慢性呼吸器疾患や心不全などの治療において、「在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)」を選択する方が増えています。町田市では、高齢者の在宅療養を支えるために、訪問看護による支援体制が充実しています。この記事では、訪問看護がどのように在宅酸素療法の利用者を支えているのか、看護とリハビリそれぞれの役割を分けて、具体的な事例とともに紹介します。1. 在宅酸素療法とは?在宅酸素療法とは、医師の指示に基づき、酸素濃縮器や携帯酸素ボンベを使用して、自宅で酸素を吸入する治療方法です。慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、肺がん、心不全などの疾患が対象になることが多く、病院での治療を継続しながら、住み慣れた自宅で療養生活を続けるための選択肢のひとつです。2. 訪問看護でできること|看護とリハビリの役割在宅酸素療法を受ける方に対して、訪問看護では「看護師」と「リハビリ職(PT・OT・ST)」がそれぞれの視点で支援を行います。● 看護師ができることサポート内容説明酸素機器の管理酸素濃度や流量、チューブの状態を確認し、異常を早期発見します。バイタルサイン測定酸素飽和度(SpO₂)、呼吸数、血圧、脈拍などをモニタリングします。呼吸状態の観察息苦しさや呼吸困難、努力呼吸の有無を日々観察・記録します。医師との連携状態変化を適切に報告し、必要時に薬剤調整や検査指示の依頼を行います。緊急時対応呼吸困難やチューブのトラブル時に迅速に対応、救急搬送が必要な場合も判断。● リハビリ職(PT・OT・ST)ができることサポート内容説明呼吸リハビリの実施呼吸筋トレーニングや呼吸法の指導(腹式呼吸、口すぼめ呼吸)などを行います。体力維持の運動指導立位保持や歩行練習、日常動作の再獲得に向けたリハビリを行います。在宅での動作サポート酸素機器を使用しながらの移動や家事動作を安全に行えるよう支援します。精神的支援・動機づけ「できた」という成功体験を重ねて、QOL向上につなげます。3. 町田市の訪問看護支援体制町田市では、在宅酸素療法に対応できる訪問看護ステーションが多数あります。また、地域包括支援センターやケアマネジャーと連携しながら、医療と介護のスムーズな調整が可能です。酸素機器業者とも連携しており、トラブル時には迅速な交換・修理対応も整っています。訪問看護の導入を検討している方は、医療機関や地域の相談窓口への相談がおすすめです。➡️ 介護のこと、どこに相談すればいい?町田市の『高齢者支援センター・あんしん相談室』ガイド4. 架空事例:Mさん(78歳・男性)のケースMさんはCOPDにより、外出時も酸素が必要となり、在宅酸素療法を導入しました。● 看護師のかかわり酸素の使用状況を毎週確認。バイタルサインのチェックを行い、体調の微細な変化を見逃さずに医師と連携。チューブの接続状態や肌トラブルなどもチェックし、必要な指導を実施。ご家族にも、酸素濃縮器の使い方や注意点を説明。● リハビリ職のかかわり息が上がりにくくなるよう、呼吸法トレーニングを実施。酸素ボンベをつけながらの歩行練習に取り組み、コンビニまでの外出が可能に。洗面やトイレなどの日常生活動作を無理なく行うための省エネ動作の指導。Mさんは「外に出るのが怖くなくなった」「生活に前向きになれた」と語っており、訪問看護によって療養生活の質が大きく改善されました。5. 利用方法と相談窓口在宅酸素療法を行いながら訪問看護を利用するには、医師の指示書が必要です。以下の窓口が相談先になります。主治医(病院・診療所)ケアマネジャー(介護保険を利用している方)地域包括支援センター(要支援・未申請の方)高齢者あんしん相談室(町田市内各地域にあり)➡️【保存版】町田市で介護保険サービスを使うまでの流れ6. まとめ在宅酸素療法を安全かつ安心して続けるには、訪問看護による専門的な支援が不可欠です。日々の健康管理、機器の管理、リハビリによる体力向上など、多角的なサポートを受けながら、安心して自宅で過ごせる体制が整っています。「自宅で治療を続けたい」「家族だけでは不安」という方は、訪問看護の導入を検討してみてください。7. 関連コラムもチェック!👉 【介護度で変わる!】介護保険で使えるサービス一覧と選び方ガイド👉 看取り期でも自宅で過ごせる?町田市の訪問看護ができること 👉 訪問看護とは?できること・できないことをわかりやすく解説町田市で訪問看護や介護サービスについて知りたい方は、ピース訪問看護ステーションの公式サイトもあわせてご覧ください。▶ https://island-piece.jp/service/houmonkango