訪問看護の仕事において、「オンコール対応」は欠かせない業務の一つです。特に在宅療養を支える上で、急変時の対応は利用者や家族の安心に直結します。しかし、オンコールは看護師の負担になりやすいのも事実。本記事では、訪問看護におけるオンコール業務の実態や課題、そして現場での工夫について解説します。1. オンコールとは?訪問看護における役割訪問看護におけるオンコールとは、利用者の体調変化や急なトラブルに対応するため、夜間や休日などの時間外でも連絡を受け、必要に応じて指示や訪問を行う体制のことです。通常、オンコール担当は業務用の携帯電話を持ち、指定時間内は自宅待機します。電話対応のみで済む場合もありますが、緊急時には実際に訪問するケースもあります。「24時間対応」の体制が求められる場面も増えており、事業所としての信頼性を高める要素でもあります。オンコールの目的は、安心して在宅療養を続けてもらうこと。利用者・家族の不安に寄り添い、適切な判断と対応を迅速に行う力が求められます。⬇️ 24時間対応に関する解説はこちら!【突然の体調不良にも対応】訪問看護の「緊急時加算」とは?2. オンコール対応の実情と課題オンコール対応の頻度や内容は、事業所の規模や利用者の病状によって異なります。平均的には月1〜5回の対応が多いですが、がん末期など重度の疾患を抱えるケースでは頻度が増えることも。精神的負担として「いつ呼ばれるかわからない」「休日でも気が抜けない」と感じる看護師も多くいます。また、訪問の必要が生じた際の移動時間や安全面にも配慮が必要です。現場では、「負担の偏り」や「オンコール手当の少なさ」が不満の原因になることも。こうした状況が続くと、スタッフの離職やモチベーション低下にもつながりかねません。3. 負担軽減に向けた取り組みと工夫オンコール体制を継続的に維持するためには、スタッフの負担を軽減する取り組みが重要です。チームでの共有体制:判断に迷う場合には他スタッフと相談できるよう、グループチャットやマニュアルを整備。回数の分散:オンコールの担当日を週単位やシフト制で分散し、一人に集中しないよう調整。訪問不要の対応強化:電話で済む対応を明確にすることで、無用な出動を減らす。オンコール研修の実施:新人看護師や経験の浅いスタッフに対し、想定問答やロールプレイを行う。また、ICTを活用した電子カルテや情報共有ツールの導入により、対応の迅速化やミス防止にもつながります。4. オンコールに対する不安と向き合うにはオンコールへの不安を和らげるには、「経験」と「準備」がカギです。最初は緊張するのが当然ですが、回数を重ねることで少しずつ自信がついてきます。想定されるケースや対応例を事前に整理しておくと、いざという時に落ち着いて判断できます。家族や利用者への事前説明も重要です。「どのような場合に連絡してほしいか」を伝えることで、不要な呼び出しを減らせます。また、事業所内で気軽に相談できる風土があると、心理的負担も軽減されます。オンコール対応は一人で抱え込むものではなく、チームで支える業務であるという認識が重要です。まとめ訪問看護におけるオンコール対応は、在宅療養を支える重要な役割を担いますが、その反面、看護師にとっては大きな負担となることもあります。事業所としては、オンコール体制の整備とスタッフ支援の両立が求められます。ICTの活用や業務マニュアルの整備、スタッフ同士の連携など、できる工夫から取り入れていくことが継続的なサービス提供につながるでしょう。関連記事👉【今すぐわかる!】介護保険で使えるサービスまとめ👉【介護度で変わる!】介護保険で使えるサービス一覧と選び方ガイド👉 訪問看護とは?できること・できないことをわかりやすく解説町田市で訪問看護や介護サービスについて知りたい方は、ピース訪問看護ステーションの公式サイトもあわせてご覧ください。▶ https://island-piece.jp/service/houmonkango