理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として、病院勤務を経験した後、「もっと在宅で関わりたい」と訪問看護の世界に転職する方が増えています。では、訪問看護でのリハビリは、病院とは何が違うのでしょうか?この記事では、訪問看護におけるリハビリ職の働き方や、病院との違い、やりがい、向いている人の特徴について解説します。1. リハビリの主役は「生活」|現場が病院から自宅に変わる病院ではベッドサイドやリハ室での訓練が中心ですが、訪問看護では「実際に暮らしている家」がそのままリハビリの現場になります。トイレにどうやって行くかキッチンで安全に調理できるか玄関の段差を超えて外出できるかこうした生活に密着した訓練が訪問リハの基本。環境も道具も本人の家にあるものを活かすため、現実的なアプローチが求められます。2. 訓練だけじゃない|多職種・家族との連携がカギ訪問リハでは、以下のような多様な連携が日常的に行われます。ケアマネジャーへの報告・相談看護師とのバイタル情報共有家族への動作指導や福祉用具の提案医師とのリハ指示書や報告書のやりとり病院よりも「一人の生活者」を中心に置いたチームケアの感覚が強くなります。そのぶん、専門性だけでなくコミュニケーション力も問われる場面が多いのが特徴です。3. 自分の裁量が広がる|時間の使い方と責任感訪問は、基本的にリハ職が一人で1対1で対応するスタイルです。病院のように「他のスタッフにすぐ相談」できないぶん、観察力や判断力、説明力が求められます。一方で、自分の提案がダイレクトに生活改善につながることも多く、「自分の力で支えられた」という実感を持ちやすいのが魅力です。4. スケジュールの自由度が高い職場もある病院では固定勤務・リハ単位管理が基本ですが、訪問看護では以下のような勤務スタイルも増えています。午前だけ・午後だけのパート勤務1日3~4件だけの訪問インセンティブ型の報酬制度とくに子育て中やWワーク希望のリハ職にとって働きやすい環境が整っている場合も多く、柔軟な働き方が可能です。5. 訪問リハで求められる人材とは?訪問で活躍するリハ職の特徴には、以下のような傾向があります。「その人らしい生活」に興味がある独立して判断・行動するのが苦じゃないチームで協力して支えることにやりがいを感じる支援が終わった後も「元気でいてほしい」と願える人病院の治療中心のリハとは異なり、「予防・維持・参加支援」が求められる場面も多く、リハの原点を見直すような刺激がある現場です。6. まとめ|“人をみる力”が試されるフィールド訪問看護でのリハビリは、病院と比べて環境も人間関係もぐっと生活に近くなる分、自由度も責任も高くなる仕事です。単なる機能訓練だけでなく、生活を見渡した視点で「この人の人生をどう支えるか」を考える力が磨かれるのが、訪問の醍醐味。新しいキャリアとして、地域の中でリハビリ職として活躍したい方にとって、訪問看護は大きな可能性を持ったフィールドです。訪問看護や介護サービスについてもっと知りたい方へ訪問看護に関するその他のコラムはこちら!👉【要注意】屋外歩行訓練はできる?訪問看護・リハビリで実施するための条件と注意点👉 訪問看護ステーションのインセンティブ給与とは?病院勤務との違いや仕組みを解説👉 「OTらしさ」を最大限に活かせる働き方とは?訪問看護の現場で広がる可能性 ピース訪問看護ステーションの公式サイトもあわせてご覧ください。▶ https://island-piece.jp/service/houmonkango