介護保険のサービスを使い始めると、市区町村から「介護保険負担割合証」という薄い用紙が届きます。介護保険被保険者証(介護保険証)とは別の紙で、そこには「1割」「2割」「3割」のいずれかが印字されています。訪問看護や訪問介護、デイサービスの請求額はこの1枚で決まるため、割合を1つ勘違いしただけで毎月の支払いが2倍や3倍に変わります。それでも、届いた封筒を開けないまま引き出しにしまってしまう方は少なくありません。町田市や相模原市でご自宅を訪問していると、8月に入ってから「今月から急に金額が上がったのはなぜですか」と尋ねられる場面が毎年あります。原因はほとんどの場合、7月に届いた新しい負担割合証で割合が切り替わっていたというものです。この記事では、負担割合証の見方、1割・2割・3割の判定基準、届く時期と有効期間、ケアマネジャーへの提示方法までを、在宅の現場でつまずきやすい順に整理します。この記事でわかること介護保険負担割合証がどんな書類で、どこを見れば自分の負担割合が分かるか1割・2割・3割が決まる所得と世帯構成の判定基準(具体的な金額つき)負担割合証が届く時期と有効期間、届かないときや紛失したときの対処ケアマネジャーやサービス事業所への提示方法と、提示が遅れたときの実務負担限度額認定証や医療保険の負担割合との違い介護保険「負担割合証」とは?まず自分が何割か結論から確認する介護保険負担割合証とは、介護サービスを利用するときの利用者負担が1割・2割・3割のどれになるかを市区町村が証明する書類で、要介護・要支援認定を受けた人と総合事業(要支援の方などが利用する介護予防・日常生活支援総合事業)の対象者に交付されます。申請して取り寄せる書類ではありません。市区町村が前年の所得をもとに判定し、対象者へ自動的に郵送します。届いた時点で割合は決まっているので、まずやるべきは封を切って数字と期間を確認することです。負担割合証は「何割払うか」を市区町村が証明する1枚項目内容交付される人要介護・要支援認定を受けた人、総合事業の対象者記載内容負担の割合(1割・2割・3割)と適用期間適用期間毎年8月1日から翌年7月31日まで町田市は負担割合証を「介護サービスを利用する際の負担割合を示す証明書」と説明し、認定を受けている人全員に交付するとしています(出典:町田市「費用負担割合について(介護保険負担割合証)」)。押さえておきたいのは、これが「割合を決める書類」ではなく「決まった割合を伝える書類」だという点です。割合は全国共通のルールで決まっています。相模原市も、負担割合証を「利用者負担割合が記載された証明書」と定義しています(出典:相模原市「『介護保険 負担割合証』について知りたい」)。なお40歳から64歳までの第2号被保険者は、所得にかかわらず1割です。この年齢層は後述の判定表の対象外になります(出典:町田市「費用負担割合について」)。被保険者証と負担割合証は別物(2枚をセットで使う)書類名記載されている主な内容有効期間介護保険被保険者証被保険者番号、要介護度、認定の有効期間認定期間に連動(6か月〜48か月)介護保険負担割合証利用者負担の割合、適用期間8月1日〜翌年7月31日負担限度額認定証食費・居住費の負担限度額の段階8月1日〜翌年7月31日この3枚は届く時期も役割もばらばらです。混同が起きやすいのは前の2枚で、どちらも「介護保険」と大きく書かれているためです。被保険者証は要介護度を証明する書類で、更新は認定の有効期間に連動します。認定期間が2年なら2年に1回しか届きません。負担割合証のほうは毎年必ず更新されます。前年の所得が判定材料なので、年に1回は見直しが入る仕組みです。訪問時に書類を確認させていただくと、封も切られていない負担割合証が郵便物の束から出てくることがあります。この2枚は必ず同じ場所に一緒に保管してください。町田市もお薬手帳との保管を推奨しています。ケアマネジャーは両方そろって初めて自己負担額を計算できます。負担割合証の見方(記載項目を1つずつ確認する)記載欄見るべきポイントよくある勘違い氏名・被保険者番号被保険者証と一致するか夫婦で入れ替えて保管している利用者負担の割合1割・2割・3割のどれか前年と同じだと思い込む適用期間(終了日)翌年7月31日になっているか期限切れの証を提示する交付年月日いつ発行されたものか途中変更で古い方を出す手に取ったら、まず終了年月日を見てください。町田市は「終了年月日を過ぎていないかご確認ください」と明記しています。期限切れの証は請求の根拠になりません。次に割合の欄です。数字だけを見て安心せず、前年の証と見比べてください。1割から2割へ上がっていれば、月の自己負担は単純計算で倍になります。夫婦で介護保険を使う世帯では、2枚の証が同じ封筒で届きます。氏名欄を確認せずにファイルへ入れると、ご主人の証を奥様の分として渡す事故が起きます。氏名と被保険者番号は、毎年声に出して読み合わせるくらいの慎重さで扱ってよい書類です。年度の途中で税情報が変わると、8月まで遡って割合が変更され、新しい証が改めて届きます。2枚並んだときは交付年月日が新しい方が有効です。1割・2割・3割はどう決まる?所得と世帯構成でわかる判定基準介護保険の負担割合は、本人の合計所得金額と、世帯の「年金収入+その他の合計所得金額」という2つの金額を突き合わせて判定され、65歳以上の第1号被保険者だけが2割・3割の対象になります。複雑な審査があるわけではありません。基準額が決まっていて、そこに数字を当てはめるだけです。ただし「合計所得金額」が生活実感の年収とずれているため、自分で計算すると混乱します。判定は「本人の合計所得金額」と「世帯の年金収入等」の2軸で行う判定に使う金額見る範囲中身合計所得金額本人のみ収入から必要経費相当額を引いた額。各種控除を引く前年金収入+その他の合計所得金額65歳以上の世帯員公的年金等の収入額と年金以外の所得の合計基準となる年前年前年1月から12月の所得町田市の説明では、合計所得金額は「必要経費に相当する金額を控除した金額で、扶養控除や医療費控除などの所得控除をする前の金額」です。医療費控除を大きく取っている方は「課税されていないのに2割と言われた」と感じます。判定に使うのは控除前の金額なので、これらの控除は反映されません。給与や公的年金がある場合は調整があります。町田市は、その合計額から10万円を控除した金額で計算すると案内しています。もう1つの軸は世帯ですが、世帯全員の所得を合算するわけではありません。本人の合計所得金額が基準を超えているかが第1関門で、世帯の年金収入等は第2関門です。1割・2割・3割の基準額を一覧で確認する本人の合計所得金額世帯の年金収入等(単身)世帯の年金収入等(2人以上)負担割合160万円未満金額を問わない金額を問わない1割160万円以上220万円未満280万円未満346万円未満1割160万円以上220万円未満280万円以上346万円以上2割220万円以上280万円未満346万円未満1割220万円以上280万円以上340万円未満346万円以上463万円未満2割220万円以上340万円以上463万円以上3割40〜64歳・住民税非課税・生活保護受給金額を問わない金額を問わない1割自分の行を探すときは、左端の本人の合計所得金額から入り、右へ読み進めてください。いちばん右の欄が答えになります。この表は町田市が公表している判定基準を整理したものです。町田市は最終行について「40歳から64歳の方、市民税非課税の方、生活保護受給者の方は、以下にかかわらず1割負担となります」と明記しています(出典:町田市「費用負担割合について(介護保険負担割合証)」)。厚生労働省の資料でも、2割は単身280万円以上・夫婦世帯346万円以上、3割は単身340万円以上・夫婦世帯463万円以上という同じ基準額が示されています(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」)。基準額のすぐ下にいる方は、毎年ぎりぎりで割合が動きます。単身で合計所得金額165万円、年金収入等275万円なら1割ですが、年金改定で280万円を超えれば2割です。同じ世帯なのに負担割合が違うのはなぜか夫婦のケース夫の割合妻の割合理由夫に厚生年金、妻は基礎年金のみ3割1割妻の合計所得金額が160万円未満夫婦ともに厚生年金で高額2割2割双方が本人基準と世帯基準を超える夫が退職して前年の所得が減った1割1割判定は前年の所得。退職の翌々年に下がる相模原市には「世帯員は1割負担なのに自分は3割負担の負担割合証が届いたが、なぜか」という関連質問があるほど、この疑問は多く寄せられます。負担割合は「世帯にいくら収入があるか」ではなく「その人本人がいくら稼いでいるか」を起点に決まります。夫が3割、妻が1割という組み合わせは自然に起こります。在宅でこの説明が必要になるのは、夫婦2人が同時に訪問看護を利用しているときです。同じ内容のケアなのに請求額が3倍違えば、ご家族は必ず間違いを疑います。判定は住民票上の世帯で行われるため、同居のお子さんの所得が高くても、世帯が分かれていれば本人の割合には影響しません。ただし負担割合だけを目的にした世帯分離は、国民健康保険料や高額介護サービス費の判定にも影響します。単独で判断せず、市区町村の窓口へ相談してください。負担割合証はいつ届く?有効期間「8月1日〜翌7月31日」と届かないときの対処負担割合証は毎年7月中旬ごろに市区町村から郵送され、その年の8月1日から翌年7月31日までが適用期間になります。前年の所得が確定して住民税の課税内容が固まるのが6月ごろなので、7月に判定し、8月から新しい割合を適用します。医療保険の負担割合や高額介護サービス費の区分も8月更新が多く、この時期は切り替えが集中します。毎年7月中旬に届く(町田市・相模原市の発送時期)対象発送時期適用期間町田市の既交付者毎年7月中旬ごろ(2026年は7月14日発送)8月1日から翌年7月31日相模原市の既交付者毎年7月(対象者へ随時送付も実施)当年8月から翌年7月まで新規に認定を受けた人認定結果の通知と同封交付日から翌年7月31日町田市は、適用期間が7月31日で終了する証を持っている人へ、8月1日から使える新しい証を7月14日に発送したと公表しています。前の証は8月1日以降は使えません。相模原市は「送付対象者に随時送付するほか、毎年7月に当年8月から翌年7月までを適用期間とする新しい負担割合証を送付しています」と案内しています。7月の郵便物には、見落としてはいけない書類が入っているということです。市区町村からの封筒は広報物と一緒に届くことも多く、DMのような見た目で埋もれます。7月は市区町村からの封筒だけは必ず開封する月と決めておくと、8月の混乱を避けられます。新しく認定を受けた方には、認定結果の通知と一緒に届きます。要介護度に注目が集まり、負担割合証は封筒の底に残りがちです。退院直後ほど、この見落としが起きます。適用期間は要介護認定の有効期間とは無関係です。また転入した場合は保険者が変わるため、前の市区町村の証は使えず、新しい市区町村から交付されます。届かない・なくしたときの確認と再発行の手順状況まずやること連絡先7月末になっても届かない郵便物を全部確認し、転送設定も点検市区町村の介護保険担当課紛失・破損した再交付を依頼する市区町村の介護保険担当課提示が間に合わない事情を先に伝える担当ケアマネジャー届かないときは、まず郵便物を洗い直してください。入院中で自宅に人がいなかった、家族が別の郵便物とまとめて片づけた、というケースが多くあります。見つからなければ、市区町村の介護保険担当課へ電話してください。町田市の場合はいきいき生活部介護保険課給付係が担当で、電話番号は042-724-4366です。再発行を待っている間もサービスは止まりません。放置せず、届いていないという事実を早めに伝えることが、後の返金や追加請求のトラブルを防ぎます。古い証は自分で捨てず、ケアマネジャーや地域包括支援センター、事業所に不要かを確認したうえで返却してください(相模原市の案内)。負担割合証はどこに出す?ケアマネジャー・サービス事業所への提示方法負担割合証は、担当ケアマネジャーと利用しているすべてのサービス事業所へ提示します。町田市は「毎月必ず提示してください」と案内しており、1回渡せば終わりという書類ではありません。提示を求められるのは、事業所が介護報酬を請求するときに利用者負担額を確定させる必要があるためです。提示先はケアマネジャーと利用中のすべての事業所提示先提示のタイミング実務での扱い担当ケアマネジャー契約時と毎年8月の切り替え時ケアプランと給付管理票に反映訪問看護ステーション契約時と切り替え時記録に写しを保管訪問介護・通所介護など契約時と切り替え時利用者ごとに割合を登録地域包括支援センター総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)を使うとき相模原市は提示先として明記相模原市は、介護サービスや総合事業を利用する場合、ケアマネジャーまたは地域包括支援センターとサービス提供事業所へ提示するよう案内しています。在宅で複数のサービスを使う方は、提示先が5か所や6か所になることも珍しくありません。訪問看護、訪問介護、通所リハビリ、福祉用具と並べれば、それぞれに割合を伝える必要があります。1か所ずつ回るのは負担が大きいので、実務ではケアマネジャーが窓口になって各事業所へ情報を共有します。ただしケアマネジャーが原本を確認していなければ、共有できる情報がそもそも存在しません。新しい証が届いたら、最初にケアマネジャーへ見せるという順番を習慣にしてください。なおケアプランの作成そのもの(居宅介護支援)は費用の全額が保険給付され、利用者負担は発生しません(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」)。相談料が負担割合で変わることはありません。提示が遅れるとどうなるか(いったん全額負担になる場合)提示状況事業所側の対応の例利用者への影響月をまたいで提示できない請求を保留、または全額をいったん請求一時的に立て替えが発生割合が遡って変更された過去分を再計算して精算追加請求または返金提示が遅れた場合の扱いは事業所の運用によって幅があります。前月の割合で暫定計算して後から修正するところが多い一方で、全額をいったん請求して確認後に精算する運用もあります。いずれの場合も、一時的な出費や書類のやり直しが発生します。立て替えが数万円になり、年金の支給月とずれると生活費を圧迫します。町田市は、確定申告書の提出が遅れたり修正申告等で税情報が変更になった場合、8月まで遡って割合が変わる可能性があると案内しています。訪問看護の現場では、この精算の連絡が届いてから「聞いていなかった」と混乱される場面があります。確定申告を遅く出した年は、割合が動く前提で共有してください。介護費用が重いと感じたら、高額介護サービス費の制度もあります。所得区分ごとに月額の上限が設けられ、超えた分は申請により払い戻されます。訪問看護の回数を減らす前に、ケアマネジャーへ「負担割合と高額介護サービス費の両方を確認したい」と伝えてください。費用の見通しが立たずに訪問回数を迷っている方は、ピース訪問看護ステーションへご相談ください。町田市・相模原市で、負担割合を踏まえた月額の目安を一緒に確認します。負担割合証でよくあるつまずき(更新での変更・負担限度額認定証との違い・医療保険との違い)負担割合証をめぐるつまずきは、「毎年変わることを知らない」「似た名前の証と混同する」「医療保険の割合と混ぜてしまう」の3つに集約されます。毎年の更新で割合が変わることがある(年度途中の遡り変更も)割合が変わる原因変わるタイミング気づきやすさ前年の所得が増えた(就労・年金改定)8月1日新しい証で確認できる前年の所得が減った(退職・減額)8月1日新しい証で確認できる世帯構成が変わった(同居開始・死別)変更後、随時見落としやすい確定申告が遅れた、修正申告をした8月まで遡って変更気づきにくい町田市は、引越し等で世帯構成が変更になった場合にも割合が変わる可能性があるとし、改めて送付する新しい証を必ず提示するよう求めています。割合が上がる典型は、退職金や不動産売却があった翌年です。「もう収入はない」のに判定に使うのは前年の所得なので、その年だけ2割や3割になります。逆のパターンもあります。配偶者が亡くなって世帯が単身になると、世帯の年金収入等の判定が単身の基準に切り替わり、割合が下がる年があります。年度途中の遡り変更は、いちばん気づきにくいつまずきです。割合が上がると、すでに支払った数か月分の差額が後からまとめて請求されます。現場感覚として、8月から10月は負担割合に関する質問が集中します。7月に届いた証をようやく開き、8月の請求書で金額の変化に気づくサイクルが毎年繰り返されるためです。負担限度額認定証との違い項目負担割合証負担限度額認定証対象になる費用介護サービス費の自己負担施設入所時の食費・居住費交付の条件認定を受けた人全員に自動交付申請して要件を満たした人のみ判定の材料前年の所得と世帯構成所得と預貯金等の資産記載内容1割・2割・3割負担限度額の段階名前が似て取り違えが起きますが、対象になる費用が違います。負担割合証は「サービス費の何割を払うか」、負担限度額認定証は「施設の食費と部屋代をいくらまでに抑えるか」です。決定的な違いは申請の有無です。負担割合証は申請せずに届きますが、負担限度額認定証は自分で申請しなければ発行されません。負担限度額認定の判定には預貯金などの資産も見られます。所得だけで決まる負担割合とは枠組みが違うので、「1割だから限度額認定も通るはず」とはなりません。在宅で暮らす方にとっては、まず負担割合証が本命です。詳しくは介護保険の「負担限度額認定」を完全解説で条件と申請のコツを整理しています。どちらも適用期間は8月1日から翌年7月31日で、更新時期が重なります。8月の切り替え時には2枚まとめて確認する習慣にしてください。医療保険(後期高齢者医療など)の負担割合との違い項目介護保険の負担割合医療保険の負担割合証明する書類介護保険負担割合証被保険者証やマイナ保険証対象サービス訪問介護、通所介護、介護保険の訪問看護外来、入院、医療保険の訪問看護判定の材料前年の所得と世帯構成所得区分(制度ごとの基準)上限の仕組み高額介護サービス費高額療養費介護保険と医療保険は別の制度なので、割合も別に決まります。介護保険が1割でも医療保険が3割ということは起こりますし、その逆もあります。「うちは1割だから安心」という理解のまま医療費の請求を見て驚くのは、この2つを混ぜてしまったときです。ケアマネジャーや訪問看護師には「どちらの制度の話か」を確認しながら進めてください。介護保険制度全体の位置づけは厚生労働省の資料で確認できます(出典:厚生労働省「介護・高齢者福祉」)。町田市・相模原市の訪問看護現場で見る負担割合証の実例町田市と相模原市で訪問看護を提供していて実感するのは、負担割合証のつまずきが集中するのが「8月」と「退院直後」の2つの時期だということです。8月の切り替え時期に起きやすいこと時期起きやすいこと先回りの対策7月中旬封筒が未開封のまま溜まる家族が電話で開封を促す8月第1週古い証のまま訪問が始まる初回訪問時に証を一緒に確認8月末〜9月請求書を見て初めて気づく事前に変更の可能性を説明発送から8月1日までの2週間ほどが、いちばん取りこぼしの起きやすい期間です。訪問看護ステーションでは、8月最初の訪問時に負担割合証を見せていただくよう声をかけています。「今年の新しい紙が届いていますか」と聞くだけで、未開封の封筒が出てくることがあります。入院中に7月をまたいだ方では、退院して郵便物を開けたときに新旧2枚の証が出てきます。町田市内でも、退院当日の初回訪問で封筒の束から2枚まとめて見つかったことがありました。交付年月日が新しい方をケアマネジャーへ渡してください。独居で認知機能の低下がある方の場合、届いたこと自体を覚えていません。ご家族かケアマネジャーが代わりに開封を確認する体制が要ります。遠方のご家族が手続きを担う世帯では、確認できるのが盆休みの帰省時になることもあります。事前に一言伝えておけば、暫定計算で対応してもらえます。8月は請求額が変わる月だと家族全員が知っている状態をつくるのが、いちばん効果のある対策です。カレンダーに「介護の書類確認」と書き込むだけでも取りこぼしは減ります。訪問看護の自己負担額を割合ごとに比べてみる1か月の費用総額(例)1割負担2割負担3割負担40,000円4,000円8,000円12,000円60,000円6,000円12,000円18,000円100,000円10,000円20,000円30,000円この表は割合の違いを実感していただくための単純な計算例です。実際の費用総額はサービスの種類、訪問の回数と時間、加算の有無、地域区分で変わります。見ていただきたいのは差額の大きさです。費用総額が同じ6万円でも、1割なら6,000円、3割なら18,000円。その差は12,000円で、年間にすれば14万円を超えます。だからこそ、1割から2割へ上がった年は生活設計の見直しが必要です。逆に下がった年は、我慢していた訪問回数を増やす余地が生まれます。相模原市で退院後3か月のフォローに入るとき、特に気をつけているのがこの点です。退院直後は訪問回数を多めに設定しますが、後から費用の話が出ると「もっと早く教えてほしかった」となりがちです。プランを組む段階で、負担割合を踏まえた月額の見込みを共有しておくのが誠実な進め方だと考えています。高額介護サービス費の上限に達していれば、実際の負担は表の金額より小さくなります。医療保険の訪問看護になる人は負担割合証を使わない訪問看護の適用制度主な対象使う書類介護保険要介護・要支援認定を受けた65歳以上など介護保険負担割合証医療保険厚生労働大臣が定める疾病等に該当する人医療保険の被保険者証医療保険急性増悪で特別指示書が出た期間医療保険の被保険者証訪問看護は、介護保険と医療保険のどちらからでも提供されるサービスです。要介護認定を持っていても、指定された疾病に該当する場合や主治医から特別指示書が出た期間は医療保険が適用されます。この切り替えが起きると、負担割合証は請求の根拠になりません。医療保険の負担割合で計算されるため、月の途中で自己負担額が変わります。町田市内で神経難病の方を訪問していると、この説明が毎回必要になります。訪問の中身は変わらないのに、請求の制度だけが切り替わるからです。切り替え時に金額の見込みも一緒にお話ししています。どちらが適用されるかはご本人が選べるものではなく、制度上のルールで決まります。要支援・要介護の区分そのものは要支援・要介護の違いと基準を徹底解説で整理しています。相談先が分からないという方は、まず担当ケアマネジャーへ。依頼できることの範囲は町田市の介護相談:ケアマネにできること・できないことにまとめています。よくある質問(FAQ)Q1. 介護保険負担割合証とは何ですか?A. 介護サービスの利用者負担が1割・2割・3割のどれになるかを市区町村が証明する書類です。要介護・要支援認定を受けた人と総合事業の対象者に、申請なしで交付されます。介護保険被保険者証とは別の紙で、2枚をセットで使います。Q2. 介護保険の負担割合(1割・2割・3割)はどうやって決まりますか?A. 本人の合計所得金額と、65歳以上の世帯員の「年金収入+その他の合計所得金額」の2つで判定します。本人の合計所得金額が160万円未満なら1割です。160万円以上で単身280万円以上(2人以上世帯346万円以上)なら2割以上、合計所得金額220万円以上で単身340万円以上(2人以上世帯463万円以上)なら3割です。40〜64歳の方、住民税非課税の方、生活保護受給者の方は一律1割です。Q3. 負担割合証はいつ届きますか?A. 毎年7月中旬ごろに郵送され、8月1日から翌年7月31日までが適用期間です。町田市は2026年は7月14日に発送、相模原市も毎年7月に送付しています。新しく認定を受けた方には、認定結果の通知と一緒に届きます。Q4. 負担割合証が届かない・なくしたときはどうすればいいですか?A. まず郵便物を確認し、見つからなければ市区町村の介護保険担当課へ連絡して再交付を依頼してください。町田市の窓口はいきいき生活部介護保険課給付係(042-724-4366)です。再発行を待つ間もサービスは継続できますが、届いていないことを事業所へ早めに伝えてください。Q5. 負担割合証と負担限度額認定証はどう違いますか?A. 負担割合証は介護サービス費の自己負担割合を示し、認定を受けた人全員に自動で交付されます。負担限度額認定証は施設入所やショートステイの食費・居住費を軽減する書類で、申請して所得と預貯金等の要件を満たした人だけに交付されます。Q6. 介護保険と医療保険の負担割合の違いは何ですか?A. 別の制度なので割合も別に決まります。介護保険は負担割合証、医療保険は被保険者証やマイナ保険証で確認します。介護保険が1割でも医療保険が3割という組み合わせは起こります。訪問看護は制度によって適用が切り替わります。Q7. 負担割合は更新のたびに変わりますか?A. 毎年判定し直されるため変わることがあります。前年の所得が増えれば上がり、減れば下がります。世帯構成の変化でも見直されます。確定申告が遅れたり修正申告をした場合は、8月まで遡って変更されることもあります。Q8. 負担割合証はどこに提示すればいいですか?A. 担当ケアマネジャーと、利用しているすべてのサービス事業所です。総合事業や介護予防を使っている場合は地域包括支援センターにも提示します。町田市は毎月必ず提示するよう案内しています。まとめ介護保険負担割合証は、自己負担が1割・2割・3割のどれになるかを市区町村が証明する1枚です。毎年7月中旬に届き、8月1日から翌年7月31日まで有効。判定は本人の合計所得金額と65歳以上の世帯員の年金収入等の2軸で行われ、同じ世帯でも人によって数字が違います。届いたら氏名・適用期間・割合を確認し、ケアマネジャーと利用中のすべての事業所へ提示してください。ピース訪問看護ステーションにご相談ください負担割合証や介護保険の書類は、制度の言葉のまま読むと分かりにくいものばかりです。訪問看護では、ケアと一緒に書類の確認や費用の見通しについてもご相談を受けています。こんな方はぜひご相談ください:7月に届いた負担割合証の見方が分からない、割合が変わっていて毎月の支払いが不安な方退院が決まったが、訪問看護を入れると月にいくらかかるのか見当がつかない方介護保険と医療保険のどちらで訪問看護を使うことになるのか分からない方ピース訪問看護ステーションができること:訪問時に負担割合証や被保険者証の内容を一緒に確認し、書類の保管場所づくりまでお手伝いします担当ケアマネジャーと連携して、負担割合を踏まえた月々の費用の見込みを事前に共有します介護保険と医療保険のどちらの制度で訪問看護になるのかを説明し、切り替わる時期も前もってお伝えします町田市・相模原市・多摩市など東京都南部を中心に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。関連記事介護保険の「負担限度額認定」を完全解説【完全ガイド】介護保険の更新手続きとポイント、本人・家族が知っておきたいこと【保存版】介護が必要になったら?要支援・要介護の違いと基準を徹底解説【町田市の介護相談】ケアマネにできること・できないこと町田市で居宅介護支援を利用するには?ケアマネの役割とサービス選びのポイント参考文献一覧出典:厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」(令和7年7月版)https://www.mhlw.go.jp/content/001512842.pdf2.出典:町田市「費用負担割合について(介護保険負担割合証)」https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/kaigo/hutan/hutanwariaisyo.html3.出典:相模原市「よくある質問『介護保険 負担割合証』について知りたい」https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026875/faq/fukushi/1000982.html4.出典:厚生労働省「介護・高齢者福祉」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修者】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理、地域医療連携、在宅看取り支援に積極的に取り組んでいる。island-piece.jp 株式会社isLand|訪問看護・居宅介護支援・訪問介護|町田市