります。「うちは軽いから無理かも」と諦める前に、必ず主治医に相談してください。なお、東京都では23万5千円以上の世帯が経過措置で対象になる場合に別途意見書の添付が必要です。H2-3. 申請に必要な書類と「初めての家族」がつまずくポイントここからは実務の話です。家族が代わりに申請するケースが多いので、書類の準備でつまずきがちな点を中心にまとめます。H3-3-1. 必要書類一覧(東京都・全国共通)東京都および各自治体の公式情報を整理すると、新規申請に必要な書類は以下のとおりです(出典:東京都立中部総合精神保健福祉センター「自立支援医療(精神通院医療)の申請手続き」 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/chusou/jiritsushieniryo/jiritsu_tomin )。書類入手先注意点自立支援医療費(精神通院)支給認定申請書市区町村窓口・複写式押印不要の自治体が大半自立支援医療用診断書(精神通院)主治医に依頼作成日から3か月以内のもの健康保険証(写し)自宅同じ保険の世帯員全員分が必要な場合あり個人番号(マイナンバー)確認書類マイナンバーカード等本人確認書類とセットで必要課税(非課税)証明書1月1日時点の住所地の自治体同一保険の世帯員全員分受給者証(更新時のみ)自宅紛失時は再交付申請が必要書類の落とし穴として一番多いのが診断書の有効期限です。「先月もらったから大丈夫」と思っていたら3か月を過ぎていて取り直し、ということがしばしば起きます。診断書の発行料は医療機関により3,000〜5,000円程度かかるため、主治医の予約日と申請日を逆算して動くのが堅実です。また、課税証明書は毎年6月頃に最新年度分に切り替わるため、6月以降の申請ではどちらの年度のものが必要かを窓口で確認しましょう。H3-3-2. 家族が代理で申請するときの実務ご本人が外出困難・電話対応が難しい場合、家族や支援者が代理で申請できます。相模原市の公式情報でも「申請書等の提出は家族の人が代行することが可能」と明記されています(出典:相模原市「自立支援医療(精神通院医療)」 https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/fukushi/1026641/shogai/iryo/1006440.html )。立場必要なもの同居家族(健保上の同一世帯)申請書類一式+家族の本人確認書類別居の親族上記+委任状(自治体により様式あり)成年後見人・保佐人登記事項証明書ケースワーカー・相談支援専門員事業所からの証明書類等ただしマイナンバーの記載と本人確認は、本人が同行できない場合でも本人確認書類のコピー等で代替できる仕組みになっています。家族が代理で出向く際は、ご本人の保険証・マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)の写しを忘れずに持参してください。窓口で「本人が来ていないからダメ」と言われた経験がある方もいますが、正しい持ち物を揃えれば代理申請は可能です。H3-3-3. 申請から受給者証が届くまで申請してから受給者証が手元に届くまで2か月〜2か月半かかります(東京都の場合、約2か月。町田市は約2か月半と案内)(出典:町田市「自立支援医療費制度(精神通院医療)」 https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/syougai_hukushi/iryohijosei/seisin_jiritu.html )。段階期間の目安起こること① 申請受理申請日市区町村窓口で受理。受領印付きの控えが渡される② 都道府県送付1〜2週間市区町村→東京都・神奈川県へ書類が回送③ 審査1〜2か月自治体の精神保健福祉センターが審査④ 受給者証交付約2か月後認定通知と受給者証が郵送⑤ 医療機関提示受領後受診時に毎回提示ここで覚えておきたいのは、申請日(受理日)から1割負担が適用される点です。つまり、受給者証が届くまでの2か月の間に窓口で3割を払っていても、申請日以降の分は後から差額返金を受けられる仕組みになっています(医療機関により取り扱いが異なるため、窓口で必ず申請受領証の控えを提示してください)。書類の不備による差し戻しを避けたいので、初回は予約してから窓口で書き方を見てもらうのが結局のところ一番早いです。H2-4. 東京都町田市・神奈川県相模原市・東京都多摩市での具体的な手続きピース訪問看護ステーションがカバーするエリアでは、自治体ごとに窓口・担当課・問い合わせ番号が違います。間違えやすいので一覧で整理します。H3-4-1. 町田市での申請窓口と手続きの実際町田市の窓口は市庁舎1階・障がい福祉課114番窓口です。市民センターでは受け付けていない点に注意してください(出典:町田市「自立支援医療費制度(精神通院医療)」 https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/syougai_hukushi/iryohijosei/seisin_jiritu.html )。項目内容窓口町田市役所市庁舎1階 障がい福祉課114番窓口電話042-724-2145受付時間平日8:30〜17:00(祝日・年末年始除く)申請書複写式のため窓口で配布(事前ダウンロード不可の場合あり)処理期間申請日から受給者証発行まで約2か月半市民センター対応不可。本庁舎のみ町田市は鶴川・忠生・成瀬など本庁舎まで距離がある地域が広く、ご家族から「平日の時間が取りづらい」という声をよく聞きます。郵送申請や代理申請も認められているため、まず電話で「自分のケースは郵送で済むか」を確認してから動くと無駄足になりません。ピース訪問看護で関わるご家庭でも、訪問の曜日に合わせて申請書類の記入をその場でお手伝いし、家族が後日まとめて窓口に持参する、というやり方をしていることがあります。H3-4-2. 相模原市での申請窓口(区ごとに違う)相模原市は政令指定都市のため区ごとに窓口が分かれています。緑区・中央区・南区で担当課が異なるので、住所で確認しましょう(出典:相模原市「自立支援医療(精神通院)に関する申請書類」 https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shinseisho_menu/fukushi/1011443.html )。区窓口住所・電話中央区精神保健福祉課中央区富士見6-1-1 ウェルネスさがみはらA館2階/042-769-9813緑区(橋本・大沢ほか)緑高齢・障害者相談課緑区西橋本5-3-21 緑区合同庁舎3階/042-775-8811緑区(城山地区)城山福祉相談センター緑区久保沢1-3-1/042-783-8136緑区(津久井・相模湖・藤野)各地域の福祉相談センター各総合事務所内南区南高齢・障害者相談課南区相模大野5-31-1 南合同庁舎/042-701-7722転入時は別途手続きが必要で、相模原市のFAQでは「他市区町村で受給者証の交付を受けていた方は、転入届と一緒に住所変更の届出をする」ことが案内されています。受給者証の有効期限内であれば、新規ではなく住所変更扱いで済むため診断書の出し直しは不要です。引っ越しが多い若い方や単身生活を始めるご家族には、ここの差を伝えてあげると安心されます。H3-4-3. 多摩市での申請窓口と新生活で押さえること多摩市は障害福祉課障害福祉係が担当窓口です。多摩センター・聖蹟桜ヶ丘・永山などの市内全域からの申請を本庁舎で一括受付しています(出典:多摩市「自立支援医療制度(精神通院・更生医療・育成医療)」 https://www.city.tama.lg.jp/kenkofukushi/1008237/shoigai/iryouhi/1003101.html )。項目内容窓口多摩市役所 障害福祉課 障害福祉係住所〒206-8666 東京都多摩市関戸6-12-1電話042-338-6903受付時間平日8:30〜17:00必要書類申請書、診断書、健康保険資格確認書類、マイナンバー確認書類、登録医療機関の情報特徴登録医療機関・薬局の名称・所在地・電話番号を申請時に記載多摩市で特徴的なのは、登録する医療機関と薬局を申請書に記載する点です。自立支援医療は「指定自立支援医療機関」のみで使えるため、かかっているクリニック・調剤薬局・訪問看護ステーションが指定機関かどうかを事前に確認しておく必要があります。指定機関は東京都福祉局の検索ページで調べられますし、医療機関の受付に「自立支援は使えますか」と聞けば即答してもらえます。多摩市内のクリニックの多くは指定を受けていますが、引っ越しで他市の医療機関を継続利用する場合などに気をつけてください。H2-5. 申請後に知っておきたい運用と更新のコツ受給者証が届いてからが本番です。毎年の更新と、生活が変わったときの届出を忘れると、せっかくの軽減が止まってしまいます。H3-5-1. 受給者証の有効期間と更新スケジュール受給者証の有効期間は1年です。有効期間満了の3か月前から更新申請が可能で、東京都では診断書は2年に1度の提出で済む扱いになっています(出典:東京都立中部総合精神保健福祉センター「自立支援医療(精神通院医療)の申請手続き」 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/chusou/jiritsushieniryo/jiritsu_tomin )。月やること有効期限の3か月前主治医に診断書を依頼(必要な年のみ)有効期限の2か月前課税証明書・保険証コピーを準備有効期限の1か月前市区町村窓口で更新申請有効期限内新しい受給者証を受領、医療機関に提示期限切れ後新規扱いに戻る場合がある(要注意)「うっかり期限を過ぎてしまった」というご相談が一番多いトラブルです。期限が切れると新規申請扱いになり、診断書の出し直し・課税証明の取得・受給者証の空白期間(その間は3割負担)が発生します。冷蔵庫や薬カレンダーに「○月までに更新」と書き込む、家族のスマホにリマインダーを入れる、訪問看護師にも声かけしてもらう──こうした重ね方で漏れを防ぎます。H3-5-2. 変更届が必要になる場面引っ越し・保険変更・医療機関変更などがあると、変更届が必要です。届出が遅れると、新しい医療機関で1割負担が使えない期間が発生します。変更内容必要な手続き住所変更(市内)住所変更届住所変更(他市町村)転出先での変更手続き健康保険の変更保険証コピー+変更届氏名変更変更届+本人確認書類通院医療機関・薬局の追加・変更変更届(新しい医療機関名・住所)訪問看護ステーションの追加変更届(事業所情報を記載)特に訪問看護を新たに導入する場合は、受給者証に訪問看護ステーションを追記する必要があります。書類自体はA4で1枚程度の届出で済みますが、追記が反映されるまでに数週間かかるため、退院前後など利用開始時期が決まっているなら早めに段取りしてください。ピース訪問看護ステーションでは、初回訪問の際に受給者証を確認し、追記の必要があればその場で書類の書き方を一緒に確認することが多いです。H3-5-3. 他制度との併用で負担をさらに下げる自立支援医療は他の医療費軽減制度と組み合わせると、家計への影響をさらに抑えられます。併用できる制度効果注意点高額療養費制度1か月の医療費が高額になったとき、超過分を払い戻し自立支援適用後の自己負担額が対象医療費控除(確定申告)年間10万円超の医療費を所得控除通院交通費(公共交通機関)も対象精神障害者保健福祉手帳税金の控除・公共料金割引等自立支援とは別申請障害年金生活費の補填初診日から1年6か月後に申請可心身障害者医療費助成(マル障)医療費自己負担分の助成重度の手帳保有者が対象生活保護の医療扶助医療費全額免除生活保護受給が前提すべてを使えるわけではなく、所得・障害程度・診断の重さによって組み合わせが変わります。多摩地域では、ピース訪問看護でも家族から「精神障害者保健福祉手帳と自立支援は何が違うのか」と聞かれることが本当に多いです。手帳は税控除や公共サービス割引が中心、自立支援は通院費の軽減が中心、と覚えるとシンプルです。判断に迷うときは、市区町村の障がい福祉課・精神保健福祉センター・基幹相談支援センターに相談すると、世帯ごとに最適な組み合わせを案内してもらえます。H2-6. 家族としてできること — 受診を続けてもらうための関わり方制度をどれだけ整えても、ご本人が通院を続けられなければ意味がないのが精神科医療の難しさです。家族の関わり方ひとつで通院継続率が変わります。H3-6-1. 「受診したくない」と言われたときの初動うつ病・統合失調症・双極性障害では、受診をやめたくなる時期が周期的に訪れます。とくに調子が良くなったタイミングで「もう治った気がする」と中断してしまい、再燃するパターンは精神科訪問看護の現場でも頻繁に見られます。受診中断のサイン家族の初動「もう薬は要らない」発言否定せず「主治医にそれを伝えに行こう」と提案予約の前日に体調不良を訴える「行けたらでいい」と圧を下げ、付き添いを申し出る受給者証や保険証を見ると不機嫌になる一旦預かりを提案し、家族が管理服薬カレンダーが乱れる訪問看護や薬局の見守りを追加主治医に不満を漏らすセカンドオピニオン・転院を一緒に検討精神科訪問看護の支援団体でも、批判せず・否定せず・一貫した関わりが基本姿勢として強調されています(出典:日本精神科看護協会「訪問看護サポート」https://jpna.jp/homon-kango )。「ちゃんと薬飲んで」と正論で迫るより、「行きたくない気持ちはわかる。でも薬を急にやめるのは怖いから、主治医に相談だけしよう」と選択肢を残しながら橋渡しする方が、結果として通院が続きます。H3-6-2. 服薬と通院費を「家族で分担」する仕組みご本人が引きこもりがちで通院が途切れがちなご家族に効くのは、役割を分担して仕組み化することです。役割担当の例通院日のリマインド同居家族・訪問看護師薬の管理(配薬ボックス)訪問看護師・薬剤師受給者証・保険証の管理主たる介護者受診の付き添い家族・相談支援専門員緊急時の連絡先主治医・家族・訪問看護24時間連絡制度の更新管理家族+カレンダー化精神科訪問看護では、服薬確認・症状観察・家族の心理教育を一体で提供することが多く、家族の負担を「ひとりで抱え込まない」状態に変えていきます。重要なのは「家族が頑張る」ではなく「家族が外注先を持っておく」という発想です。訪問看護・相談支援専門員・かかりつけ薬局・主治医、これらをチームとして使い、家族のキャパシティを超えないラインを死守することが、結果として長期的な通院継続につながります。H3-6-3. 経済的不安そのものをケアする「お金がかかるから受診したくない」という発言の背景には、経済的不安が必ずあります。家族としては「いくらかかるか見える化」してあげることが、ご本人の安心につながります。見える化したい項目方法1か月の通院費受給者証の上限額+薬代+交通費1年間の総額月額×12+更新時の診断書代使える制度の一覧自立支援+手帳+医療費控除+年金家計に占める割合家計簿アプリ・Excelで可視化万一の入院費高額療養費の限度額認定証で備える「上限が決まっているから、いくら通っても月5,000円以上は払わなくていい」と数字で見せると、不安が一気に下がるご本人は多いです。家計への影響を事実ベースで示すことは、感情論を超える強い味方になります。町田市・相模原市・多摩市のいずれにも基幹相談支援センターがあり、家計相談まで踏み込んで支援してくれる窓口もあります。ひとりで抱えず、地域の資源を「使い倒す」つもりで動いてください。まとめ自立支援医療(精神通院医療)は、通院医療費の自己負担を3割から1割に下げ、世帯所得に応じた月額上限を設けることで、長く通院を続ける必要がある精神疾患の方の家計を守る制度です。手帳がなくても申請でき、訪問看護も対象になり、重度かつ継続に該当すれば中間所得層でも上限が大きく下がります。町田市・相模原市・多摩市はそれぞれ窓口や担当課が異なりますが、家族が代理で申請することもできます。受給者証は1年ごとの更新が必要なので、カレンダーや訪問看護師の声かけで漏れを防ぎ、他制度との併用も含めて地域の窓口を「使い倒す」ことが、ご本人の通院継続と家族の安心につながります。ピース訪問看護ステーションにご相談くださいこんな方はぜひご相談ください:精神科に通うご家族の医療費負担に不安があり、自立支援医療の申請を一緒に進めてほしい方退院後の服薬管理・通院継続が不安で、訪問看護の導入と制度活用を一体で相談したい方受給者証の更新や変更届のタイミングを、家族と看護師でチームとして管理したい方ピース訪問看護ステーションができること:精神科訪問看護を通じて、服薬・症状観察・受診同行と並行して制度活用を支援自立支援医療の指定機関として、訪問看護費の自己負担を1割に軽減する手続きをご案内町田市・相模原市・多摩市の障がい福祉課・基幹相談支援センターとの連携によるワンストップ相談町田市・相模原市・多摩市など東京都南部を中心に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。関連記事R8年1月に精神専門の訪問看護を開設する理由パニック障害の発作に備える、今日からできる対処法とセルフケア術高次脳機能障害と障害者手帳:申請方法と支援の実際参考文献一覧出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)の概要」https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/seishin.html出典:厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」(PDF)https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/dl/03.pdf出典:厚生労働省「自立支援医療制度の概要」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jiritsu/gaiyo.html出典:東京都福祉局「自立支援医療(精神通院医療)について」https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shougai/nichijo/tsuuin/seishintsuuin出典:東京都立中部総合精神保健福祉センター「【都民の皆様へ】自立支援医療(精神通院医療)の申請手続き」https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/chusou/jiritsushieniryo/jiritsu_tomin出典:町田市「自立支援医療費制度(精神通院医療)」https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/syougai_hukushi/iryohijosei/seisin_jiritu.html出典:相模原市「自立支援医療(精神通院医療)」https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/fukushi/1026641/shogai/iryo/1006440.html出典:相模原市「自立支援医療(精神通院)に関する申請書類」https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shinseisho_menu/fukushi/1011443.html出典:多摩市「自立支援医療制度(精神通院・更生医療・育成医療)」https://www.city.tama.lg.jp/kenkofukushi/1008237/shoigai/iryouhi/1003101.html出典:日本精神科看護協会「訪問看護サポート」https://jpna.jp/homon-kango【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修者】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理、地域医療連携、在宅看取り支援に積極的に取り組んでいる。island-piece.jp 株式会社isLand|訪問看護・居宅介護支援・訪問介護|町田市