1. パーキンソン病の基礎知識1. パーキンソン病の基礎知識パーキンソン病とは(運動症状と非運動症状の概要)主な症状の分類内容患者への影響運動症状振戦(手の震え)、筋固縮、動作緩慢、姿勢反射障害歩行困難、転倒リスクの増加、日常生活動作の制限非運動症状睡眠障害、便秘、抑うつ、不安、嗅覚低下、疲労感など生活の質(QOL)の低下、社会参加の制限パーキンソン病は神経細胞が徐々に変性する進行性の病気で、単に体を動かす病気ではありません。運動症状は患者や家族が気づきやすい特徴ですが、実際には非運動症状も非常に多彩で、疲労感や睡眠障害、精神的な変化が生活の質を大きく左右します。特に非運動症状は診察時に軽視されがちで、患者自身も「歳のせい」と誤解することがあります。しかしこれらは疾患の重要な一部であり、適切に評価・対応することで日常生活を大きく改善できます。発症の原因(神経変性・ドーパミン減少)要因内容疲労感との関係ドーパミン神経の変性中脳黒質の神経細胞が減少動作緩慢だけでなく意欲低下・疲労感に関与セロトニン・ノルアドレナリン系の変化睡眠障害・抑うつを招く慢性的な疲労感を増幅遺伝・環境要因一部は遺伝子変異や農薬曝露が関与疲労症状の個人差に影響発症の背景には、神経伝達物質の複雑な変化があります。代表的なドーパミン減少は運動障害に直結しますが、疲労感や意欲低下にも影響します。さらにセロトニンやノルアドレナリンの変化は、睡眠障害や抑うつといった精神的疲労に強く関連します。また、遺伝的素因や環境因子(農薬曝露・外傷など)も研究で報告されており、患者によって症状の出方に差があります。疲労感はこのような多因子が絡み合う結果であり、単純な「体力の問題」ではありません。患者数・有病率と生活への影響地域推定患者数特徴日本約29万人(2020年度調査)高齢化に伴い増加傾向世界2015年約690万人 → 2040年約1,420万人倍増が予測されている(Dorseyら)町田市など地域単位高齢人口比率が高い訪問看護・リハビリ需要増大日本では推定約29万人がパーキンソン病と診断されており、加齢に伴い増加が見込まれます。世界的にも患者数は増え続けており、2040年には倍増すると予測されています。町田市のように高齢化が進む地域では、在宅療養や訪問看護のニーズが一層高まると考えられます。患者本人だけでなく、介護者の疲労・家族の生活への影響も大きいため、地域全体での支援体制が重要です。2. パーキンソン病と疲労感の関係なぜ疲労感が生じるのか(神経・脳の変化)原因メカニズム症状への影響ドーパミン不足脳内報酬系が低下「やる気が出ない」「体が重い」セロトニン・ノルアドレナリン低下睡眠・感情調整が不安定化慢性倦怠感炎症・ミトコンドリア障害細胞レベルでエネルギー不足身体的疲労感パーキンソン病でみられる疲労感は、単なる「体力不足」ではありません。脳内でドーパミンが減少すると、動作が遅くなるだけでなく、「やる気が出ない」「頭も体も重い」といった主観的な疲労につながります。さらに、セロトニンやノルアドレナリンの低下は睡眠障害や気分変動を引き起こし、疲労感を強めます。加えて細胞レベルではエネルギーを作り出す仕組みに異常が生じ、休んでも疲れが取れない慢性疲労が生じます。非運動症状(睡眠・自律神経・精神症状)と疲労のつながり非運動症状疲労感との関係具体例睡眠障害深い睡眠が取れず慢性疲労に直結不眠・日中過眠・レム睡眠行動異常自律神経障害起立性低血圧・便秘倦怠感や生活制限精神症状うつ・不安疲労を心理的に増幅パーキンソン病の疲労感は、非運動症状との相互作用によって悪化します。睡眠障害によって休養が不十分になり、自律神経の異常によって体調不良が続き、さらにうつや不安といった精神症状が「気力の枯渇」を招きます。これらが重なることで「常に疲れている」状態となり、生活全体を制限する大きな要因になります。薬物治療や生活要因が疲労感に与える影響要因疲労への影響対策の方向性薬物治療オン・オフ現象、副作用医師による調整生活習慣栄養不足・運動不足食事・運動療法ストレス精神的負担カウンセリング疲労感は病気そのものに加えて、薬の副作用や生活習慣の乱れでも強まります。例えばレボドパの効果が切れるオフの時間帯には、急激に強い疲労が出ることがあります。また、食事や水分不足、運動不足、精神的ストレスも疲労の増悪因子となります。生活面での調整と、医療面での薬物コントロールの両面からアプローチすることが欠かせません。3. 非運動症状と疲労の関連睡眠障害(不眠・日中の眠気・レム睡眠行動異常)睡眠障害の種類特徴疲労感への影響不眠症入眠困難・中途覚醒睡眠不足で慢性疲労日中の過眠強い眠気が出現活動低下・社会参加制限レム睡眠行動異常夢の中の行動を実際に行う睡眠の質低下、家族も負担パーキンソン病患者の約半数以上に睡眠障害が報告されており、疲労感の主要因です。眠れないことで疲れが取れず、日中は強い眠気に襲われ、活動が制限されます。さらに、レム睡眠行動異常では夢を実際に行動化してしまい、患者本人だけでなく家族の睡眠まで妨げます。こうした問題は疲労を慢性化させ、生活の質を大きく損ねます。自律神経症状(起立性低血圧・便秘・発汗障害)症状内容疲労感との関係起立性低血圧立ち上がると血圧が下がる倦怠感・転倒リスク増加便秘腸の動きが低下腹部不快感が疲労を助長発汗障害発汗異常で体温調整困難倦怠感や体調不良パーキンソン病患者の約3割で起立性低血圧が見られると報告されています。立ちくらみや失神のリスクがあり、慢性疲労の原因となります。さらに便秘や発汗異常も多く、体調を崩しやすくします。これらの症状は軽視されがちですが、患者の生活を著しく制限し、疲労感を増強させる大きな要因です。認知機能低下・うつ・不安などの精神症状症状内容疲労感との関連認知機能低下記憶・注意・判断力の低下頭を使うだけで疲れるうつ症状気分の落ち込み疲労感を強く訴える不安症状将来への不安や緊張精神的疲労を増幅認知機能の低下や抑うつ、不安はパーキンソン病に高頻度で合併し、疲労感を大きく悪化させます。記憶や注意力の低下は「考えること自体が疲れる」状態を生み、うつや不安は精神的にエネルギーを消耗させます。結果として、身体の疲労だけでなく心の疲労も加わり、日常生活に強い影響を及ぼします。4. 薬物治療と疲労感レボドパ・ドパミンアゴニストと疲労(オン/オフ現象を含む)薬剤特徴疲労感への影響レボドパ最も効果的な治療薬だが作用時間が短いオン時は活動的、オフ時は強い倦怠感ドパミンアゴニスト作用時間が長いが副作用リスクも傾眠やむずむず脚症候群の悪化レボドパはパーキンソン病治療の中心薬で、服用後は「オン」と呼ばれる動きやすい状態になります。しかし効果が切れると「オフ」となり、急に強い疲労感や動作困難が出現します。このオン・オフの切り替わりは予測できないことが多く、生活や社会活動の計画を妨げます。例えば「朝は元気に外出できたのに午後には歩けない」ということもあり、家族も振り回されます。すべてのオフが薬だけで説明できるわけではありませんが、服薬タイミングや食事との関係も影響するため、医師と相談しながら最適化することが必要です。薬の副作用(眠気・低血圧・幻覚など)副作用内容疲労感との関連眠気ドパミンアゴニストで多い日中の活動低下低血圧レボドパや抗コリン薬倦怠感・転倒リスク増加幻覚・錯覚長期服用で出現することも精神的疲労を悪化薬には症状を和らげる効果がある一方で、副作用が疲労を増す要因になることもあります。特に眠気や低血圧は日常生活を制限し、患者の自立を妨げます。幻覚や錯覚は本人だけでなく家族の心理的負担も大きく、疲労感を増幅します。副作用が疑われる場合は、服薬を中断せずに必ず医師へ相談し、用量調整や薬の切り替えを検討することが重要です。薬と食事・栄養の関係(レボドパとタンパク質)ポイント内容疲労への影響タンパク質と競合大中性アミノ酸がレボドパ吸収を阻害効果減弱 → 倦怠感服薬タイミング食前20〜30分、食後1〜2時間が目安吸収が安定個別調整人により影響の度合いが異なる主治医の指示が必須レボドパは食事中のタンパク質と吸収が競合するため、効果が十分に出ず、疲労感が強まることがあります。そのため、食前20〜30分または食後1〜2時間の服用が推奨される場合があります。ただし影響には個人差があり、無理にタンパク質を制限すると栄養不足を招きます。大切なのは「摂取タイミングの工夫」であり、主治医や栄養士と相談しながら調整することで、薬の効果を安定させつつ疲労を軽減できます。5. 生活要因・併存症と疲労悪化の背景睡眠不足や不規則な生活リズム要因内容疲労への影響不眠入眠困難・中途覚醒翌日の強い倦怠感昼夜逆転昼寝過多や夜更かし睡眠の質低下リズムの乱れ食事・運動時間の不規則慢性疲労の増悪不規則な生活リズムは、疲労を慢性化させる大きな要因です。睡眠不足や昼夜逆転により体内時計が乱れると、ホルモン分泌や自律神経の働きが不安定になり、疲労が取れにくくなります。特にパーキンソン病では薬の効果と体調が密接に関係するため、決まった時間に起床・服薬・食事・運動を行う習慣が疲労軽減につながります。併存症(心疾患・糖尿病・うつ病など)の影響併存症疲労への関与留意点心疾患心機能低下で倦怠感増加定期的な循環器チェックが必要糖尿病高血糖や低血糖が疲労を助長食事・運動療法の工夫が必須うつ病気力の低下が疲労と直結精神科・心療内科との連携パーキンソン病患者では、心疾患や糖尿病などの併存症が疲労をさらに悪化させることがあります。例えば心疾患による心機能低下は日常動作だけで疲れやすくし、糖尿病は血糖変動が倦怠感の原因となります。うつ病の合併は気力を失わせ、疲労感を強く訴える傾向につながります。したがって、多職種連携で全身管理を行うことが疲労対策に直結します。ストレスや環境要因要因内容疲労との関連介護負担家族の心身の疲労患者にも心理的影響社会的孤立活動範囲が狭まる気力低下 → 疲労悪化住環境段差・不便な設備日常動作が負担にストレスや生活環境も疲労感に直結します。介護者が疲弊すると患者本人にも心理的負担がかかり、互いに疲労を悪化させる悪循環となります。また、社会的孤立は気力の低下を招き、外出や活動意欲を奪います。さらに住環境に段差が多いと、日常生活が一つひとつ疲労の原因になります。生活の調整や家族支援、環境改善は疲労対策として欠かせません。6. 疲労を軽減する運動療法有酸素運動(歩行・自転車)で改善を目指す運動の種類効果疲労感への影響歩行運動下肢筋力・心肺機能の維持体力低下を防ぎ、倦怠感を軽減自転車エルゴメーター関節への負担が少ない継続的運動で全身疲労を緩和有酸素運動は、パーキンソン病患者の疲労感を和らげる有効な方法です。特に週150分の中等度運動(1日30分×週5回)が国際的に推奨されています。歩行や自転車は転倒リスクが比較的少なく、自宅や施設で継続可能です。体力を保つことで「少しの活動で疲れにくい体」を作る効果があります。筋力トレーニング・ストレッチ種類効果疲労感への影響下肢筋力トレーニング支持力向上・転倒予防活動性が増し疲労軽減上肢ストレッチ筋肉の緊張緩和身体のこわばり改善体幹運動姿勢保持の強化姿勢の崩れによる疲労減少筋力や柔軟性を高める運動は、動作の効率を改善し、疲労を軽減します。筋肉が硬直すると小さな動作でも消耗が激しくなるため、ストレッチや体幹トレーニングで姿勢を整えることが重要です。これにより転倒リスクが減り、安心して活動できる環境を作れます。運動時の注意点と実施の工夫注意点内容疲労対策との関係無理をしない症状や体調に合わせて調整疲労悪化を防ぐ安全確保手すり・歩行補助具を利用転倒予防リズム運動音楽・メトロノームに合わせる歩行リズム改善運動は「継続」が大切ですが、過度な負荷は疲労を悪化させます。自分の体調に合わせて強度を調整し、転倒予防の工夫を取り入れることが不可欠です。音楽やリズムを活用した運動は楽しく継続しやすく、歩行の安定化にもつながります。運動習慣を無理なく維持することが、疲労の軽減に直結します。7. 栄養管理と食事の工夫栄養バランスの基本(エネルギー・タンパク質・ビタミン)栄養素役割疲労軽減への影響エネルギー活動の基本燃料不足すると慢性疲労に直結タンパク質筋肉・酵素・ホルモン合成筋力維持・免疫力保持に必須ビタミンB群神経・代謝をサポート神経疲労の軽減栄養管理は疲労を軽減するための基盤です。パーキンソン病では食欲低下や嚥下障害がみられることがあり、栄養不足は疲労を悪化させます。エネルギーとタンパク質を十分に確保することは筋力維持に直結し、活動性の低下を防ぎます。また、ビタミンB群や鉄分などの栄養素は神経の働きに関与し、精神的な疲労感にも影響します。日々の食事を見直し、偏りを防ぐことが大切です。水分摂取と脱水予防ポイント内容疲労感への影響こまめな水分補給喉の渇きを感じる前に摂取倦怠感・頭痛を防ぐ高齢者の目安厚労省資料では1.2L/日が推奨される場合も脱水や便秘予防個別調整腎・心疾患では制限が必要主治医の指示に従う水分不足は脱水や便秘を招き、疲労感を増悪させます。高齢者は喉の渇きを感じにくいため、「こまめに飲む」意識が重要です。一般的には1.2L/日程度が推奨されますが、腎機能や心不全の有無で適量は変わります。水分管理はシンプルに見えて非常に大切で、疲労対策・便秘予防・熱中症予防に直結します。食事と服薬タイミングの工夫(レボドパとの関係)工夫内容効果服薬タイミング食前20〜30分、食後1〜2時間を目安にレボドパの吸収安定タンパク質の摂取時間調整夕食に多く摂るなどの工夫栄養を確保しつつ薬効を維持栄養士との相談個別性に応じた調整疲労感の軽減レボドパはタンパク質と吸収が競合するため、食事との関係が重要です。ただしタンパク質は健康維持に欠かせないため、制限ではなく摂取タイミングを工夫することが大切です。例えば夕食に多めに摂取する方法などが実用的です。主治医や栄養士と連携することで、薬の効果と栄養の両立が可能になります。8. 休息・リラクゼーション・睡眠の質向上質の高い休息の取り方(昼寝・活動とのバランス)方法内容疲労への効果短時間の昼寝20〜30分程度疲労回復、認知機能改善活動と休養のバランス適度に活動を入れる昼夜逆転を防ぐ環境調整静かな部屋・遮光カーテン深い休息を確保休息は「休みすぎても不調になる」点が難しいポイントです。昼寝は20〜30分に抑えると回復効果が得られますが、長すぎると夜の睡眠障害につながります。活動と休養のバランスを整えることが、疲労対策の基本です。睡眠環境の工夫(光・音・寝具)工夫内容効果光の調整朝は日光を浴びる、夜は暗くする体内時計をリセット音の管理生活音や騒音を減らす入眠を助ける寝具の工夫体圧分散マットレスなど睡眠の質向上睡眠環境の改善は疲労軽減に直結します。特にパーキンソン病患者は夜間の中途覚醒が多いため、静かで快適な環境づくりが大切です。寝具の工夫は体のこわばりを軽減し、眠りの質を高めます。リラクゼーション法(呼吸法・音楽療法など)方法内容疲労軽減への影響深呼吸・腹式呼吸自律神経を整える心身の緊張を緩和音楽療法リズムに合わせて体を動かす気分転換・睡眠改善マインドフルネス「今ここ」に意識を向ける精神的疲労の軽減呼吸法や音楽療法などのリラクゼーションは、薬だけでは解決できない心身の緊張緩和に効果的です。特に音楽療法は歩行のリズム改善にも役立ち、楽しみながら疲労軽減につなげられます。9. メンタルヘルス支援と社会資源うつ・不安への対応(認知行動療法等)対策方法効果認知行動療法否定的な思考を修正不安・抑うつを軽減薬物療法抗うつ薬・抗不安薬精神症状の改善心理教育病気の理解を深める不安の緩和・自己効力感の向上パーキンソン病患者はうつや不安を合併しやすく、疲労感を悪化させる要因となります。認知行動療法では思考の偏りを修正し、前向きな行動を促します。薬物療法は有効ですが副作用もあるため、医師の指導下で適切に行う必要があります。心理教育は病気に対する理解を深め、「自分で対処できる」感覚を育むため、疲労を間接的に軽減します。家族支援・相談窓口の活用方法サポート内容利点家族教室医療機関での学習プログラムケア方法を学び、負担感を減らす地域包括支援センター医療・介護相談窓口専門家に迅速に相談可能患者会・ピアサポート同じ病気の人との交流孤立感を減らし、精神的支えに患者本人だけでなく、家族も強い疲労感を抱えることが多いです。家族教室や患者会を活用することで、正しい知識と精神的支えを得られます。介護負担を軽減することは、結果として患者の疲労感軽減にもつながります。就労・社会参加とQOL維持活動方法効果就労支援障害者雇用制度・職場調整社会的役割を維持趣味活動図画・音楽・園芸など精神的充実・気分転換ボランティア活動軽度の社会参加孤立防止・自己肯定感向上社会とのつながりは精神的エネルギーを維持し、疲労感を軽減します。就労を継続できる環境を整えることは大きな励みとなり、趣味やボランティア活動も生活に張り合いを与える重要な要素です。10. 在宅での工夫と日常生活の安全対策福祉用具・住環境調整で動作を楽にする工夫内容効果手すり設置廊下・階段・トイレに設置移動の安全確保段差解消スロープや段差解消機転倒リスク低減補助具歩行器・杖移動効率の改善在宅生活で最も大きなリスクの一つが転倒です。パーキンソン病では歩幅が小さく前傾姿勢になりやすいため、ちょっとした段差や環境の不便さが事故につながります。手すりやスロープを設置するだけで、移動の安心感は大きく変わります。歩行器や杖も「依存」ではなく「自立を支える道具」と捉えることが大切です。こうした環境整備は、患者本人の安全確保だけでなく介護者の負担軽減にもつながります。転倒予防(姿勢・歩行・すくみ足対策)対策内容効果姿勢改善背筋を伸ばす訓練前傾姿勢の矯正歩行訓練メトロノーム・音楽歩行すくみ足の改善外出工夫平坦な道を選ぶ・同伴者と歩く安全性向上パーキンソン病特有のすくみ足は転倒の主要因です。歩き出すときや方向転換のときに足が出にくく、疲労と恐怖心を増幅させます。メトロノームや音楽を利用してリズムを意識する方法は有効です。さらに、姿勢改善や外出環境の工夫を組み合わせることで、転倒リスクを下げられます。転倒を防ぐことは単なる事故予防にとどまらず、「動く自信」を取り戻し活動意欲を高める効果もあります。自宅でできるセルフケアとチェックリストセルフケア内容疲労軽減への効果水分補給こまめに摂取(主治医指示範囲内)脱水予防・便秘改善体調日誌疲労度・睡眠・服薬効果を記録医師への情報提供ストレッチ軽い運動を毎日継続筋肉緊張を緩和セルフケアは「小さな積み重ね」ですが、その効果は大きいです。特に体調日誌は、本人が疲労のパターンを理解し、医師に的確な情報を伝えるための有効なツールです。水分補給や軽いストレッチも日常生活の質を高め、疲労を和らげます。こうしたセルフケアは「自分でコントロールしている」という感覚を育て、心理的にも疲労感を軽減します。11. 訪問看護・訪問リハビリの活用訪問看護で受けられる支援(症状管理・服薬・医療連携)サービス内容詳細効果症状観察バイタル測定・体調確認疲労や不調の早期発見服薬管理薬の整理・飲み忘れ防止治療効果の安定化医療連携医師や病院との連絡調整安心して在宅療養訪問看護は在宅療養を支える中心的サービスです。日々の体調を定期的にチェックし、薬の飲み忘れや副作用を早期に発見できます。さらに、医師や医療機関との橋渡し役となるため、患者・家族の安心感が高まります。特にパーキンソン病のように症状が変動しやすい疾患では、「困ったときに頼れる存在がいる」ことが疲労感や不安の軽減につながります。訪問リハビリでできること(運動指導・ADL改善・介護負担軽減)サービス内容詳細効果運動指導歩行訓練・筋力維持疲労を軽減・転倒予防ADL訓練食事・入浴・更衣動作自立度向上介護指導介助方法を家族へ指導介護負担の軽減訪問リハビリでは、患者の生活環境に合わせた実践的なリハビリが行えます。専門職が自宅で直接指導することで、日常の困難を解決できるのが強みです。また家族も一緒に学ぶことで、介護負担が減り、双方の疲労感を軽減します。在宅生活に即したリハビリは、患者の「できること」を広げ、自立を支える重要なサービスです。町田市で安心して相談できるピース訪問看護ステーション特徴内容地域密着町田市を中心に迅速対応専門スタッフ看護師・リハ職・ケアマネが在籍幅広いサポート医療管理からリハまで対応夜間対応急な体調変化や転倒にも対応可豊富な神経疾患支援経験パーキンソン病症例多数町田市にお住まいで「パーキンソン病かもしれない」「診断を受けた」といった方にとって、在宅療養は大きな挑戦です。転倒や薬管理、介護者の負担を一人で抱えるのは容易ではありません。ピース訪問看護ステーションは地域の医療機関や介護サービスと連携し、安心できる体制を整えています。スタッフは看護師・リハビリ専門職・ケアマネジャーが揃い、24時間対応や専門的リハ支援も可能です。パーキンソン病の支援経験も豊富で、患者と家族を丸ごと支える心強い存在です。12. 医師に相談・受診の目安とチェックリスト急いで受診すべき症状(失神・著しい低下など)症状内容注意点失神・意識消失急な血圧低下や不整脈直ちに救急搬送著しい疲労感立てない・動けないほど感染症・脱水の可能性も急な運動機能低下突然の歩行困難脳卒中との鑑別が必要これらは単なる「疲れ」ではなく、緊急の疾患サインかもしれません。迅速な受診は命を守る行動です。受診前の準備(症状日誌・薬歴・質問事項)準備内容具体例効果症状日誌疲労度・睡眠・服薬の記録医師が状態を正確に把握薬歴整理服薬中の薬一覧相互作用・副作用確認質問リスト疲労の原因・対処法診察時間を有効に活用診察を受ける際には、記録を持参することが診断の近道です。日誌や質問を準備することで診察がスムーズになり、適切な治療につながります。専門医・地域資源の活用(町田市の支援情報)資源内容活用法神経内科専門医専門的な診療と治療定期的に通院地域包括支援センター高齢者・介護の相談窓口介護保険申請など訪問看護・リハ在宅での支援疲労管理に直結町田市内には神経内科専門外来や地域包括支援センターが複数あります。医療と介護の橋渡し役を上手に利用することで、在宅療養をより安心して継続できます。13. まとめ今日からできる3つの疲労対策運動:週150分を目安に、無理なく続ける栄養・水分:食事タイミングを工夫し、こまめな水分補給休息:短い昼寝と快適な睡眠環境で回復力を高める専門職・支援サービスとの連携疲労が強く日常生活に支障があるときは、一人で抱え込まずに相談することが大切です。医師・訪問看護・リハビリが連携することで、生活全体を支えることができます。ぜひ町田市およびその近隣にお住まいの方は、ピース訪問看護ステーションにご相談ください。関連記事パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いを徹底解説、症状・診断・治療・生活支援までパーキンソン病の原因を徹底解説、遺伝・環境・生活習慣との関係パーキンソン病のヤール分類とは?重症度の目安と在宅ケア・リハビリとの関係パーキンソン病のウェアリングオフ現象とは?症状と対応策を解説パーキンソン病リハビリ徹底ガイド、訪問看護と在宅支援で生活機能を守る最新実践参考文献一覧厚生労働省「パーキンソン病の診断と治療」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html厚生労働省「訪問看護の利用対象」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000661085.pdf日本神経学会「パーキンソン病診療ガイドライン2018」https://www.neurology-jp.org/guidelinem/parkinson.html厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple.htmlWHO「Guidelines on physical activity and sedentary behaviour」2020https://www.who.int/publications/i/item/9789240015128Dorsey ER, et al. Global Burden of Parkinson’s Disease, 1990–2016: Forecasting its growth and impact. JAMA Neurology. 2018;75(9):1090–1099.https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/2685655WHO「Neurological disorders: public health challenges」2006https://www.who.int/publications/i/item/9789241563369Kluger BM, et al. Parkinson’s Disease‐related Fatigue: A Case Definition and Recommendations for Clinical Research. Mov Disord. 2016;31(7):899–908.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4863238/Friedman JH, et al. Fatigue in Parkinson’s disease: Report from a multidisciplinary perspective. npj Parkinson’s Disease. 2016;2:15025.https://www.nature.com/articles/npjparkd201525Zhou Z, et al. Characteristics of fatigue in Parkinson's disease. Front Aging Neurosci. 2023;15:1133705.https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnagi.2023.1133705/fullLin Y, et al. Triggers and alleviating factors for fatigue in Parkinson's disease. 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