介護と仕事の両立に限界を感じたら|使える制度と訪問看護という選択肢「親の介護が始まって、仕事との両立が限界に近い」「このまま介護離職するしかないのか」——そんな悩みを抱える働き盛りの世代が急増しています。総務省の令和4年就業構造基本調査によると、介護を理由に離職した方は年間約10万人にのぼり、そのうち約8割が女性です(出典:総務省「令和4年就業構造基本調査」)。介護離職は本人のキャリアだけでなく、経済的にも心身の健康にも大きな影響を与えます。しかし、使える制度を知り、支援サービスを上手に組み合わせれば、仕事を辞めずに介護を続けることは十分可能です。本記事では、介護と仕事の両立が限界に近づいたときに頼れる制度・相談先・訪問看護という選択肢を、町田市・相模原市で訪問看護を行うピース訪問看護ステーションの視点から具体的に解説します。介護離職の現状と影響介護離職は個人の問題ではなく社会全体の課題です。経済産業省の試算では、2030年には家族介護者(ビジネスケアラー)が約318万人に達し、経済損失は約9兆円にのぼると予測されています(出典:経済産業省「仕事と介護の両立支援」)。高齢化が進む中、誰にでも介護の課題が降りかかる時代になっています。介護離職が増える背景要因内容高齢化の進行介護が必要な高齢者の増加核家族化介護の担い手が限定的遠距離介護離れた親の介護で負担増認知症の増加長期にわたる介護が必要単身世帯増加配偶者だけが介護者介護は突然始まることが多いのが特徴です。親が脳梗塞で倒れた、認知症の症状が急に悪化した、一人暮らしの親が転倒したなど、予測不能な出来事がきっかけとなります。心の準備も制度の知識もないまま介護役割を引き受けざるを得ず、仕事との両立に悩む方が増えています。町田市・相模原市でも、親を呼び寄せて同居介護を始めた40〜50代の働き盛り世代が多く、仕事・介護・自分の家庭の三重苦に直面しています。介護離職のリスクリスク具体的な影響経済的リスク収入減・老後資金の減少再就職困難介護離職後の再就職率は低い社会的孤立職場とのつながり喪失介護うつ24時間介護による疲弊キャリアの断絶スキル・人脈の喪失介護離職後の再就職は想像以上に困難です。介護期間中にブランクができ、介護が終わった後(親の死後など)に就職活動を始めても年齢的なハンデもあり、正社員復帰は容易ではありません。また、収入がなくなることで老後資金を取り崩す生活となり、自身の将来に不安が残ります。経済的・精神的な余裕を失うと介護自体の質も下がり、結果的に本人・介護者ともに不幸な状況になることもあります。「介護離職は最終手段」という認識を持ち、まず制度活用を検討してください。限界を感じるサインサイン具体例身体的疲労慢性的な肩こり・腰痛・不眠精神的疲労イライラ・涙もろさ・無気力仕事への影響集中力低下・ミスの増加人間関係の悪化家族・職場との衝突健康不安自分自身の病気・体調不良「介護うつ」「バーンアウト」は珍しくありません。介護者の約3〜4割が抑うつ状態にあるという調査結果もあります。自分の心身の変調に気づいたら、迷わず専門家に相談してください。相模原市の精神保健福祉センターや町田市の保健所では、介護者のメンタルヘルス相談も無料で受けられます。限界に達する前に、介護サービスの拡充や介護休業制度の活用を検討しましょう。知っておきたい介護と仕事の両立支援制度働きながら介護を続けるために、法律で定められた支援制度がいくつかあります。多くの方が制度の存在を知らないまま離職しており、「知っているだけで選択肢が広がる」というケースが多いです(出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html )。介護休業制度項目内容対象家族配偶者・父母・子・祖父母・兄弟姉妹など取得可能日数通算93日まで・3回に分けて取得可給付金賃金の67%(雇用保険から)適用範囲原則すべての労働者申請先勤務先の人事部門介護休業は長期間まとめて取得できる休業制度です。93日は「施設入所の手続き」「介護体制を整える」「本人の体調が落ち着くまでの集中ケア」などに使えます。介護休業給付金が支給されるため、収入の約67%は保障されます。町田市・相模原市の企業でも制度は整っており、申請は労働者の権利として認められています。「申請したら査定に響くのでは」と心配される方もいますが、不利益取扱いは法律で禁止されています。介護休暇制度項目内容対象家族要介護状態の家族取得可能日数年5日(家族2人以上は10日)時間単位取得可能(2021年改正)有給/無給企業による(多くは無給)用途通院付き添い・ケア会議など介護休暇は1日単位・時間単位で取得できる短期休暇です。「ケアマネジャーとの打ち合わせ」「月1回の通院付き添い」「介護認定調査の立ち会い」など、短時間の用事に便利です。時間単位で取れるため、午前中だけ休んで午後は出社、といった柔軟な働き方が可能になりました。小さな積み重ねで介護と仕事の両立がしやすくなります。勤務時間の柔軟化制度内容短時間勤務1日の勤務時間を短縮フレックスタイム始業・終業時間を調整時差出勤朝夕の介護時間を確保所定外労働の制限残業免除在宅勤務自宅で仕事をしながら介護2022年4月の法改正で、介護のための柔軟な働き方制度がより充実しました(出典:厚生労働省「介護休業給付Q&A」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html )。短時間勤務制度は介護休業とは別に取得でき、子育て同様に最長3年間の利用が可能な企業も増えています。在宅勤務も定着し、訪問介護や医療者の訪問時間に合わせて仕事を調整する働き方もしやすくなりました。相談先と活用すべき窓口介護の悩みは一人で抱え込まず、専門の相談窓口を使うことが大切です。相談先ごとに得意分野があるため、状況に応じて使い分けましょう。地域包括支援センター特徴内容管轄市区町村・概ね中学校区単位対象65歳以上の高齢者とその家族相談費用無料主な業務総合相談・権利擁護・予防プラン相談員保健師・社会福祉士・ケアマネ地域包括支援センターは高齢者福祉の総合窓口です(出典:厚生労働省「地域包括支援センターの概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/ )。町田市内には10カ所、相模原市内には29カ所のセンターがあり、各エリアの担当が決まっています。介護保険の申請代行・ケアマネジャーの紹介・各種サービスの情報提供など、ワンストップで対応してもらえます。「まず電話で相談してみる」ことから始めるのがおすすめで、必要に応じて自宅訪問もしてもらえます。ケアマネジャー役割内容ケアプラン作成介護サービスの計画サービス調整訪問看護・デイサービス等の手配給付管理介護保険の請求事務主治医連携医療と介護の橋渡し家族相談介護の悩み全般ケアマネジャーは介護保険サービスの司令塔です。要介護認定を受けた後、ケアマネジャーを決めることで本格的な介護サービスが始まります。ケアマネは利用者との相性が重要で、「合わない」と感じたら変更も可能です。ピース訪問看護ステーションもケアマネジャーと密に連携しており、医療面の情報を共有しながら本人・家族を支えています。企業の相談窓口・EAP窓口対応内容人事部門制度利用の手続き産業医健康面の相談EAPメンタルヘルス相談社労士給付金申請サポート上司業務調整勤務先にも相談できる窓口があることを忘れないでください。大企業ではEAP(従業員支援プログラム)が整備されており、外部のカウンセラーに無料で相談できます。人事部門は制度利用の手続き、産業医は心身の健康相談、上司は業務調整の窓口として活用できます。「介護の状況を上司に打ち明けるのが怖い」と感じる方もいますが、多くの場合は理解が得られ、働き方の調整につながります。訪問看護という選択肢介護の負担が大きい場合、訪問看護の活用で家族の負担を大きく軽減できます。訪問看護は医療的ケアを自宅で受けられるサービスで、医療保険・介護保険のどちらでも利用可能です。訪問看護で受けられる支援支援内容具体例健康観察バイタル測定・体調変化の察知服薬管理薬の飲み忘れ防止・管理医療処置褥瘡ケア・点滴管理リハビリPT・OT・STによる機能維持家族支援介護相談・精神的サポート訪問看護は「医療者の目が自宅に入る安心感」を提供します。家族が仕事で日中不在でも、看護師が定期訪問して健康状態をチェックするため、急変の早期発見につながります。相模原市の訪問看護利用者では、看護師が血圧異常を察知し、早期受診につなげた事例があります。家族にとっては「見守ってもらえている」という安心感が、仕事に集中できる環境を作ります。訪問看護の利用方法ステップ内容主治医に相談訪問看護指示書の作成ケアマネに依頼事業所の選定事業所と契約訪問スケジュール決定保険適用医療保険または介護保険定期訪問開始週1〜複数回訪問看護の利用には主治医の「訪問看護指示書」が必要です。多くの場合、主治医に「訪問看護を受けたい」と伝えれば発行してもらえます。ケアマネジャーに依頼すれば、地域の訪問看護ステーションから選定・調整してもらえます。ピース訪問看護ステーションは町田市・相模原市・多摩市を中心に対応しており、精神科・身体介護・リハビリまで幅広く対応可能です。仕事との両立を支える訪問看護の具体例家族の状況訪問看護の役割日中家族不在本人の見守り・医療管理夜間の不安オンコール24時間対応出張が多い緊急時の連絡窓口遠距離介護地元での見守り体制急変時主治医への迅速な連絡24時間対応の訪問看護ステーションなら、夜間や休日の急変にも電話相談・緊急訪問で対応できます。家族が仕事中・出張中でも、看護師が緊急対応の窓口となるため、安心して仕事に取り組めます。ピース訪問看護ステーションも24時間オンコール体制を整えており、利用者・家族の安心を支えています。家族自身のケアと持続可能な介護介護は長距離マラソンです。家族自身が心身の健康を保つことが、質の高いケアの継続につながります。レスパイトケアの活用サービス内容ショートステイ短期入所生活介護デイサービス日中の預かり訪問介護ヘルパーによる身体介護訪問入浴自宅での入浴サービス小規模多機能通い・泊まり・訪問の組合せ「自分の時間を持つ」ことは介護者の権利です。レスパイト(休息)目的でサービスを使うことに罪悪感を持つ方もいますが、介護者が倒れたら介護自体が続けられません。町田市・相模原市ではショートステイ施設が豊富で、1週間程度の預かりも可能です。家族旅行や休養のために計画的に利用することで、長期介護が持続可能になります。家族会と情報交換会特徴認知症の人と家族の会全国組織・電話相談あり各疾患別家族会精神疾患・難病など自治体主催の家族会町田市・相模原市で開催オンラインコミュニティSNSや専門サイト職場の介護者サークル大企業で増加中同じ立場の人と話すことは大きな支えになります。「うちだけじゃない」と感じられるだけで気が楽になり、他の家族の工夫から学ぶこともできます。町田市・相模原市では認知症カフェや家族会が月1回程度開催されており、予約不要で参加できる会もあります。介護者のメンタルケアサイン対処眠れないかかりつけ医・心療内科受診涙が止まらないカウンセリング・家族会イライラして当たるレスパイト利用・距離を取る楽しいと感じないうつ病の可能性・要受診仕事に支障上司・産業医に相談介護うつは珍しくないため、自分の変調に気づいたら早めに専門家に相談してください。町田市の保健所や相模原市の精神保健福祉センターでは、介護者の精神的健康相談も受け付けています。かかりつけ医や産業医も選択肢です。「介護を理由に自分が潰れる」ことは誰も望んでいません。まとめへの橋渡し介護と仕事の両立は、制度活用・相談窓口の利用・訪問看護の導入・家族自身のケアの4つで支えられます。介護離職を最終手段と考え、まず使える制度と支援を最大限活用しましょう。まとめ介護と仕事の両立は、介護休業・短時間勤務などの法制度、地域包括支援センター・ケアマネジャーなどの相談窓口、訪問看護などのサービス、家族自身のメンタルケアを組み合わせることで、多くの場合継続可能です。介護離職はキャリアと経済面で大きな影響があるため、最終手段として考え、まず制度活用と支援ネットワーク構築を優先してください。一人で抱え込まず、職場・専門家・家族会などに積極的につながり、持続可能な介護体制を作ることが長期介護を乗り切る鍵です。ピース訪問看護ステーションにご相談くださいこんな方はぜひご相談ください:仕事と介護の両立に疲れ、限界を感じている方親の介護を一人で抱え込み、誰にも相談できていない方医療的ケアが必要な家族を、日中の不在時も見守ってほしい方ピース訪問看護ステーションができること:医療・介護の両面から在宅生活をサポートケアマネジャー・地域包括支援センターとの連携家族の相談窓口・24時間オンコール対応町田市・相模原市・多摩市など東京都南部を中心に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。関連記事介護離職を防ぐための完全ガイド:仕事と介護を両立する制度・実務・訪問看護の活用術介護者の心を守るために:介護ノイローゼの原因・対処法・相談窓口まとめ「介護が辛い」と感じたときに読むガイド、訪問看護と制度活用で心を守る方法参考文献一覧出典:総務省「令和4年就業構造基本調査」(総務省統計局サイトで公開)出典:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html出典:厚生労働省「介護休業給付Q&A」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html出典:厚生労働省「地域包括支援センターの概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/出典:経済産業省「仕事と介護の両立支援」(経産省サイトで公開)【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修者】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理、地域医療連携、在宅看取り支援に積極的に取り組んでいる。island-piece.jp 株式会社isLand|訪問看護・居宅介護支援・訪問介護|町田市