「もう限界かもしれない」。介護をしているご家族から、そう打ち明けられることがあります。夜中に何度も起こされる、日中も目を離せない、代わってくれる人がいない。それでも「自分が休むために親を預けるなんて」と、ショートステイの利用をためらう方は少なくありません。ショートステイ(短期入所)は、介護が必要な方が数日から数週間だけ施設に泊まり、そこで介護を受けられるサービスです。そして家族の介護負担を軽くすることは、後ろめたい使い方ではありません。制度そのものが目的として掲げていることです。この記事では、ショートステイの使い方と費用を、種類の違い・申し込みの流れ・自己負担の内訳・使える日数・本人が嫌がるときの進め方という順にまとめます。訪問看護の現場でご家族に説明している順番と同じです。この記事でわかること短期入所生活介護と短期入所療養介護の違いと、選び分けの基準ケアマネジャーへの相談から利用開始までの5ステップと、予約を入れる時期の目安介護保険の自己負担・食費・滞在費・日常生活費を合わせた費用の目安連続30日という上限と、区分支給限度基準額との関係本人が嫌がるときに初回をどう組み立てるか(町田・相模原の現場例)ショートステイは「介護をがんばる家族が休むため」に使ってよい制度ですショートステイは家族の介護負担の軽減を制度上の目的に含んでおり、介護に疲れた家族が休むために使ってよいサービスです。「家族の負担軽減」は制度の目的として書かれている制度が掲げている目的具体的に想定されている場面利用者の孤立感の解消自宅にこもりきりで人と話す機会がない心身機能の維持回復食事・入浴・活動量が落ちてきた家族の介護負担の軽減介護者が疲れている、休息が取れていない厚生労働省の資料では、短期入所生活介護は利用者の心身の機能の維持と並んで「利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るもの」と定義されています(出典:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会「短期入所生活介護」資料4)。介護サービスの案内でも、対象となる条件として「家族(介護者)の疾病、冠婚葬祭、出張」「家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減」が並べて挙げられています。つまり、本人の状態が悪化していなくても、介護者が疲れているという理由だけでショートステイを使えるということ。「まだ元気だから申し訳ない」とためらう必要はありません。旅行や趣味のために使う方もいます。限界になってから使うと、選べるものが減る使い始める時期施設の空き状況本人の受け入れやすさ余裕があるうち日程を選んで予約できる短い日数から試せる疲れが溜まってきた頃希望日が埋まっていることがある説明する体力が残っている限界を迎えてから空いている施設しか選べない突然の宿泊で混乱しやすい介護者が倒れてからショートステイを探し始めると、選択の幅は一気に狭くなります。町田市・相模原市で訪問看護に伺っていると、「入院した」「腰を痛めた」という介護者の急変で、その日のうちに預け先を探す事態に立ち会います。そのとき使えるのは、たいてい以前から登録している施設です。先に1泊試しておく。それだけで、いざというときの選択肢が変わります。介護者の消耗については介護疲れ対策のすべて、セルフチェック・制度活用・訪問看護でできることもあわせて読んでください。ショートステイとは何か|短期入所生活介護と短期入所療養介護の違いショートステイには生活の介護が中心の短期入所生活介護と、医療とリハビリが中心の短期入所療養介護の2種類があり、本人の医療的な必要度で選び分けます。短期入所生活介護(生活の介護が中心)項目内容主な受け入れ先特別養護老人ホーム、老人短期入所施設など提供されるもの入浴・排泄・食事などの介護、機能訓練配置される職員生活相談員、介護職員または看護職員、栄養士、機能訓練指導員など向いている方医療処置が少なく、日常生活の介助が中心の方一般に「ショートステイ」と呼ばれるのは、多くの場合こちらです。特別養護老人ホームに併設された事業所と、単独で運営される事業所があります(出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム 短期入所生活介護」)。居室は4人以下と定められ、多床室(相部屋)・個室・ユニット型個室などのタイプがあります。タイプで滞在費が変わるため、費用を抑えたいなら多床室のある事業所を探します。看護職員の配置は事業所によって異なり、夜間も常駐しているとは限りません。夜間に医療処置が必要な方は、看護職員の勤務体制を契約前に確認してください。短期入所療養介護(医療とリハビリが中心)項目内容主な受け入れ先介護老人保健施設、介護医療院、医療機関提供されるもの日常生活上の世話、医療、看護、機能訓練向いている方経管栄養・喀痰吸引・インスリン注射など医療的な管理が必要な方呼ばれ方「医療型ショートステイ」と案内されることがある受け入れ先は介護老人保健施設・介護医療院・医療機関で、いずれも医師が配置されている施設です(出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム 短期入所療養介護」)。そのため、医療的な処置が続いている方でも受け入れてもらいやすくなります。退院直後で状態が読みにくい時期、床ずれの処置が続いている時期、服薬の調整中の時期。こうした場面では、生活介護型より療養介護型のほうが受け入れてもらいやすくなります。一方で事業所の数は生活介護型より少なく、地域によっては選択肢が限られます。リハビリ職がいる施設なら、滞在中に機能訓練を受けられる点も違いのひとつ。どちらを選ぶかの判断軸本人の状況向いているサービス食事・入浴・排泄の介助が中心短期入所生活介護痰の吸引、経管栄養、点滴の管理がある短期入所療養介護退院直後で状態が安定していない短期入所療養介護認知症はあるが医療処置はない短期入所生活介護リハビリを継続したい短期入所療養介護判断に迷ったら、ケアマネジャーに「今の医療処置を挙げると、どちらで受けてもらえますか」と聞いてください。受け入れ可否は処置の内容と事業所ごとに変わるため、机上の分類より個別の確認が早いです。訪問看護が入っていれば、看護師に医療処置の一覧を書き出してもらう方法もあります。「1日2回の吸引、朝夕のインスリン、週2回の褥瘡処置」と具体的に伝えられれば、施設側も判断しやすくなります。どちらの型でも、要介護認定または要支援認定を受けていることが前提です。認定がまだなら、まず市区町村の窓口か地域包括支援センターへ。申し込みの流れ|ケアマネジャーへの相談から利用開始までショートステイの申し込みは自分で施設に電話するのではなく、担当のケアマネジャーに相談してケアプランに位置づけてもらうところから始まります。利用開始までの5ステップステップやること主な担当1「何日くらい休みたいか」を伝える家族2条件に合う事業所を探して空き確認ケアマネジャー3見学・面談、健康状態の確認家族と施設4ケアプランに組み込んで契約ケアマネジャー・施設5荷物を準備して利用開始家族最初のステップで大事なのは、遠慮せずに希望を言うことです。「できれば」「無理でなければ」と前置きすると、ケアマネジャーは緊急性が低いと受け取ります。「今月中に2泊させたい」と日数と時期を数字で言い切ってください。面談では、施設の看護職員から服薬内容や既往歴、食事形態を確認されます。お薬手帳と介護保険証、負担割合証を持参すると一度で済みます。認定の内容によっては、契約前に主治医の意見を求められることもあります。ケアマネジャーが担う役割については【町田市の介護相談】ケアマネにできること・できないことにまとめています。予約はいつ入れるか時期混みやすさ予約の目安年末年始・お盆非常に混む2〜3か月前大型連休混む1〜2か月前平常時事業所による1か月前緊急時空き次第当日〜数日前に相談人気のある事業所は、年末年始の枠が秋のうちに埋まります。法事や旅行の日程が決まっているなら、決まった時点でケアマネジャーに伝えてください。平常時でも、初めて使うショートステイの事業所は面談や書類の手続きに時間がかかります。1か月前を目安に動き始めてください。同じ事業所を続けて使う場合、次回の予約を退所時にその場で入れられることもあります。1回で完結させず、次の休みを先に押さえてください。荷物と、事前に渡しておくと助かる情報項目具体例持ち物衣類、下着、上履き、洗面用具、おむつ類医療関係薬(一包化したもの)、お薬手帳、軟膏や処置材料書類介護保険証、負担割合証、負担限度額認定証(あれば)情報食事形態、睡眠の癖、トイレの間隔、苦手な対応衣類にはすべて記名します。施設で洗濯するため、混ざると戻らないことがあります。見落とされやすいのが最後の「情報」です。「夜中に2回トイレに起きる」「大きな声で話しかけられると混乱する」といった生活の癖は、書類には書かれていません。A4の紙1枚にまとめて渡しておくと、施設側の対応が早くなります。訪問看護が入っていれば、看護師が普段の様子を情報提供書にまとめて施設へ送ることもできます。費用の目安|介護保険の自己負担と食費・滞在費・日常生活費ショートステイの費用は、介護保険が適用される介護サービス費の自己負担分と、保険の対象外である食費・滞在費・日常生活費の合計で決まります。介護保険の自己負担は1日あたりいくらか要介護度1割負担額(1日につき)要支援1451円要支援2561円要介護1603円要介護2672円要介護3745円要介護4815円要介護5884円これは短期入所生活介護の併設型・多床室の場合の目安です(出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム 短期入所生活介護」)。単独型か併設型か、個室かユニット型かで金額は変わります。なお要支援1・2の方が利用するサービスは、介護予防短期入所生活介護という名称になります。自己負担の割合は所得によって1割・2割・3割に分かれます。毎年届く介護保険負担割合証で確認してください。2割なら表の倍、3割なら3倍です。短期入所療養介護(介護老人保健施設の従来型個室・基本型)の場合は、要介護1で753円、要介護5で971円が1割負担の目安とされています(出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム 短期入所療養介護」)。医療型のほうがやや高めです。食費・滞在費・日常生活費は保険の外費目基準となる額(1日につき)備考食費1,445円3食分滞在費(多床室・特養等)915円相部屋滞在費(従来型個室・特養等)1,231円個室滞在費(ユニット型個室)2,066円個室日常生活費施設が設定理美容代、おむつ代など食費と滞在費には標準的な費用の額(基準費用額)が定められています(出典:厚生労働省「サービスにかかる利用料」)。実際の金額は事業所が設定するため、契約前に重要事項説明書で確認してください。見落としがちなのが日常生活費です。おむつ代、理美容代、レクリエーションの材料費などが該当し、事業所ごとに設定されています。1日数百円でも、5日で無視できない額に。なお居住費の基準費用額は令和6年8月から日額60円引き上げられました(出典:厚生労働省老健局「介護保険最新情報 Vol.1280」)。数年前の情報を見ている場合は金額が違います。非課税世帯の軽減と、2泊3日の総額イメージ内訳計算金額介護サービス費(要介護3・1割)745円×3日2,235円食費1,445円×3日4,335円滞在費(多床室)915円×3日2,745円合計日常生活費を除く約9,315円要介護3の方が併設型の多床室に2泊3日(3日分算定)で泊まった場合の試算です。ここに日常生活費が加わります。同じ日数でもユニット型個室を選べば、滞在費だけで1日あたり1,151円高くなります。「いくらかかるか分からないから言い出せない」というご家族は少なくありません。1泊いくらの見当がつくだけで、ケアマネジャーへの相談は具体的になります。住民税非課税世帯などには軽減の仕組みがあります。負担限度額認定証の交付を受けると、ショートステイの食費は第1段階300円、第2段階600円、第3段階①1,000円、第3段階②1,300円まで下がります。滞在費も段階に応じて下がります。申請先は市区町村の介護保険担当窓口です。預貯金額の要件があるため、通帳の写しを求められます。詳しい条件は介護保険の「負担限度額認定」を完全解説─食費・居住費の軽減条件、2025年改正点、申請のコツまでを参照してください。在宅と施設の費用全体を比べたい方は介護費用はいくらかかる?在宅・施設・訪問看護の自己負担と上限をわかりやすく解説もどうぞ。費用の見通しが立たないままだと、家族はいつまでも休めません。町田市・相模原市で在宅介護をされている方は、訪問看護の利用と合わせてピース訪問看護ステーションにお問い合わせください。ケアマネジャーとの調整のしかたからご相談いただけます。利用できる日数の考え方|区分支給限度基準額と連続利用の上限ショートステイの日数は、連続30日までの上限、認定有効期間のおおむね半数という目安、区分支給限度基準額という月の枠の3つで決まります。連続して利用できるのは30日まで連続利用日数介護保険の扱い30日目まで短期入所生活介護費を算定できる31日目以降算定できない(全額自己負担)いったん帰宅して再開改めて1日目から数える利用者が連続して30日を超えてサービスを受けている場合、30日を超える日以降については短期入所生活介護費を算定できないと定められています(出典:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会「短期入所生活介護」資料4)。超えた分は保険給付の対象外で、費用は全額自己負担です。自費の日を挟んで同じ事業所を連続して使う場合も、30日を超えた日から報酬が減算されます。「1日だけ自費にすればリセットされる」わけではありません。長期の入所が必要な状態なら、ショートステイを延ばし続けるより、特別養護老人ホームの申し込みや老人保健施設の入所を並行して検討する段階です。入所の条件は要介護者が特別養護老人ホームに入るための条件と注意点とは?にまとめています。認定有効期間のおおむね半数までという目安要介護認定の有効期間ショートステイの日数の目安6か月おおむね90日まで12か月おおむね180日まで24か月おおむね360日まで居宅介護支援の運営基準では、ケアマネジャーは利用者の心身の状況等を勘案して特に必要と認められる場合を除き、短期入所を利用する日数が認定有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならないと定められています(出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」第13条第21号)。在宅での生活を維持することが介護保険の前提にあるためです。ただし条文には「利用者の心身の状況等を勘案して特に必要と認められる場合を除き」という但し書きがあります。介護者が入院した、虐待のおそれがあるといった事情があれば、半数を超える利用も検討されます。自分の認定の有効期間は介護保険被保険者証に書かれています。区分支給限度基準額の枠を他のサービスと分け合う要介護度1か月あたりの限度額要支援150,320円要支援2105,310円要介護1167,650円要介護2197,050円要介護3270,480円要介護4309,380円要介護5362,170円居宅サービスには要介護度ごとに1か月の利用限度額が定められており、これを区分支給限度基準額といいます(出典:厚生労働省「サービスにかかる利用料」)。限度額の範囲内なら1〜3割の自己負担で済み、超えた分は全額自己負担になります。この枠は訪問介護・訪問看護・デイサービスなどと共通です。ショートステイを長く使えば、その月のデイや訪問の回数を減らす調整が要ります。分科会の資料では、この限度額は要介護度ごとに標準的なサービスの組み合わせを想定して設定されたものだと説明されています(出典:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会「区分支給限度基準額(参考資料)」)。何日入れると枠がどうなるかは、ケアマネジャーに月単位で計算してもらってください。「来月ショートステイを3泊入れたら、デイと訪問看護は今のままで収まりますか」と数字で聞けば、その場で見てもらえます。本人が嫌がるときの進め方|初回を短くする工夫と伝え方(町田・相模原の現場例)本人がショートステイを嫌がるときは、説得を重ねるより、嫌がる理由を分けたうえで初回の日数を短く設計するほうが通ります。嫌がる理由を3つに切り分ける理由の種類表れ方対応の方向環境への不安「知らない場所は嫌だ」見学、短時間の体験から見捨てられる不安「そのまま入れる気だろう」帰る日を紙に書いて渡す生活の癖の問題「風呂の時間が違う」事前に癖を施設へ伝える「嫌だ」の一言の中身は、この3つのどれかであることがほとんどです。環境への不安なら見学が効きます。見捨てられる不安なら、日付を目で見える形にすることが効きます。町田市内で認知症のある方を訪問していると、「行きたくない」と言っていた方が、カレンダーに「◯日にお迎え、△日に帰る」と大きく書いて壁に貼っただけで落ち着いたことがあります。言葉での説明が残らなくても、文字は残ります。理由を確かめずに説得を繰り返すと、話題そのものが緊張の合図になります。初回は1泊から。慣らし方の手順回数日数の目安ねらい1回目1泊2日場所と職員に慣れる2回目2泊3日生活のリズムを掴む3回目以降3泊4日以上介護者がまとまった休息を取るいきなり1週間預けると、本人にも施設にも負担がかかります。まずは1泊。帰宅後に「どうだった」と感想を聞き、嫌だった点を次回に反映します。初回で食事を残した、眠れなかったという報告があっても、失敗ではありません。2回目で落ち着く方が多いです。デイサービスを使っている方なら、同じ法人が運営するショートステイを選ぶ手もあります。顔を知っている職員がいるだけで、初日の緊張が違います。伝え方を変えるだけで通ることがある避けたい言い方言い換えの例「私が疲れたから休ませて」「お風呂が広いところで、ゆっくりしてきて」「1週間預かってもらうから」「金曜に迎えに行くね」「施設に入る練習だよ」「体の調子を見てもらいに行こう」相模原市に伺っているご家庭で、息子さんが「親父を説得できない」と話されていたことがあります。話を聞くと、毎回「俺が限界だから」と伝えていました。伝え方を「リハビリの先生がいるところで、歩く練習をしてこよう」に変えたところ、その月のうちに1泊できました。自分のために行く用事なら、本人にも理由が立ちます。家族の都合だけを前面に出すと、断る理由も立ってしまいます。それでも断られることはあります。言い方を変えても通らなかったとき、家族の努力が足りなかったわけではありません。泊まりはいったん脇に置き、デイサービスや訪問の回数で休息を作る形に切り替えてください。嘘をつく必要はありません。ショートステイでは機能訓練も入浴も実際に受けられます。ただしリハビリ職の配置は事業所によって違うため、この伝え方をするなら事前に機能訓練の内容をケアマネジャーに確認してください。本人にとっての利点を先に言う。それだけです。老老介護の世帯での声かけについては老老介護で共倒れしないために|介護する人が限界を迎える前にできることも参考になります。緊急時の使い方と、合わなかったときの選択肢急な体調不良や介護者の入院でも、空きがあれば緊急にショートステイを利用できる仕組みがあり、合わなかった場合は事業所や部屋のタイプを変える調整ができます。急な体調不良・入院・冠婚葬祭のときの緊急利用状況最初の連絡先伝えること介護者が入院したケアマネジャー入院期間の見込み介護者が発熱・けがケアマネジャー動けない期間葬儀・法事で家を空けるケアマネジャー日程と必要日数夜間・休日で連絡がつかない地域包括支援センター状況と緊急度緊急の利用者を受け入れた事業所が算定できる加算が制度上あり、急な受け入れは想定の範囲内です(出典:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会「短期入所生活介護」資料4)。遠慮せずに相談してください。ただし空きがなければ受け入れられません。だからこそ、平常時に1度でも利用して契約を済ませておく意味があります。登録済みなら、面談や書類を飛ばして調整に入れます。介護者本人が発熱している場合は、その旨も必ず伝えてください。施設によっては、送迎前の検温を増やす、当面は個室で過ごしてもらう、面会を控えてもらうといった感染対策の手順に切り替わります。「合わなかった」ときに変えられるもの起きたこと変えられる選択肢相部屋で眠れなかった個室のある事業所に変更帰宅後に混乱が強く出た日数を短くする、回数を分ける食事をほとんど食べなかった食事形態の再確認、事業所の変更本人が強く拒否した期間を空けて再挑戦、別の手段へ1回うまくいかなかっただけで、ショートステイ全体が使えないと決める必要はありません。帰宅直後に混乱が強く出るのは、環境の変化そのものが負担になっているサインです。日数を短くする、同じ事業所を繰り返し使って慣れてもらう、といった調整をケアマネジャーと相談してください。事業所を変える判断も、遠慮するところではありません。ショートステイ以外に家族が休む手段手段内容向いている場面デイサービス日中の預かり、入浴や機能訓練泊まりを嫌がる訪問介護自宅での身体介護・生活援助家を離れたくない訪問看護医療処置と健康管理、家族への助言医療的な不安が大きい小規模多機能型居宅介護通い・泊まり・訪問を組み合わせ同じ職員に見てほしい泊まりが難しくても、休息を作る方法はあります。デイサービスを週3回に増やす、訪問介護を朝夕に入れる。日中の時間を確保する組み合わせです。訪問看護は医療処置を担うだけでなく、家族の不安を整理する役割も持ちます。「この症状で救急車を呼ぶべきか」を相談できる相手がいると、夜の緊張が下がります。医療的ケアが必要な子どものレスパイトについては医療的ケア児の家族が休むためのレスパイト活用ガイド|訪問看護でできることにまとめました。介護負担そのものを軽くする視点は介護疲れを防ぐ!訪問看護で変わる家族の介護負担、疲弊しないための実践ガイドも参考にしてください。「休みたいけれど、預けてよいのか分からない」。その迷いのまま数か月が過ぎることがよくあります。町田市・相模原市・多摩市で在宅介護をされている方は、ピース訪問看護ステーションへご相談ください。訪問看護の立場から、ケアマネジャーとの調整や施設への情報提供をお手伝いします。よくある質問(FAQ)Q1. ショートステイは家族が休むためだけに使ってもいいですか。A. 使えます。短期入所生活介護は、利用者の心身機能の維持と並んで「家族の身体的及び精神的負担の軽減」を目的として定義されたサービスです。本人の状態が悪化していなくても、介護者の休息を理由にショートステイを使って差し支えありません。Q2. ショートステイの費用はどのくらいかかりますか。A. 介護保険の自己負担に加えて、食費・滞在費・日常生活費がかかります。要介護3の方が併設型の多床室に2泊3日(3日分算定)で泊まる場合、介護サービス費の1割が2,235円、食費4,335円、滞在費2,745円で、合わせて約9,315円が目安です。住民税非課税世帯は負担限度額認定で食費と滞在費が下がります。Q3. ショートステイは連続して何日まで利用できますか。A. 連続利用は30日までです。30日を超える日以降は短期入所生活介護費を算定できず、全額自己負担になります。いったん帰宅して再度利用する場合は1日目から数え直します。居宅介護支援の運営基準では、利用日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにすることも定められています。Q4. ショートステイの申し込みはどのくらい前にすればいいですか。A. 平常時で1か月前、大型連休は1〜2か月前、年末年始やお盆は2〜3か月前が目安です。初めて使う事業所は面談や契約に時間がかかります。日程が決まっている用事があるなら、決まった時点でケアマネジャーに伝えておくと押さえやすくなります。Q5. 本人がショートステイを嫌がるときはどうすればいいですか。A. まず嫌がる理由を「環境への不安」「見捨てられる不安」「生活の癖の問題」に切り分けてください。環境への不安なら見学から、見捨てられる不安なら帰宅日を紙に書いて渡す方法が効きます。初回は1泊2日から始め、伝え方も家族の都合ではなく本人の利点を先に言う形に変えてみてください。Q6. 急な体調不良や介護者の入院でも緊急に利用できますか。A. 空きがあれば利用できます。緊急の受け入れに対する加算が制度上用意されており、急な相談は想定の範囲内です。まずケアマネジャーへ、夜間や休日で連絡がつかない場合は地域包括支援センターへ連絡してください。平常時に1度使って契約を済ませておくと、当日の調整が早く進みます。Q7. 認知症でもショートステイは利用できますか。A. 利用できます。医療処置がなく日常生活の介助が中心であれば短期入所生活介護が対象です。環境の変化で混乱が出やすいため、初回は1泊から始め、同じ事業所を繰り返し使って慣れてもらう進め方が現実的です。睡眠やトイレの間隔、苦手な声かけを事前に紙で渡しておくと、施設側の対応が変わります。Q8. ショートステイとデイサービスの違いは何ですか。A. 宿泊するかどうかが最大の違いです。デイサービス(通所介護)は日中に施設へ通い、入浴や食事、機能訓練を受けて夕方に帰宅します。ショートステイは施設に泊まるため、介護者は夜間も含めてまとまった休息を取れます。どちらも区分支給限度基準額の同じ枠を使います。まとめショートステイは、介護をがんばる家族が休むために使ってよい制度です。制度の定義そのものに「家族の身体的及び精神的負担の軽減」が書かれています。進め方は3つ。ケアマネジャーに日数と時期を数字で伝える。生活介護型か療養介護型かは、本人の医療処置から選ぶ。費用は介護保険の自己負担に食費・滞在費・日常生活費を足して見積もる。日数は連続30日という上限と、区分支給限度基準額という月の枠の中で組み立てます。限界を迎えてからでは、選べる施設も日程も減ります。余裕のあるうちに1度使っておいてください。ピース訪問看護ステーションにご相談くださいこんな方はぜひご相談ください:介護に疲れているのに、家族を預けることへの後ろめたさで動けずにいる方ショートステイを勧められたが、費用や日数の見通しが立たず決められない方医療処置があり、どの施設なら受け入れてもらえるか分からない方ピース訪問看護ステーションができること:医療処置の内容を整理して施設へ情報提供し、受け入れの調整を後押しします定期的な訪問で本人の状態を把握し、ケアマネジャーとの日程調整に必要な情報を共有しますショートステイの前後で変化しやすい体調・服薬・睡眠を確認し、ご家族の不安を減らします町田市・相模原市・多摩市など東京都南部を中心に対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。関連記事介護疲れ対策のすべて、セルフチェック・制度活用・訪問看護でできること介護疲れを防ぐ!訪問看護で変わる家族の介護負担、疲弊しないための実践ガイド老老介護で共倒れしないために|介護する人が限界を迎える前にできること医療的ケア児の家族が休むためのレスパイト活用ガイド|訪問看護でできること介護費用はいくらかかる?在宅・施設・訪問看護の自己負担と上限をわかりやすく解説町田市で在宅介護を始めるには?利用できるサービスと相談先まとめ参考文献一覧出典:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会「短期入所生活介護」資料4(第180回・令和2年7月20日)https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000650020.pdf2.出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム 短期入所生活介護(ショートステイ)」https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group12.html3.出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム 短期入所療養介護」https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group13.html4.出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム サービスにかかる利用料」https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html5.出典:厚生労働省老健局介護保険計画課・老人保健課「介護保険最新情報 Vol.1280」(令和6年6月21日)https://www.mhlw.go.jp/content/001266890.pdf6.出典:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会「区分支給限度基準額(参考資料)」(第145回・平成29年8月23日)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000175118.pdf7.出典:厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38号)第13条第21号https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82999405&dataType=0&pageNo=1【執筆者】作業療法士都内の回復期リハビリテーション病院に7年間勤務し、その後東京都町田市内で訪問看護・訪問リハビリに携わり5年。AMPS認定評価者、CI療法外来の経験を持ち、またOBP(作業に基づく実践)を中心とした在宅支援の豊富な実践経験を有する。【監修】看護師(訪問看護ステーション管理者)大学病院での急性期看護を経て、訪問看護ステーションの管理者を務める。終末期ケアや慢性疾患管理、地域医療連携、在宅看取り支援に積極的に取り組んでいる。island-piece.jp 株式会社isLand|訪問看護・居宅介護支援・訪問介護|町田市