毎年夏になると、訪問介護や訪問看護などの現場では、スタッフが直面する「暑さ」の問題が深刻化します。東京都ではこのような状況に対応するため、「訪問系介護サービス 暑さ対策緊急支援事業」を実施し、現場の職員が安全に業務を遂行できるよう支援を行っています。本記事では、東京都のこの支援制度の内容や活用事例を詳しく解説します。1. 東京都の支援制度の概要東京都福祉局は、訪問介護・看護の現場で働く職員の熱中症リスクを軽減するため、物品購入費用の補助を行う「暑さ対策緊急支援事業」を実施しています。この制度は、職員が猛暑の中でも安心して訪問サービスを提供できる環境を整えることを目的としています。対象事業所とは?この制度の補助対象となるのは、以下のサービスを提供する事業所です:訪問介護訪問看護訪問リハビリ定期巡回・随時対応型訪問介護看護小規模多機能型居宅介護看護小規模多機能型居宅介護居宅介護支援※訪問入浴は対象外です。補助金額の区分と補助率事業所の職員数に応じて、補助の上限額が定められています:1〜10人:10万円11〜20人:20万円21〜30人:30万円31〜40人:40万円41人以上:50万円補助率は3/4で、自己負担は1/4です。対象となる物品の詳細補助の対象となるのは、1,000円以上の以下のような熱中症対策物品です:空調服、冷却ベスト、アイスベストネッククーラー、アイスリング、冷却タオル保冷剤、保冷剤用冷凍庫携帯用扇風機、ミストファン、遮熱キャップ温湿度計、WBGT計(暑さ指数計)購入対象期間補助対象となる物品は、令和7年4月1日から12月31日までに購入されたものです。2. 実際の活用例と現場の工夫炎天下の移動に空調服炎天下での自転車移動や徒歩移動が多い訪問現場では、空調服の導入により、体感温度を下げる工夫がされています。浴室でのケアに冷却ベスト入浴介助では高温多湿な環境になりやすいため、冷却ベストやネッククーラーを活用してスタッフの体温上昇を防いでいます。小型扇風機・冷風機の設置屋内での休憩時間に使えるよう、小型の扇風機や冷風機を設置して、クールダウンができる休憩スペースを確保する事例もあります。3. 補助制度を活用するためのポイント対象経費の確認を忘れずに購入する物品が制度の対象かを事前に確認することが重要です。1,000円以上であること、対象期間内の購入であることなどを確認しておきましょう。職員数に応じた申請上限を理解自事業所の職員数に合わせた上限金額を把握し、必要な物品を無駄なく選定しましょう。申請スケジュールを守る交付申請や実績報告の時期を把握して、期限内に対応することが、円滑な補助金受給につながります。まとめ猛暑の中で高齢者の暮らしを支える訪問系サービスのスタッフにとって、熱中症対策は命を守る重要な取り組みです。東京都の「暑さ対策緊急支援事業」は、補助制度を通じて現場の安全をサポートしています。まだ申請していない事業所は、ぜひこの制度を活用し、職員の健康を守る体制づくりを進めてください。関連記事【熱中症対策にも有効】町田市で訪問看護を活用する理由とは?【訪問看護で支える】脱水症の見分け方と正しい対応【要注意】訪問看護で見逃さない!夏の脱水・熱中症のサインと確認ポイント町田市で訪問看護や介護サービスについて知りたい方は、ピース訪問看護ステーションの公式サイトもあわせてご覧ください。▶https://island-piece.jp/service/houmonkango