統合失調症のピアサポート活動と当事者同士のつながりの効果統合失調症の治療を続ける中で、「同じ病気の人と話してみたい」「一人で悩むのがつらい」と感じることはありませんか。ピアサポートとは、同じ病気や経験を持つ仲間(ピア=peer)が支え合う活動のことで、統合失調症の方にとっても回復の大きな力になります。専門家からの治療や家族のサポートとは違う、当事者同士だからこそできる支え合いの形があります。本記事では、統合失調症のピアサポート活動の種類、参加することで得られる効果、活動の見つけ方を、町田市・相模原市で精神科訪問看護を行うピース訪問看護ステーションの視点から解説します。一人で抱え込まず、仲間とつながることで治療継続のエネルギーが生まれます。ピアサポートとは何かピアサポートは、同じ立場の仲間が経験や気持ちを共有して支え合う活動です(出典:厚生労働省「障害者福祉」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41994.html)。専門家の治療やケアとは異なる、当事者ならではの強みがあります。ピアサポートの基本要素内容当事者性同じ経験を持つ仲間対等な関係支援する側・される側が固定しない経験知専門知識ではなく経験から学ぶ自発性自分の意志で参加相互性支え合いの関係「専門家ではなく仲間」だからこそできる支援があります。専門家は治療やケアの専門知識で支えますが、当事者は「実際に経験した」ことを共有できます。「自分も同じだった」「こうやって乗り越えた」という言葉は、専門家の助言よりも心に響くことがあります。ピアサポートの種類種類内容自助グループ当事者が運営する集まりピアサポーター訓練を受けた当事者オープンダイアローグ(関連する対話的アプローチ)対話的な治療法当事者研究自分を研究する活動オンラインコミュニティSNS等での交流多様な形のピアサポートがあり、本人の状態や好みに合わせて選べます。集団が苦手な方はオンライン、対面で深く話したい方は自助グループ、自分のことを言語化したい方は当事者研究など、複数の選択肢を試してみることができます。専門家のサポートとの違い観点専門家ピア関係性治療者・患者対等知識医学・心理学経験場病院・クリニック多様役割治療・支援共有・共感効果症状改善孤立感の軽減専門家とピアの両方が必要です。どちらが優れているという話ではなく、それぞれが異なる役割を持ちます。専門家は医療的な治療を、ピアは経験を共有する仲間として、本人の回復を多面的に支えます。ピアサポートの効果ピアサポートに参加することで得られる効果は多岐にわたります。心理面への効果効果内容孤独感の軽減「自分だけじゃない」自己肯定感「同じ仲間がいる」希望の獲得回復している人との出会い言語化の機会自分の経験を整理共感の体験受け入れられる感覚「自分だけじゃない」と感じられることが、ピアサポート最大の効果です。統合失調症は社会的偏見が強く、「自分は変な病気にかかった」と感じる方も多くいらっしゃいます。同じ病気の仲間と出会うことで、その孤独感が大きく和らぎます。治療継続への効果効果内容服薬の継続仲間の経験談に学ぶ通院の継続励まし合いの効果危機への対処経験者のアドバイス主治医との関係受診のコツを学ぶ再発予防自分のサインを知る治療継続率が高まることが研究でも示されています(出典:厚生労働省「障害者福祉」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41994.html)。仲間からの「私も飲み忘れた時はこうしてる」「最初は副作用で苦しかったけどこう乗り越えた」という話は、本人の治療継続のモチベーションになります。生活面への効果効果内容生活リズム仲間との集いで規則的に社会参加引きこもりからの脱却役割の獲得仲間を支える立場に趣味の発見仲間と一緒に始める就労へのきっかけ当事者の働き方を知る生活面でも大きな変化が起きます。週1回の自助グループ参加が、その日の朝早く起きる動機になり、生活リズムが整います。仲間と趣味を始める、地域活動に参加するなど、活動の幅が広がっていきます。ピアサポート活動の見つけ方ピアサポート活動は地域に意外と多く存在します。探し方を知っておくとつながりやすくなります。自助グループの探し方方法特徴主治医に相談信頼できる紹介訪問看護師に相談地域情報に詳しい保健所・精神保健福祉センター公的な情報源地域活動支援センター地域の交流場ネット検索自助グループの情報保健所や精神保健福祉センターは地域の自助グループ情報を持っています。町田市・相模原市の精神保健福祉センターでは、地域の自助グループや家族会の一覧を提供しています。電話相談で相談すると、本人に合いそうなグループを紹介してもらえます。地域活動支援センター機能内容居場所自由に過ごせる場プログラム軽作業・趣味活動交流当事者同士の出会い相談専門員によるサポートイベント季節の行事地域活動支援センターは精神障害のある方が日中過ごせる場で、町田市・相模原市にも複数あります(出典:厚生労働省「地域活動支援センター」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/chiiki/index.html)。利用料は無料または低額で、自由に過ごせる居場所として活用できます。スタッフのサポートもあるため、初めての方でも安心して通えます。オンラインコミュニティ種類特徴SNSグループTwitter・Facebookオンライン家族会全国どこからでもYouTube・配信当事者の発信ピアサポートアプリ専用プラットフォームブログ・サイト経験談の閲覧外出が難しい方や対面が苦手な方にはオンラインのピアサポートが有効です。SNSや専用プラットフォームで全国の当事者とつながることができ、自宅から参加できる気軽さがあります。匿名性も保てるため、プライバシーが心配な方も安心です。参加するときの心構えピアサポートに参加する際の心構えを知っておくと、より効果的に活用できます。初めて参加するときポイント内容緊張は当然みんな最初は同じ話さなくてOK聞くだけで参加可無理しない体調に合わせる自分のペース急がない主治医に相談体調管理の確認初参加は緊張するものです。ほとんどの自助グループでは「話さない自由」が認められており、聞くだけで参加できます。最初の数回は様子を見て、慣れてきたら少しずつ話すという段階的なアプローチで構いません。グループのルールルール内容守秘義務内容を外に出さない否定しない他者の話を批判しない強要しない発言を強制しない評価しない比較・優劣をつけない対等な関係上下関係を作らない「ここで話されたことは外に出さない」は最も重要なルールです。安全な場として機能するためには、参加者全員がこのルールを守る必要があります。多くの自助グループでは初参加時にこのルールを共有します。自分に合うグループの見つけ方観点内容雰囲気落ち着いた場か活発かメンバー構成性別・年齢・経過頻度週1回・月1回場所通いやすさルール厳格さ・自由度複数のグループを試してみることをおすすめします。最初に参加したグループが合わなくても、他のグループとは合うかもしれません。1〜2回参加して「合わない」と感じたら、別のグループを探してみてください。グループによって雰囲気は大きく異なります。ピアサポーターとして活動するピアサポートに参加するだけでなく、ピアサポーターとして他の当事者を支える側に回ることもできます。ピアサポーターとは特徴内容訓練を受けた当事者専門研修を修了給与の発生雇用される場合あり公的機関での活動保健所・福祉センター訪問看護での活動同行訪問など当事者の強み経験を活かすピアサポーターは公式な役割として認められつつあります(出典:厚生労働省「ピアサポート研修事業」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41994.html)。一定の研修を受けて当事者支援の専門性を身につけることで、給与をもらいながら他の当事者を支える仕事ができます。「病気を経験した自分が他の人を支える」役割は、本人の自己肯定感を大きく高めます。ピアサポーターになる流れステップ内容自分の回復安定した時期研修参加自治体・団体の研修修了認定資格取得活動開始求人・ボランティア継続研修スキル向上自分の回復が前提です。ピアサポーターとして活動するには、自分自身がある程度安定していることが必要です。回復途上の方が無理に支援者役を担うと、自分の状態が悪化することがあります。主治医・訪問看護師と相談しながら、適切な時期に始めることが大切です。ピアサポーター活動の場場内容精神科病院入院患者の支援訪問看護同行訪問地域活動支援センター利用者支援自助グループファシリテーター行政機関相談員多様な場で活動できます。精神科訪問看護でもピアサポーターの参画が一部事業所で取り組まれており、専門職と当事者がチームで利用者を支える体制が広がっています。ピース訪問看護ステーションでも、ピアサポーターとの連携を視野に入れた支援を心がけています。家族会という選択肢本人だけでなく家族のためのピアサポートもあります。家族会の役割機能内容情報共有病気・支援の情報心理的支え同じ立場の理解学びの場心理教育プログラム政策提言当事者運動緊急時相談経験者の助言家族会は家族のための支え合いの場です(出典:全国精神保健福祉会連合会)。本人の病気を抱える家族同士が経験を共有し、お互いを支え合います。「うちだけじゃない」と感じられることで、家族の心の負担が大きく軽減されます。家族会への参加方法方法特徴自治体の家族会町田市・相模原市の地元全国組織全国精神保健福祉会連合会オンライン家族会自宅から参加病院の家族会主治医の病院ネット情報各団体のサイト地元の家族会が活動しやすいですが、オンライン家族会も普及しています。町田市・相模原市にも家族会があり、月1〜2回の例会で家族同士が話し合う場が設けられています。初参加は見学でも歓迎されることが多く、まずは雰囲気を確認してから本格的な参加を検討できます。家族会で得られること得られること内容実践的な工夫他の家族の知恵安心感同じ立場の理解制度情報障害年金・支援サービス人脈緊急時の相談相手社会参加当事者運動への関与他の家族の経験から学ぶことが家族会の大きな価値です。「うちはこうやって乗り越えた」「この支援サービスが役立った」という実践的な情報は、専門家からは得にくい貴重なものです。訪問看護とピアサポートの連携精神科訪問看護はピアサポート活動への橋渡しもします。訪問看護でできること支援内容具体例情報提供地域のピアサポート情報参加の同行初回参加に付き添い体調管理参加できる状態の確認主治医連携参加状況の共有振り返り参加後の感想を聞く訪問看護師は地域の社会資源情報を持っているため、本人に合いそうなピアサポート活動を提案できます(出典:厚生労働省「精神科訪問看護」)。「この方には地域活動支援センターのこのプログラムが合いそう」「この自助グループの雰囲気が良さそう」といった助言ができます。初回参加に同行することで、本人の不安を軽減することもできます。多職種チームでの支援職種・役割連携内容主治医治療方針との整合訪問看護師在宅でのフォローケースワーカー制度活用ピアサポーター当事者目線の支援地域支援員居場所提供専門職とピアサポーターが連携することで、本人を多面的に支えられます。専門職の医療・福祉的視点と、ピアサポーターの当事者目線が組み合わさることで、より豊かな支援が可能になります。24時間オンコール対応場面対応参加への不安電話相談体調変化緊急対応仲間との関係相談家族の心配家族向け助言主治医連絡状況報告24時間相談できる窓口は、ピアサポート活動を続ける上での安心材料です。「明日の自助グループに行くのが不安」「家族会で他の家族の話を聞いて落ち込んだ」といった相談に、看護師が対応します。ピース訪問看護ステーションでは町田市・相模原市・多摩市の利用者の不安に寄り添っています。まとめへの橋渡しピアサポートは統合失調症の方の回復を支える大切な選択肢です。専門家のサポートと組み合わせて、当事者同士の支え合いを活用しながら、長期的な回復の道のりを歩んでいきましょう。まとめ統合失調症のピアサポートは、当事者同士の支え合いによって孤独感を軽減し、治療継続の力になる重要な活動です。自助グループ・地域活動支援センター・オンラインコミュニティなど多様な形があり、本人の状態や好みに合わせて選べます。家族のためのピアサポート(家族会)も貴重な支えとなります。ピアサポーターとして活動する道もあり、自分の経験を他の当事者の支えとすることで自己肯定感が高まります。専門家のサポートとピアサポートは異なる役割を持ち、両方を組み合わせることで多面的な回復支援が可能です。訪問看護師は地域の社会資源情報を持っているため、本人に合うピアサポート活動を提案・同行することができます。一人で悩まず、仲間とつながる選択肢を持つことで、回復の道のりがより豊かになります。ピース訪問看護ステーションにご相談くださいこんな方はぜひご相談ください:統合失調症で同じ病気の仲間とつながりたい方ピアサポート活動の情報が欲しい方訪問看護とピアサポートを組み合わせて支援を受けたい方ピース訪問看護ステーションができること:精神科専門看護師による定期訪問地域のピアサポート活動の情報提供・同行支援24時間オンコール対応・ご家族への相談支援町田市・相模原市・多摩市など東京都南部を中心に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。関連記事統合失調症で悩むご家族へ:町田市で相談できる訪問看護統合失調症の家族へ:「疲れた」と思ったときに知っておきたい支援の選び方統合失調症の初期症状とは?早期発見のために知っておきたいポイント参考文献一覧出典:厚生労働省「障害者福祉」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/index.html出典:厚生労働省「障害者福祉」 ピアサポートhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41994.html出典:厚生労働省「地域活動支援センター」(厚生労働省ウェブサイトで公開)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/chiiki/index.html4. 出典:全国精神保健福祉会連合会(連合会サイトで公開)https://seishinhoken.jp/5. 出典:厚生労働省「精神科訪問看護」(厚生労働省ウェブサイトで公開)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000078916_00001.html【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修者】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理、地域医療連携、在宅看取り支援に積極的に取り組んでいる。island-piece.jp 株式会社isLand|訪問看護・居宅介護支援・訪問介護|町田市