老老介護で共倒れを防ぐ|訪問看護を組み合わせた在宅継続のための具体策「自分が先に倒れたら、この人を誰が見るのか」——夫婦のどちらかが、または高齢の親子が互いを支え合う老老介護の現場で、いちばん多く聞かれる声です。老老介護で共倒れが起きる背景には、介護者自身の慢性疾患、夜間中断される睡眠、相談相手の少なさといった複数の要因が重なっています。本記事は、町田市・相模原市・多摩市で在宅医療を支えるピース訪問看護ステーションが、老老介護 共倒れ 訪問看護の組み合わせ方を、朝の訪問・服薬確認・夜間オンコール・家族支援の4つの具体パターンに落とし込んで解説します。「施設入所しか道がない」と思い詰めず、在宅で続けるための支援設計を一緒に考えていきましょう。この記事でわかること老老介護で共倒れが起きる仕組みと、典型的な4つのパターン訪問看護を朝・日中・夜間にどう組み込むかの具体例介護者本人を守るためのレスパイトと外部支援の入れ方町田市・相模原市・多摩市での相談先(地域包括支援センター・ケアマネ)緊急時にすぐ動ける家族会議のテンプレート老老介護で共倒れが起こる仕組みと現状老老介護の共倒れは、介護者の慢性疲労と医療ケアの空白が重なったときに、ひとつの体調不良がきっかけで連鎖的に起こる現象です。「老老介護」とは、65歳以上の高齢者が同じく65歳以上の家族を介護する状態を指します。厚生労働省の2022年(令和4年)国民生活基礎調査によると、同居の主な介護者と要介護者等が両方とも65歳以上の世帯は63.5%にのぼり、双方が75歳以上の後期高齢者という世帯も35.7%に達しています(出典:厚生労働省「2022年国民生活基礎調査の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html )。介護を担う配偶者の22.9%、子の16.2%という続柄のバランスから見ても、夫婦間と親子間の老老介護は今後さらに増えていくと考えられます。町田市・相模原市・多摩市のように単独世帯と高齢夫婦世帯が多い地域では、隣近所も同じ年代で頼りにくく、外部支援が入らないまま介護が長引くケースが目立ちます。老老介護で起こりやすい変化変化の領域介護者に起こること身体面介助動作で腰痛・膝痛が悪化睡眠夜間トイレ誘導で睡眠が分断持病自分の通院・服薬が後回し社会面友人・近所との交流が減る経済面介護用品・医療費が積み重なる老老介護で多いのは、介護者自身も持病を抱えながら介護を続けているという状況。心臓や腰の薬を飲んでいる方、白内障や難聴がある方が、夜間の見守りや入浴介助を毎日担えば、半年から1年で体調が崩れていきます。町田市内で訪問させていただく中でも、最初は「私は元気だから大丈夫」と言っていた介護者の方が、3カ月後にはご自身の血圧が乱れたり、体重が4〜5kg落ちていたりすることが珍しくありません。介護者は「自分の不調」を周りに言いにくく、気づいたときには受診すらできない状況に追い込まれてしまうのです。共倒れの典型パターンパターン起こる順序兆候急性転倒型介護者が転倒・骨折→介護中断段差・夜間移動の増加慢性疲弊型不眠と食欲低下が続く→介護うつ半年単位で体重減少認認介護型介護者にも認知症が進行服薬間違い・徘徊急変連鎖型被介護者の急変→介護者が動転して救急搬送できず救急判断の遅れ共倒れには、急に倒れる急性型と、ゆっくり進む慢性型の2系統があります。急性型は転倒や脳血管疾患の発症がきっかけで、被介護者が一晩で介護を失う事態に。慢性型は介護者の介護うつや栄養失調が背景にあり、外から見えにくいまま進行していきます。相模原市の利用者宅で、介護者の方が冬場に風邪をこじらせて肺炎手前まで悪化し、入院寸前で気づいたケースもありました。早期に「いつもと違う」を捉える仕組みが必要でしょう。介護うつのサインを見逃さない領域介護者に現れる変化睡眠寝つけない・夜中に何度も起きる食欲食事の準備が面倒で抜く回数が増える気分些細なことで涙が出る・怒りっぽい意欲楽しみだったことができない身体頭痛・肩こり・胸の圧迫感介護者の約60.8%が日常生活に悩み・ストレスがあると答えており、特に在宅介護を担う配偶者層で介護うつの割合が高いと指摘されています(出典:厚生労働省「2022年国民生活基礎調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html )。介護うつは、介護を続ける限り誰でも発症しうるもので、本人の性格や努力とは関係ありません。「最近笑わなくなった」「電話の声が小さい」など離れて暮らす家族が変化に気づくこともあります。気になるサインがあれば、かかりつけ医・訪問看護師・地域包括支援センターのいずれかに相談してください。訪問看護を組み合わせる4つの具体パターン訪問看護を「朝の見守り」「服薬確認」「夜間オンコール」「家族支援」の4つの場面で計画的に組み込むことが、老老介護を在宅で続ける鍵になります。訪問看護師は、看護師・保健師・理学療法士などが在籍する事業所から、利用者の自宅に直接訪問する医療職です。介護保険または医療保険を使い、医師の訪問看護指示書に基づいて、医療処置・観察・リハビリ・家族支援までを一体で提供します(出典:日本訪問看護財団「訪問看護関連ガイドライン」 https://www.jvnf.or.jp/houmon/ )。介護を担う配偶者・子の負担を分散するうえで、訪問看護は「医療の目」と「家族の相談相手」を同時に担える数少ない存在です。パターン1:朝の見守り訪問朝に多い課題訪問看護の関わり服薬の飲み始めの確認起床後の服薬を一緒に確認排便・排尿の状況おむつ交換・排便コントロール朝食摂取量の把握嚥下状態と摂取量を観察介護者の体調確認介護者の血圧・睡眠時間を聴取当日の活動計画デイサービス出発までの段取り朝の見守り訪問は、夜中の出来事と日中のリスクを橋渡しする時間帯として設計します。週2〜3回、デイサービスに送り出す前の30〜60分に訪問することで、夜間に何があったかを把握できます。町田市の利用者の場合、朝7〜9時の時間帯にバイタルチェックと内服確認を行い、デイサービスの送迎車到着までに介護者が落ち着いて自分の朝食を取れる体制を作っています。1日の中で介護者がいちばん疲れている朝を、専門職と分担できる意味は大きいです。パターン2:日中の医療処置と服薬管理ケアの種類具体例慢性疾患の観察心不全・糖尿病・COPDの症状観察創傷ケア褥瘡・皮膚剥離・術後創医療機器管理在宅酸素・カテーテル・経管栄養服薬管理一包化・お薬カレンダー設置リハビリ関節拘縮予防・ADL訓練日中の訪問看護は、介護者の負担がいちばん重い「医療的ケアの判断」を肩代わりする時間です。糖尿病の血糖測定や、心不全のむくみチェック、便秘時の浣腸など、介護者だけでは判断に迷う場面を看護師が担います。服薬管理ではお薬カレンダーの設置と週1回の補充、薬剤師との連携を組み合わせ、6剤以上の多剤併用(ポリファーマシー)の見直しを主治医に提案することもあります(出典:厚生労働省「高齢者医薬品適正使用検討会」 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku_431862.html )。「飲み忘れ」「飲み過ぎ」「副作用の見逃し」は老老介護で頻出するリスクで、訪問看護が介入することで明確に減ります。パターン3:夜間オンコールで介護者の睡眠を守る夜間に起こりやすい場面オンコールの対応発熱・呼吸が荒い電話相談→必要時は緊急訪問痰がらみ・咳き込み吸引の判断と手技指導転倒・打撲救急要請の必要性を一緒に判断介護者の体調不良一時入院・レスパイト調整看取り期の症状主治医連絡と家族支援夜間に「電話一本で看護師に相談できる」体制があるかどうかは、在宅継続の分かれ目になります。ピース訪問看護ステーションでは、町田市・相模原市・多摩市の利用者を24時間365日のオンコール体制で支えています。夜中に体温が38.5℃を超えたとき、介護者がパニックにならずに電話できる相手がいるだけで、不要な救急要請や不要な入院を避けられることが多いです。「明日の朝まで様子を見ても大丈夫か」「今すぐ受診したほうがよいか」を看護師と一緒に判断できることが、介護者の睡眠と心の余裕を守ります。パターン4:介護者本人へのケアと家族支援介護者支援の内容具体例介助技術の指導腰を痛めない移乗動作福祉用具の提案介護用ベッド・スライディングシートメンタル面の傾聴1回30分の対話の場主治医への橋渡し介護者の受診を勧める家族会・カフェ紹介認知症カフェ・介護者の会訪問看護は「被介護者を診る」だけでなく「介護者を支える」業務も明確に位置づけられているサービスです(出典:日本訪問看護財団「訪問看護ステーション業務指針」 https://www.jvnf.or.jp/houmon/ )。介護者が腰を痛めないボディメカニクスの指導、ベッドや車椅子の選定、介護うつの初期サインの聴き取りなど、介護者本人を守る視点が訪問看護の現場には埋め込まれています。多摩市の利用者宅で、介護者の血圧が高めだった配偶者の方に「今日の夕方かかりつけに行きましょう」と看護師から声をかけ、軽い高血圧の段階で内服を始められたケースもありました。介護者を「もうひとりの利用者」として見る目が、共倒れを防ぐ最大の予防策になります。介護保険サービスを組み合わせる設計図訪問看護だけでは老老介護を支えきれません。介護保険のサービス全体を設計し、訪問看護を中核に位置づけることで、介護者の休息時間と医療の空白を同時に埋められます。要介護認定を受けると、要支援1〜要介護5の区分に応じた支給限度額の範囲内で、複数のサービスを組み合わせられます(出典:厚生労働省「介護・高齢者福祉」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html )。介護保険を上手に使うコツは、「介護者の休む時間を最初から介護計画に組み込む」ことです。家族が頑張れる前提でサービスを薄くしていくと、半年〜1年で限界が来ます。平日と休日でサービスを分ける曜日おすすめ組み合わせ平日午前訪問看護+訪問リハビリ平日日中デイサービス(週3〜4回)平日夜訪問介護(夕食・就寝介助)土日訪問入浴・配食サービス月1〜2回ショートステイ(2〜7泊)サービスは「曜日ごとに役割を分ける」と、介護者の生活リズムが整います。月〜金の日中をデイサービスでカバーすれば、介護者は通院・買い物・休息に時間を使えます。週1回でも夕方の入浴介助をヘルパーに任せると、介護者の腰痛悪化を確実に防げます。月1〜2回のショートステイは、介護者が遠方の親族の冠婚葬祭に出席したり、ご自身が泊まりがけで通院したりする予備日として確保しましょう。「使わなくてもいいから、いつでも使えるように契約しておく」という発想が、緊急時の救命策になります。サービス利用の自己負担と費用感サービス1割負担の目安(1回あたり)訪問看護(30〜60分)約450〜850円訪問介護(30〜60分)約250〜400円デイサービス(7〜8時間)約700〜1,200円ショートステイ(1日)約700〜1,000円+食費・滞在費訪問入浴約1,300円前後自己負担額は要介護度・所得・併用サービスで変わるため、ケアマネに見積もりを出してもらうのが確実です。高額介護サービス費制度を使えば、月の自己負担に上限が設定され、超過分は払い戻されます(出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム『サービスにかかる利用料』」 https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html )。住宅改修費(手すり・段差解消)も最大20万円までの工事費の1〜3割負担で利用でき、福祉用具のレンタルも介護保険の対象です。「使えるものは全部使う」というスタンスで、ケアマネに遠慮なく相談してください。医療保険と介護保険の使い分け保険の種類訪問看護で使えるケース介護保険要介護認定済みの方が中心医療保険厚労大臣が定める疾病等・特別指示書自費制度外時間・上限超過分医療保険の訪問看護は、末期がん・神経難病・人工呼吸器使用中の方など、厚生労働省が定める疾病等に該当する方が利用でき、頻度・時間の制限が緩やかです(出典:厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9734&dataType=0&pageNo=1 )。介護保険の訪問看護は要介護認定を受けた方が介護保険の支給限度額の範囲で使うのが基本で、要介護度が上がると訪問頻度を増やしやすくなります。「どちらの保険で訪問看護を使うか」は主治医とケアマネが判断するため、利用者・家族が悩む必要はありません。迷ったら訪問看護ステーションに直接電話で相談しても構いません。町田市・相模原市・多摩市での相談先と動き方町田市・相模原市・多摩市には、地域包括支援センター(町田市では「高齢者支援センター」と呼称)が複数設置されており、最初の相談窓口として無料で使えます。地域包括支援センターは介護保険法に基づく地域の総合相談窓口で、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーが配置されています(出典:厚生労働省「地域包括ケアシステム」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/ )。介護保険サービスを使う前の段階から相談でき、要介護認定の申請代行、介護予防プランの作成、虐待や成年後見の相談まで幅広く担当します。町田市の高齢者支援センター(地域包括支援センター)地区センター数担当エリアの例町田地区3カ所原町田・本町田周辺南地区3カ所成瀬・つくし野・南町田周辺堺・忠生地区4カ所木曽・図師・小山田・小山ヶ丘周辺鶴川地区2カ所鶴川駅周辺・能ヶ谷・三輪町田市は市内に12カ所の高齢者支援センターを設置し、住所地によって担当センターが決まる仕組みです(出典:町田市「高齢者支援センター(地域包括支援センター)」 https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/old/shiminnokatae/mijikanasodan/koureisha_shien_center.html )。「最初にどこに相談すればよいかわからない」というときは、町田市の高齢者福祉課または役所のホームページで、ご自宅の住所からお近くのセンターを確認してください。電話・来所・自宅訪問のいずれの方法でも相談できます。老老介護の不安はセンターの主任ケアマネに相談すると、複数の選択肢を一度に整理してくれます。相模原市・多摩市での相談先自治体窓口名称設置数の目安相模原市高齢者支援センター(地域包括支援センター)市内29カ所多摩市地域包括支援センター市内6カ所相模原市は緑区・中央区・南区の3区にまたがる広域自治体で、各区にそれぞれ複数の高齢者支援センターが配置されています(出典:相模原市「地域包括支援センター」 https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/fukushi/1026635/korei_shien/1006373.html )。多摩市は地域包括支援センターを基幹型1カ所+地域型5カ所の計6カ所配置しており、永山・聖ヶ丘・諏訪・関戸・落合などのエリアごとに担当が分かれています(出典:多摩市公式ホームページ「健康福祉」カテゴリ内 地域包括支援センター案内 https://www.city.tama.lg.jp/ )。老老介護で困った段階で、すでに介護保険サービスを使っている場合は、まず担当のケアマネジャーに相談するのが最短ルートです。ケアマネが介在していない方は、地域包括支援センターが最初の窓口になります。ケアマネジャーとの付き合い方場面ケアマネに伝えるべきこと初回面談介護者の持病・体力・希望する生活月次訪問時1カ月の困りごとを箇条書きで体調変化時早めに連絡(電話・LINE)サービス追加時1週間に何時間休みたいかを言う合わないとき事業所変更を遠慮なく申し出るケアマネジャーは「介護保険サービスの司令塔」として、ケアプランを立てて事業所と調整します。月1回の定期訪問で1カ月の状況を共有し、必要に応じてサービスの追加・変更を提案します。「介護者がいまいちばんつらいのは何か」を遠慮なく伝えることが、よいケアプランにつながります。「ケアマネと話が合わない」と感じたら、居宅介護支援事業所を変更することも法的に可能です。家族の人生を支えるパートナーとして相性のよいケアマネを見つけることが、長期介護の質を大きく変えます。ご自宅でのケアにつまずいたら、ピース訪問看護ステーションでも初回相談を受け付けています。介護保険・医療保険の使い分けからご紹介まで、地域のケアマネ・主治医と一緒に整理します。お問い合わせは https://island-piece.jp/contact からどうぞ。介護者本人を守るためのセルフケアと家族会議老老介護を続ける土台は、介護者本人が「もうひとりの患者」として自分を守れるかどうかにかかっています。介護者の60.8%が日常生活で悩み・ストレスを抱えており、特に同居の介護者では介護うつ・睡眠障害・腰痛が三大課題として挙げられます(出典:厚生労働省「2022年国民生活基礎調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html )。介護者が倒れたとき、被介護者を一時的に預かれる「予備の手」を平時から確保しておくことが、共倒れを防ぐ最後の砦になります。介護者のセルフケアチェックリスト領域月1回見直すこと自分の通院持病の薬は切らさず受診できているか食事1日2食以上は確保できているか睡眠連続4時間以上眠れる夜があるか楽しみ自分のための時間が週1時間以上あるか友人月1回は誰かと話しているか「介護者は被介護者と同じくらい守られるべき存在」として、月1回はセルフチェックの時間を作ってください。自分の通院日に被介護者をデイサービスやショートステイに預ける、訪問看護師が来ている時間に近所のカフェで30分過ごす、といった「小さな自分の時間」を確保することが、半年・1年単位の介護を支えます。「自分のために時間を使うことに罪悪感がある」と感じる方も多いですが、介護者の健康は被介護者の生活基盤そのものだと考えてください。家族会議で決めておきたい5つのこと議題決めるべきこと緊急時の連絡網誰に何分以内に連絡するか経済的負担の分担兄弟・親族で月次の支援額役割分担通院付き添い・買い物・事務手続き看取り期の方針在宅か病院か施設か介護者の健康管理定期検診・代替要員の手配家族会議は「揉めるための場」ではなく「事故を防ぐための場」です。年1〜2回、お盆や正月の親族集まりに合わせて30分〜1時間の時間を取り、上記5項目を順に確認しておきましょう。「離れて暮らす兄弟が何もしてくれない」と一方的に責めるのではなく、「月にいくら振り込めるか」「年に何回来られるか」を数字で出し合うことで、現実的な分担が見えてきます。役割を文書化して全員で共有すると、緊急時に誰が何をするかが迷わずに動けます。助けを求める順番を決めておく困りごとのレベル連絡先の順番軽度(相談したい)ケアマネ→地域包括中度(医療判断が必要)訪問看護→かかりつけ医重度(救急対応が必要)119→主治医→訪問看護介護者の体調不良かかりつけ医→ケアマネ経済的困窮役所福祉課→社会福祉協議会「困ったときに誰に電話するか」を冷蔵庫に貼っておくことを、訪問看護の現場ではお伝えしています。夜中に被介護者が高熱を出したとき、慌てて119を呼ぶ前に訪問看護のオンコールに電話すると、救急搬送の必要性を一緒に判断できます。介護者自身が体調を崩したときも、ケアマネに連絡すれば緊急ショートステイを手配してもらえる場合があります。なお、意識が戻らない・呼吸が止まる・大量出血など命に関わる状況は迷わず119へ。胸痛・強い呼吸困難・けいれん・38.5℃以上の発熱と意識混濁が同時に出ているときも救急要請の目安です。「相談していい相手がいる」と思えるだけで、介護者の心の負担は軽くなるもの。早めの電話が遠回りに見えて、実は最短ルートになります。認知症カフェ・家族会の活用場主な活動認知症カフェ当事者・家族の交流、専門職の相談介護者の会介護者同士の体験談共有認知症の人と家族の会全国組織の支部活動オレンジカフェ自治体主催の月例カフェオンライン家族会自宅から参加できる同じ立場の人と話す場は、専門職にはできない情緒的な支えを提供してくれます(出典:認知症の人と家族の会 https://www.alzheimer.or.jp/ )。町田市内では複数の認知症カフェが月1〜2回開催されており、相模原市・多摩市にも自治体主催のオレンジカフェ・地域型家族会があります。「うちだけが大変なのではない」と気づけることが、介護を続ける力になります。訪問看護師やケアマネからカフェの情報を聞き、まずは見学から始めてみてください。訪問看護を始めるまでの実務的な流れ訪問看護の利用開始は、「主治医に相談→ケアマネに依頼→事業所と契約→初回訪問」の4ステップで2週間前後が目安です。老老介護の現場では「いつから使えるのか」「最初に何を準備すればよいのか」が分からず、相談自体を先延ばしにしてしまう方が少なくありません。訪問看護は介護保険・医療保険のいずれの利用でも、開始までに必要な手続きはほぼ共通しています(出典:厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9734&dataType=0&pageNo=1 )。一度流れを理解しておくと、次に必要になったときに迷いません。4ステップの実務フローステップ日数の目安介護者がやること1. 主治医に相談即日訪問看護を使いたい意向を伝える2. 指示書発行1〜7日病院・クリニックで指示書受領3. ケアマネ・事業所選定3〜7日ケアマネに条件を伝える4. 契約・初回訪問1〜7日自宅で重要事項説明と初回訪問「主治医に訪問看護を使いたい」と一言伝えるだけで、最初の動きが始まります。主治医のクリニックに直接相談しても、入院中の病院の地域医療連携室を介しても構いません。指示書が発行されたら、訪問看護ステーションが利用者の自宅で重要事項説明を行い、契約書を取り交わします。初回訪問では看護師が利用者・介護者の状況を1〜2時間かけて聴取し、訪問看護計画書のたたき台を作るのが流れ。急性期で早急に開始したい場合は、3〜5日で初回訪問まで進められることもあるため、緊急度を主治医・ケアマネに明確に伝えてください。初回訪問で看護師が確認すること確認項目具体内容病状・処方薬薬手帳・お薬カレンダーの確認生活状況1日のスケジュールと睡眠介護者の状態持病・通院・体力緊急時の連絡先主治医・親族・救急自宅環境段差・手すり・寝具初回訪問は「家全体のアセスメント」の場として、看護師が利用者と介護者の双方から情報を集めます。介護者にも同席してもらい、夜間の様子・食事・排泄・入浴の困りごとを率直に話してもらうのが理想です。「散らかっていて恥ずかしい」「専門職に見られたくない」と感じる方も多いですが、生活の実態を見て初めて適切な提案ができるため、ありのままの状態で迎え入れていただいて構いません。看護師は守秘義務があり、聞き取った内容は外部に漏れません。契約後の動きと月のサイクル周期訪問看護師の動き毎回の訪問バイタル測定・観察・処置・記録月1回訪問看護報告書を主治医に提出6カ月毎訪問看護計画書の見直し状態変化時主治医・ケアマネに随時連絡年1回以上サービス担当者会議への参加訪問看護師は月1回の頻度で主治医に「訪問看護報告書」を提出し、利用者の病状変化や生活状況を伝える役割を担います(出典:日本訪問看護財団「訪問看護関連ガイドライン」 https://www.jvnf.or.jp/houmon/ )。介護者には毎回の訪問で「前回からの変化」を口頭でフィードバックし、ケアマネとも電話・FAX・連携アプリで情報共有します。サービス担当者会議は年1回以上、ケアマネが主催する多職種カンファレンスで、利用者・家族・主治医・訪問看護・ヘルパー・デイサービスが集まってケアプランを見直す場です。介護者にとっては「全員に同じ情報を伝えられる貴重な機会」となるため、必ず参加するか、書面で意見を伝えてください。よくある質問(FAQ)Q1. 介護者が倒れたとき、被介護者をすぐに預けられるサービスはありますか?緊急ショートステイ(短期入所生活介護・療養介護)が最も使いやすい選択肢です。介護保険を使って2〜7泊程度の宿泊を依頼でき、ケアマネジャーに連絡すれば手配してもらえます。普段使っている事業所がない場合でも、地域包括支援センターが空きのある施設を案内してくれます。普段から年1回は利用しておくと、いざというとき被介護者本人もスタッフもスムーズに対応できます。介護保険外でも、看護師付き宿泊サービスや有料の付き添いサービスがあるため、選択肢として知っておきましょう。Q2. 訪問看護は週何回くらいから依頼できますか?週1回・30分から始めて、状態に応じて回数と時間を増やすのが一般的です。介護保険では要介護度ごとに支給限度額が決まっているため、ケアマネジャーが他のサービスとのバランスを見て頻度を提案します。慢性疾患の管理が中心なら週1〜2回、医療処置や夜間オンコールが必要な方は週3回以上の利用も珍しくありません。「お試しで1〜2カ月だけ」という相談にも事業所は応じられるので、まずは初回訪問で生活の様子を見てもらってください。Q3. 認認介護(双方に認知症がある)の場合、在宅は無理ですか?双方の認知症の進行度と、外部支援の量で在宅継続は可能です。介護保険の訪問介護・訪問看護を毎日入れ、デイサービスを週4〜5回利用すれば、介護者の負担を分散できます。ただし、夜間に火の始末や徘徊のリスクが高い場合は、見守り機器の導入や夜間対応型訪問介護の活用、最終的には施設入所も視野に入れる必要があります。地域包括支援センターの「認知症初期集中支援チーム」に依頼すると、複数の専門職が訪問してアセスメントしてくれます(出典:日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017」 https://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo_2017.html )。Q4. 介護者の私が体調を崩したら、訪問看護に相談していいですか?訪問看護師は介護者の体調変化にも対応できる立場にあります。介護者本人の医療行為は提供できませんが、体調の聞き取り、受診の必要性の判断、ケアマネへのサービス追加依頼などの調整役を担えます。「最近眠れない」「胸が苦しい気がする」といった訴えがあれば、看護師からかかりつけ医への受診をすすめたり、家族会のような相談先を紹介したりします。介護者を「もうひとりの相談者」として接する訪問看護ステーションを選ぶと、長期介護のパートナーになります。Q5. 訪問看護を使うのに、主治医の指示書が必要ですか?訪問看護を介護保険・医療保険のいずれで使う場合でも、医師の訪問看護指示書が必要です。主治医に「訪問看護を使いたい」と伝えれば、指示書を書いてもらえます(出典:厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9734&dataType=0&pageNo=1 )。指示書の作成料は医療保険でカバーされ、利用者の追加負担はほとんどありません。「どの病院・クリニックの先生に頼めばよいか」で迷ったら、訪問看護ステーションが連携している医療機関を紹介できます。介護保険利用前であれば、ケアマネジャーが主治医との連絡を代行してくれます。Q6. 老老介護で経済的に厳しいとき、利用できる制度はありますか?高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費・社会福祉協議会の貸付制度などが活用できます(出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム『サービスにかかる利用料』」 https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html )。月の自己負担に上限を設ける高額介護サービス費は、所得区分によって上限額が変わります。介護保険料の減免制度・住宅改修費の前払い軽減・福祉用具の購入費補助なども自治体ごとに用意されており、町田市・相模原市・多摩市の各役所福祉課に相談すると一覧で説明してもらえます。経済的不安は介護うつの主要因のひとつなので、早めに役所と社会福祉協議会の窓口を訪ねましょう。まとめへの橋渡し老老介護で共倒れを防ぐ鍵は、訪問看護を朝・日中・夜間・家族支援の4つの場面で計画的に使い、介護保険サービスを介護者の休息時間に組み込むことです。町田・相模原・多摩のいずれの自治体にも地域包括支援センターと多数のケアマネ事業所があり、初動の相談は無料で受けられます。まとめ老老介護の共倒れは、介護者の慢性疲労・医療判断の空白・夜間の不安・社会的孤立の4つが重なったときに起こります。訪問看護を「朝の見守り」「服薬・医療処置」「夜間オンコール」「介護者支援」の4場面で計画的に組み込むことで、介護者の睡眠と健康を守りながら在宅生活を続けられます。介護保険のデイサービス・ショートステイを「介護者の休息のため」に最初から組み込み、月1〜2回の予備日を確保してください。町田市・相模原市・多摩市には地域包括支援センターが多数配置され、要介護認定前から無料で相談できます。介護者本人がセルフチェックを月1回行い、家族会議で役割分担と緊急時の連絡網を文書化しておくことが、長期介護の土台になります。訪問看護は「被介護者を診る」だけでなく「介護者を支える」サービスとして位置づけ、24時間オンコール対応のあるステーションをパートナーに選びましょう。ピース訪問看護ステーションにご相談くださいこんな方はぜひご相談ください:配偶者や親の介護で、自分の体調や睡眠が崩れ始めている方夜間や急変時に相談できる相手がほしい方訪問看護を初めて使うため、ケアマネ・主治医とのつなぎ方に迷っている方ピース訪問看護ステーションができること:朝・日中・夜間オンコールの4場面に対応した訪問計画の提案介護者本人の体調変化にも目を配る家族支援町田市・相模原市・多摩市の地域包括支援センター・ケアマネジャーとの連携調整町田市・相模原市・多摩市など東京都南部を中心に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。関連記事介護疲れ対策のすべて、セルフチェック・制度活用・訪問看護でできること介護疲れを防ぐ!訪問看護で変わる家族の介護負担、疲弊しないための実践ガイド町田市で在宅介護を始めるには?利用できるサービスと相談先まとめ参考文献一覧出典:厚生労働省「2022年国民生活基礎調査の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html出典:厚生労働省「介護・高齢者福祉」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html出典:厚生労働省「地域包括ケアシステム」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/出典:厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9734&dataType=0&pageNo=1出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム『サービスにかかる利用料』」https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html出典:厚生労働省「高齢者医薬品適正使用検討会」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku_431862.html出典:日本訪問看護財団「訪問看護関連ガイドライン」https://www.jvnf.or.jp/houmon/出典:日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017」https://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo_2017.html出典:町田市「高齢者支援センター(地域包括支援センター)」https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/old/shiminnokatae/mijikanasodan/koureisha_shien_center.html出典:相模原市「地域包括支援センター」https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kosodate/fukushi/1026635/korei_shien/1006373.html出典:多摩市公式ホームページ(地域包括支援センター案内は健康福祉カテゴリ参照)https://www.city.tama.lg.jp/出典:認知症の人と家族の会https://www.alzheimer.or.jp/【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修者】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理、地域医療連携、在宅看取り支援に積極的に取り組んでいる。island-piece.jp 株式会社isLand|訪問看護・居宅介護支援・訪問介護|町田市