町田市では、市民の健康維持・生活習慣病予防のために、さまざまな健康診断(健診)を実施しています。対象者や種類、費用、受診方法は年齢や保険の種類によって異なるため、初めて受ける方は「どうやって申し込めばいいの?」と迷うことも少なくありません。この記事では、町田市の健康診断をわかりやすくまとめ、安心して受診できるようサポートします。また、健診をきっかけに在宅での健康支援として訪問看護の活用も検討できるよう、そのメリットもご紹介します。1. 町田市の健康診断とは?町田市の健康診断は、市民の生活習慣病予防や疾病の早期発見を目的として実施されます。40歳以上の方を対象とした「成人健康診査(特定健康診査含む)」のほか、大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんなどのがん検診、さらに胃がんリスク検診(ABC検診)、肝炎ウイルス検診も用意されています。これらは市民の健康寿命を延ばし、重症化予防や医療費抑制にもつながる大切な制度です。特に高齢化が進む町田市においては、早期発見・早期対応が生活の質を大きく左右するため、市民一人ひとりにとって重要な機会といえます。2. 健診の対象者と受診条件町田市の健康診断は、年齢や保険加入状況によって対象が決まります。以下は代表的な健診の対象条件です。健診の種類対象者年齢条件補足成人健康診査(特定健診含む)国民健康保険加入者、後期高齢者医療制度加入者など18歳以上18~39歳は希望者のみ。40歳以上は受診券送付あり各種がん検診市内在住者(年齢制限あり)20歳以上(種類により異なる)偶数年齢対象が多い肝炎ウイルス検診未受診者40歳以上(39歳以下は別制度)無料このように、健診は「全員が同じものを受ける」わけではなく、年齢や加入保険によって振り分けられます。特に会社員は勤務先の健診を受けるケースが多いため、町田市の健診は国保・後期高齢者・無職の方にとって大切な機会となります。出典:町田市 成人健康診査3. 健診の種類と自己負担額(2025年度版)町田市の健診は種類ごとに対象年齢や費用が異なります。正確な金額を知っておくことで安心して受診できます。成人健康診査(特定健診含む)対象:18歳以上(国保・後期高齢者・生活保護受給者等)自己負担:500円(18~39歳は1,000円)免除対象:住民税非課税世帯、生活保護受給者、中国残留邦人等支援給付受給者がん検診とその他の検診検診名主な内容対象自己負担額補足大腸がん検診免疫便潜血検査(2日法)40歳以上800円(成人健診と同時実施で500円)年度内1回肺がん検診胸部X線(+喀痰細胞診※条件あり)40歳以上1,500円(X線のみ)/2,000円(喀痰併用)|成人健診と同時で500円/1,000円年度内1回乳がん検診マンモグラフィ40歳以上女性(偶数年齢)2,000円奇数年齢は前年度未受診者のみ特例申請可子宮頸がん検診細胞診20歳以上女性(偶数年齢)1,000円奇数年齢は前年度未受診者のみ特例申請可胃がんリスク検診(ABC検診)採血(ピロリ抗体・ペプシノゲン)30歳以上(未受診者)800円(年度末30歳・40歳は無料)市の検診にX線や内視鏡はなし肝炎ウイルス検診採血(HBs抗原・HCV抗体)40歳以上(未受診者)無料39歳以下は別制度で無料枠あり健診費用は「完全無料」ではなく、多くが500〜2,000円程度の自己負担が必要です。しかし、一般的な人間ドックが数万円かかることを考えれば、市の健診は非常にリーズナブルだといえます。出典:町田市 がん検診出典:町田市 自己負担免除制度4. 健診の流れと必要な持ち物健康診断は「予約から結果通知」まで一連の流れがあります。初めて受ける方でも安心できるよう、具体的に解説します。ステップ内容持ち物1受診券の確認健康診査受診券(40歳以上)、保険証2医療機関へ予約電話またはWEB予約(市HPや医療機関HP)3健診当日受付受診券、保険証、問診票、検査キット(大腸がん検診など)4検査実施身体測定・採血・尿検査・X線・マンモグラフィなど5結果通知郵送または医療機関での説明この流れを事前に理解しておくことで、当日の不安を減らせます。特に大腸がん検診など事前準備が必要な検査は、予約時点で詳細を確認するのが安心です。5. 健診を受けるメリット健診は「病気を見つける」だけでなく、日常生活の改善や社会的な安心にもつながります。病気の早期発見・早期治療:糖尿病・高血圧・がんなどを早期に把握。医療費の削減:重症化を防ぐことで将来的な医療費を抑えられる。家族への安心感:自身の健康管理が家族の不安軽減につながる。社会的メリット:労働生産性の維持や介護予防に貢献。健診を受けることは「自分のため」だけでなく、「家族や社会全体のため」にもなるのが特徴です。出典:厚生労働省 特定健診・特定保健指導6. 健診を受けられる場所と予約方法町田市内の指定医療機関や健診センターで受診できます。医療機関ごとに検査可能項目や予約方法が異なるため、必ず確認しましょう。予約方法:電話予約・WEB予約(医療機関HP・市公式HPから確認)注意点:土日対応の有無、女性医師の在籍有無などは施設により異なる例:町田市民病院、地域クリニック、健診センターなど自分のライフスタイルや都合に合わせて、通いやすい医療機関を選ぶことが大切です。7. 健診に関するよくある質問(Q&A)Q1. 受診券が届かない場合は? → 健康推進課へ問い合わせ。Q2. 後期高齢者は無料ですか? → 原則500円。免除対象に該当すれば無料。Q3. 妊娠中は受けられますか? → 一部検査制限あり。主治医へ相談を推奨。Q4. 受診を忘れた場合は? → 実施期間を過ぎると翌年度まで受診不可。Q5. 健診とがん検診を同日に受けられますか? → 可能。同時実施で自己負担が減額されるメリットあり。このような「よくある誤解」を知っておくと、不安なく健診を受けられます。8. 健診後のフォローアップと支援制度健診は受けて終わりではありません。結果に応じて以下の支援があります。要再検査・精密検査:医療機関への紹介状が発行され、速やかに専門医へつなげます。生活習慣改善支援:保健師や管理栄養士による栄養相談や生活指導が提供されます。重症化予防プログラム:糖尿病・高血圧のリスクがある方へ継続支援。健診をきっかけに生活習慣を見直し、医療や地域の支援を活用することで、健康寿命を大きく延ばすことができます。9. 健診とあわせて考えたい「訪問看護」の活用健康診断で病気のリスクが見つかった方や、慢性疾患を抱えている方におすすめなのが訪問看護です。訪問看護のメリット自宅で医療的ケアを受けられる(通院困難な方に有効)服薬管理・症状観察で再入院リスクを減らす家族への介護負担を軽減終末期ケアや在宅看取りにも対応可能健診は「予防」、訪問看護は「生活を支える医療」。この二つを組み合わせることで、在宅生活の質を高め、安心して暮らせる環境を整えることができます。👉 健診で生活習慣病リスクが見つかった方や、通院が難しい方は、ぜひピース訪問看護ステーションにご相談ください。まとめ町田市の健康診断は、生活習慣病やがんの早期発見に欠かせない制度です。対象者や健診の種類を確認し、受診券が届いたら早めに予約をして受診しましょう。健診後に病気のリスクや生活支援の必要性が判明した場合は、訪問看護の利用を検討することで、安心した暮らしを続けることができます。町田市の健康診断や訪問看護について不明な点がある方は、町田市健康推進課やかかりつけ医、またはピース訪問看護ステーションにご相談ください。関連記事町田市の高齢化と介護支援、訪問看護が果たす重要な役割とは町田市の子育て支援制度を徹底解説!地域密着の安心サポートとは?玉川学園コミュニティセンターとは?町田市の地域交流と在宅支援をつなぐ拠点参考文献一覧町田市 成人健康診査町田市 がん検診町田市 自己負担免除制度厚生労働省 特定健診・特定保健指導【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修者】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理に長け、地域医療連携や在宅看取り支援にも積極的に取り組んでいる。